「タッパ」という言葉を耳にしたことはありませんか?
ここで指すのは保存容器の「タッパー」ではありません。
近年ではあまり日常会話で「タッパ」を使うことは少なくなりましたが、人気漫画・アニメ『呪術廻戦』に登場することで、興味を持った方も多いのではないでしょうか?
この言葉は元々ある業界で使われていたもので、現在でも使用されています。
この記事では、「タッパ」の意味、その語源や使い方について詳しく説明します。
また、日常生活の中には、建築現場で使われる言葉が隠れていることが少なくありません。
タッパ以外の建築用語が日常生活でどのように使用されているかも探ってみましょう。
タッパは方言?その意味とは?
「タッパ」という言葉を聞いたことがありますか?
普段あまり耳にしないため、方言だと思う人も多いかもしれません。
しかし、「タッパ」は方言ではありません。
一般的には、人の身長や建物や物の高さを指す言葉として使われています。
タッパの語源:もともとは建築用語
「タッパ」はもともと建築現場で使われていた建築用語です。
漢字では「建端」または「立端」と書き、建物や家の高さを表します。
この用法から転じて、人の身長も「タッパ」と言うようになりました。
また、建築や土木業界だけでなく、演劇業界でも大道具や天井までの高さを表す際に「タッパ」が使われます。
「タッパ」が身長を意味する方言なのではないかと考える人もいますが、これは方言ではありません。
建築や土木業界で広く使われている専門用語です。
もう一つの説として、興味深いものとして、英語の「TOP」が訛って「タッパ」になったという説があります。
しかし、この説には信憑性や根拠が乏しいため、正確なところは不明です。
もっとも信憑性が高いのは、建物の端からの高さを略して「建端」としたという説です。
人に使う場合のタッパの使い方
現在、「タッパ」という言葉が使われるのはほとんどの場合、人の身長を指すときです。
「タッパ」の使い方を見てみましょう。
以下のような使い方が一般的です。
「あの人はタッパがあるからどこにいてもわかる」 → 「あの人は身長が高いからどこにいてもわかる」
「あの俳優さんタッパがあってかっこいい」 → 「あの俳優さんは身長が高くてかっこいい」
「この子2才児なのにタッパあるね」 → 「この子は2才児なのに背が高いね」
呪術廻戦に出てくる「タッパ」とは?
週刊少年ジャンプで連載中の人気漫画・アニメ『呪術廻戦』では、「タッパとケツがデカイ女がタイプです」というセリフがあります。
このフレーズは、「身長とお尻が大きい女性がタイプ」という意味です。
「呪術廻戦」に登場するキャラクター、東堂葵が女性のタイプを説明するセリフです。
これは、東堂葵の個人的な好みです。
このセリフがきっかけで、「タッパ」という言葉の知名度が若者の間で上がったかもしれません。
意外にある建築用語からの日常活用
日常生活の中で使われる建築用語は意外にも多いものです。
「いの一番」
たとえば、「いの一番に駆け付けた」と言ったりしますが、これは一番最初や真っ先のことを指します。
実はこれは、建築現場で柱を建てる際に使われる位置指定からきています。
柱の位置は横に「い・ろ・は・に」、縦に「一・二・三・四」と番付されていて、最初に建てる柱が「いの一番」になります。
「几帳面」
「几帳面」は、隅々まで整然としている人のことを指します。
もともとは、室内の間仕切りや風よけに使われていた家具の柱からきています。
この柱の表面を削り、角を丸くして両側に刻み目を入れたものを「几帳」と呼んでいました。
細部まで丁寧に仕上げられたことから、「几帳面」という言葉が生まれました。
「子はかすがい」
落語の題目にもある「子はかすがい」は、夫婦や木材をつなぎとめる役割の金属を指します。
この金属は、木材同士を固定するために使われ、落語でも夫婦が子供を通じてやり直すというストーリーで使われます。
「大黒柱」
「大黒柱」の語源にはいくつかの説がありますが、朝堂院の正殿「大極殿」の柱からきたとされる説や、恵比寿大黒の神から来たとされる説があります。
建物の中央にあり、家全体を支える役割をする柱から、集団の中心となる人物を指すようになった言葉です。
「たたき上げ」
「たたき上げ」は、下積みから苦労して一人前になることを指します。
この言葉の語源は、土間に使われる素材「三和土」からきています。
かつて日本の家屋の土間の表面に使われていたこの素材は、しっかりと叩いて固めないと良い土間にならないことから、「たたき上げ」という言葉が使われるようになりました。
「ろくでなし」や「立ちが悪い」も、建築用語だとか。
建築現場では、これらの言葉がよく使われると聞きます。
まず、「ろく」は「水平」を意味し、「ろくが出ていない」は「水平でない」ことを表します。
すると、「水平でない」は「曲がっている」となり、「ろくでなし」という言葉が生まれたわけです。
もう一つ、「立ちが悪い」。
こちらの「立ち」は、「立つ」あるいは「建つ」の意味で、文字通り垂直を意味します。
柱がまっすぐ立っていない状態を指すことがあり、「立ちが悪い」と言います。
これらの言葉が、現在の一般的な表現につながったのです。
他にも、「釘を刺す」や「相槌」「段取り」「棚上げ」「縄張り」「畳みかける」「縁を切る」「仕切る」「落とし込む」「適材適所」「根回し」など、多くの建築用語が日常言語として使われています。
ちなみに、タッパーとは
密閉保存容器は「タッパ」なのか「タッパー」なのか?
正解は「タッパー」です。
「Tupperware」の略で、「タッパー」と一般的に呼ぶことが多くあります。
このタッパーの由来ですが、これは商標登録された製品名です。
「タッパーウェア」の創業者で開発者、アール・S・タッパーさんの名前に由来しています。
彼が開発し、ホームパーティー形式で宣伝したことで広まりました。
タッパは死語?使用される場面とは
「タッパ」の意味や語源についてお話ししてきました。
「タッパ」とは、
建築用語で建物の高さを指す言葉
この用法が転じて、人の身長を指すようになった
「タッパ」は方言ではない
周囲で「タッパ」という言葉を使う人は少ないかもしれません。
私もほとんど聞いたことがなく、死語と思われがちです。
しかし、「タッパ」はもともと建築用語であり、現在でも建築業界では使用されています。
また、演劇の世界でも、舞台の天井の高さや大道具の高さを表す際に使われています。
さらに、一部の漫画では現在も使われています。
したがって、死語ではないと言えるでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。