「医療費控除って、年間10万円を超えないと意味ないんでしょ?」
もしあなたがそう思って、手元のレシートをゴミ箱に捨てようとしているなら……ちょっと待ってください!
実はそれ、大きな勘違いかもしれません。
特に、パートやアルバイト、副業中の方、あるいは育休中などで「去年の所得が少なめだったな」という方は必見です。
世の中でよく言われる「10万円ルール」には、知る人ぞ知る「裏ルート」があるんです。
今回は、所得が200万円未満の人だけが使えるお得なルールについて、どこよりも分かりやすく、優しく解説していきますね。
医療費控除は10万円以下でもOK!所得200万円未満の人が知らない「特例」
確定申告の時期になると、テレビやネットで「医療費が10万円を超えたら控除!」という言葉を耳にしますよね。
でも、実はこれ「全員に当てはまるルール」ではないんです。
なぜ「10万円」だと思い込んでしまうのか?一般的な基準のワナ
どうして世の中では「10万円」ばかりが強調されるのでしょうか?
それは、日本の納税者の多くが「所得200万円以上」に該当し、その場合の基準額が10万円だからです。
お役所の説明やニュースでは、どうしても「一番多いパターン」が代表として語られがちです。
その結果、「10万円いかなかったから、自分には関係ないや」と諦めてしまう人が続出しているんですね。
これは非常にもったいない「情報の落とし穴」なんです。
所得200万円未満なら「所得の5%」を超えれば還付の対象に
ここで登場するのが、今回の主役である「5%ルール」です。
所得が200万円に満たない人の場合、医療費控除を受けられる基準は以下のようになります。
「その年の総所得金額等 × 5%」
例えば、所得が150万円の人なら、150万円 × 5% = 7.5万円。
つまり、医療費が10万円に届かなくても、7.5万円を超えた分については控除の対象になるんです!
「所得」とは、お給料の額面(年収)ではなく、そこから給与所得控除などを引いた後の金額のこと。
自分の所得がいくらか分かれば、意外とハードルが低いことに気づくはずですよ。
【早見表】あなたの医療費は何円から控除される?所得別ボーダーライン
「計算なんて面倒くさい!」という方のために、所得別のボーダーラインをまとめてみました。
ご自身の状況と照らし合わせてみてください。
所得100万円・150万円・180万円……それぞれの控除対象額を公開
所得(年収から控除を引いた額)に応じた、医療費控除のスタートラインは以下の通りです。
| 合計所得金額 | 医療費控除が受けられる基準額 |
| 100万円 | 5万円 を超えたらOK |
| 120万円 | 6万円 を超えたらOK |
| 150万円 | 7.5万円 を超えたらOK |
| 180万円 | 9万円 を超えたらOK |
| 199万円 | 9.95万円 を超えたらOK |
| 200万円以上 | 一律 10万円 を超えたらOK |
どうでしょうか?
「5万円なら超えてるかも!」と思えてきませんか?
意外と多い?「年間8万円」の支出でも還付金が受け取れるケース
例えば、一人暮らしで所得が140万円(年収だと210万円くらい)の方が、歯医者に通ったり風邪を引いたりして年間8万円の医療費を払ったとします。
この場合の基準額は、140万円 × 5% = 7万円 です。
実際に払った8万円から7万円を引いた「1万円」が控除の対象になります。
「たった1万円の控除?」と思うかもしれませんが、これによって所得税が安くなり、さらに翌年の住民税も安くなる可能性があります。
ランチ数回分のお金が戻ってくると考えたら、馬鹿にできませんよね。
総所得金額等の計算方法をチェック!給与所得控除後の数字がカギ
ここで注意したいのが、「年収」と「所得」を混ぜこぜにしないことです。
会社員の方なら、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」という欄を見てください。
そこにある数字が、あなたの「所得」です。
もし副業をしているなら、その利益も合算したものが「総所得金額等」になります。
「自分の所得がいくらか分からない」という方は、まずは去年の源泉徴収票を引っ張り出してくることから始めてみましょう。
1円でも多く戻すために!医療費控除の対象に「含めていいもの・ダメなもの」
「よし、自分も対象だ!」と分かったら、次は「何を医療費に入れていいのか」を確認しましょう。
ここを漏らすと、せっかくの還付チャンスが小さくなってしまいます。
病院への電車代・バス代はOK?領収書がない交通費の処理
意外と忘れがちなのが、病院へ行くための「交通費」です。
電車やバスなどの公共交通機関を使った場合、それらはすべて医療費控除の対象に含まれます。
「でも、バスの領収書なんてないよ!」と思いますよね。
大丈夫です。家計簿やメモ帳、エクセルなどに「〇月〇日、〇〇病院、往復〇〇円」と記録しておくだけで認められます。
ただし、自分の車で通った場合の「ガソリン代」や「駐車場代」は対象外なので注意してくださいね。
あくまで「公共の乗り物」が基本です。
ドラッグストアで買った市販薬や、不妊治療・歯の矯正は対象?
病院でもらった薬だけでなく、ドラッグストアで買った「治療目的」の風邪薬や頭痛薬も対象です。
ただし、ビタミン剤やサプリメントといった「健康増進・予防」のためのものは対象外になります。
また、高額になりがちな「不妊治療」や、子供の「歯の矯正(成長に必要と認められるもの)」も対象になります。
これらは金額が大きいため、所得200万円未満の方ならほぼ確実に「5%ルール」をクリアできるはずです。
家族全員分を合算して申請!一番所得が高い人が申告すべき理由
医療費控除は、自分一人の分だけではありません。
生計を共にしている「家族全員分」をまとめて一人で申請することができるんです。
ポイントは、「家族の中で一番所得が高い人」がまとめて申告すること。
なぜなら、所得が高い人ほど税率も高いため、同じ控除額でも戻ってくる金額(節税額)が大きくなるからです。
共働きの夫婦なら、どちらが申告した方がトクか、お互いの源泉徴収票を見せ合って作戦会議をしてみてくださいね。
【ここが盲点】計算で忘れちゃいけない「差し引くべきお金」
「支払ったレシートの合計が基準を超えた!」と喜ぶ前に、もう一つだけ大切なチェックポイントがあります。
実は、支払った金額をそのまま計算に使ってはいけないケースがあるんです。
保険金や出産育児一時金でもらったお金はマイナスする
医療費控除の対象になるのは、あくまで「自分の財布から最終的に出ていったお金」です。
そのため、以下のような「補填(ほてん)されたお金」がある場合は、支払った医療費の合計から差し引かなければなりません。
- 入院して、加入している民間保険から「入院給付金」をもらった
- 出産して「出産育児一時金」を受け取った
- 高額療養費制度を利用して、後からお金が返ってきた
例えば、手術で15万円払ったけれど、保険から10万円下りた場合、あなたの実質負担は「5万円」です。
この5万円が、判定の土台になります。
これを引かずに申告すると、あとで税務署から「計算が違いますよ」と言われてしまう可能性があるので注意してくださいね。
支払った年と、保険金を受け取った年がズレる場合は?
たまにあるのが「12月に手術して、保険金が入ったのは翌年の1月」というケース。
この場合はどうすればいいのでしょうか?
結論から言うと、「その医療費に対応する保険金」であれば、受け取ったのが翌年であっても、その医療費から差し引いて申告するのがルールです。
まだ金額が確定していない場合は、見積額で差し引いて計算しましょう。
ちょっと面倒に感じるかもしれませんが、正しく申告することが、一番の節税への近道ですよ。
どっちがお得?「通常の医療費控除」vs「セルフメディケーション税制」
さて、医療費控除を調べていると「セルフメディケーション税制」という言葉にも出会うはずです。
これは、通常の医療費控除とは別の制度で、どちらか一方しか選べません。
1万2,000円超で対象になるセルフメディケーション税制の「必須条件」
セルフメディケーション税制は、「特定の市販薬」を年間1万2,000円より多く買った場合に受けられる控除です。
ただし、これには金額以外に**「自分自身が健康管理に取り組んでいること」**という条件があります。
- 会社の健康診断を受けている
- 自治体のがん検診を受けている
- インフルエンザなどの予防接種を受けている
これらを1つでもクリアしていればOKです。
「病院にはあまり行かないけど、薬局で薬をよく買う」という健康意識の高い方向けの制度ですね。
同時に両方は使えない!有利な方を選ぶための判定ポイント
「通常の医療費控除」と「セルフメディケーション税制」は、ダブルで使うことはできません。
どちらを使うべきかの判断基準はシンプルです。
- 病院の受診が多い、手術をした、出産した→ おそらく「通常の医療費控除」の方がおトクです。
- 病院にはほぼ行かず、ドラッグストアでの購入がメイン→ 「セルフメディケーション税制」の方が対象になりやすいです。
まずは両方の金額を計算してみて、控除額が大きくなる方を選びましょう。
薬のレシートに「★マーク」があればチャンス!今すぐ手元をチェック
ドラッグストアのレシートをよく見てください。
商品名の横に「★」や「※」がついていて、レシートの下の方に「★はセルフメディケーション税制対象製品です」と書いてありませんか?
これがあれば、その金額を合算するだけでOKです。
最近は親切なレシートが多いので、わざわざ自分で調べる手間も減っていますよ。
5分で完了!所得200万円未満の人がスマホで確定申告する最短ステップ
「確定申告なんて、税務署に並んで何時間もかかるんでしょ?」
いえいえ、今は令和です。スマホ一台あれば、こたつに入りながらでも終わります。
準備するものは「マイナンバーカード」と「スマホ」だけでOK
今の確定申告は、スマホの「マイナポータル」アプリとマイナンバーカードがあれば驚くほどスムーズです。
カメラで源泉徴収票をパシャッと撮るだけで、金額が自動入力される機能まであります。
「数字を打ち込むのが苦手……」という方でも、これなら安心ですよね。
医療費集計フォームを賢く使って、面倒な入力を一気に終わらせる
一番大変なのは「領収書を一枚ずつ入力すること」ですが、これもコツがあります。
国税庁のサイトにある「医療費集計フォーム(エクセル)」にあらかじめ入力しておけば、それを読み込むだけで一括登録できます。
また、マイナポータル連携をしていれば、病院にかかった情報が自動で取り込まれる仕組みも整ってきています。
(ただし、自由診療や交通費などは自動で入らないので注意!)
申告期間はいつからいつまで?還付申告なら5年前まで遡れる
通常の確定申告は2月16日から3月15日ですが、お金が戻ってくる「還付申告」だけなら、実は1月1日から受け付けています。
さらに驚きなのが、還付申告は「過去5年分」まで遡って手続きができること。
「一昨年の医療費、実は5%ルールを超えてた!」と今気づいたなら、今からでも遅くありません。
ぜひチェックしてみてください。
まとめ|10万円の壁に縛られず、賢く確定申告して還付金を受け取ろう
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「医療費控除は10万円から」という思い込み、無事に解消されましたか?
特に所得200万円未満の方にとって、この「5%ルール」は国が用意してくれた大切な救済措置です。
今すぐ昨年のレシートを合計して「5%」を超えているか確認を
まずは、家にあるレシートを全部集めてみましょう。
そして、自分の所得(源泉徴収票のあの項目!)の5%を計算してみてください。
もし超えていたら、それはあなたがお金を受け取る権利を持っているということです。
「少額だから面倒くさい」と思うかもしれませんが、一度やり方を覚えれば、来年以降もずっと役立つ知識になります。
住民税も安くなる!確定申告で得られるダブルのメリット
確定申告をして所得税が戻ってくるのはもちろん嬉しいですが、実は隠れたメリットが「翌年の住民税」です。
所得税の申告内容はそのまま住民税にも反映されるため、結果として毎月の給料から引かれる住民税が少し安くなるんです。
これって、地味に嬉しい「ご褒美」だと思いませんか?
「自分には関係ない」と決めつけず、まずはレシートを並べてみるところから始めてみましょう。
あなたの「もったいない」が、嬉しい「臨時収入」に変わることを応援しています!