確定申告

どっちが得?セルフメディケーション税制と医療費控除の判定基準|併用不可の注意点も解説

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「去年は家族で何度も風邪を引いたし、花粉症の薬もたくさん買ったなぁ……」 そんな風に1年を振り返りながら、手元に溜まった薬局や病院のレシートを眺めてため息をついていませんか?

っかくなら確定申告をして、少しでもお金を戻したいですよね。 でも、いざ調べ始めると「医療費控除」に加えて「セルフメディケーション税制」なんていう、呪文のような名前の制度が出てきて混乱してしまいます。

「どっちを選べばいいの?」 「両方いいとこ取りはできないの?」 そんな疑問を抱えているあなたのために、今回は損をしないための判定基準をどこよりも分かりやすく、正確にお伝えします!

どっちがお得?セルフメディケーション税制と医療費控除の「併用」はできない!

まず、最初にお伝えしなければならない、とても大切で、かつちょっと残念なお知らせがあります。 それは、「この2つの制度はセットで使えない」ということです。

【結論】どちらか一方のみ!同じ年に両方の制度は使えません

「病院代は医療費控除で、ドラッグストアで買った分はセルフメディケーション税制で……」という風に、分けて申告することはできません。 確定申告書を書くときに、どちらか片方のルートを選ばなければならないというルールになっています。

これ、意外と知らずにレシートを分けて準備しちゃう方が多いんですよね。 「せっかく計算したのに!」と後で泣かないためにも、まずは「どっちか一本に絞る」という覚悟を決めてくださいね。

なぜ併用不可なの?国の節税ルールを分かりやすく解説

セルフメディケーション税制は、もともと「医療費控除を受けるほどではないけれど、自分で健康管理をして薬を買っている人」を応援するために作られた「医療費控除の特例」なんです。

つまり、もともとは同じ家系図にいる制度なんですね。 国としては「医療費がすごくかかった人には本家の医療費控除を、薬で頑張った人には分家のセルフメディケーション税制を」という使い分けを想定しています。 そのため、一人でダブル適用を受けることはできない仕組みになっています。

家族で別々に申請できる?「世帯単位」で考える時のルール

「本人が一本に絞らなきゃいけないなら、夫は医療費控除、妻はセルフメディケーション税制にすればいいんじゃない?」 この発想、実はとっても鋭いです!

結論から言うと、「申告する人(納税者)」が別々であれば、それぞれ別の制度を使うことは可能です。 例えば、共働きのご夫婦で、夫が自分の医療費を申告し、妻が自分の市販薬代を申告する場合などは、それぞれの判断で選べます。

ただし、家族全員分を一人にまとめて申告する場合は、やはりその一人がどちらの制度にするか選ばなければなりません。

1分で判定!あなたのレシートで得するのはどっち?フローチャート

さて、併用できないと分かったら、次は「どっちがトクか」を決める戦いです。 複雑な計算に入る前に、まずは頭を整理するためのフローチャートをチェックしましょう。

病院代+交通費が「10万円(または所得5%)」の【低い方】を超えているか?

まずは、病院や歯医者さんでもらった領収書を合計しましょう。 ここでポイントなのは、あなたのボーダーラインが必ずしも「10万円」とは限らないことです。

所得が200万円未満の人は、「所得 × 5%」の金額が10万円より低ければ、そちらがあなたの基準額になります。
例えば、所得150万円の人なら基準は7.5万円。
つまり、「10万円」と「所得の5%」、自分にとって「低い方の壁」を超えていれば、医療費控除を受けるチャンスがあります!

対象の市販薬を「1万2,000円」以上買っているか?

次に、ドラッグストアのレシートをチェックしましょう。 「セルフメディケーション税制対象」というマークがついているお薬の合計金額を見てください。

この合計が「1万2,000円」を超えていますか? 病院代はそこまでいかなかったけれど、市販の薬代がこのラインを超えているなら、「セルフメディケーション税制」の出番です。

判定のカギは「控除額」の大きさ!どちらが多くの金額を引けるか

結局のところ、勝敗は「どっちの方が、所得から引ける金額(控除額)が大きくなるか」で決まります。

  1. 医療費控除: (医療費の合計 - 保険金) - 「10万円か所得5%の低い方」
  2. セルフメディケーション: (対象の薬代 - 保険金) - 1万2,000円

この2つの式に数字を当てはめてみて、答えが大きくなった方が「おトク」です。 通常の医療費控除と同様に、市販薬も「保険金などで戻ってきたお金」があれば引かなければならない点に注意してくださいね。

【徹底比較】医療費控除 vs セルフメディケーション税制の決定的な違い

「金額以外に何が違うの?」という方のために、2つの制度の個性を比較してみましょう。 実は、対象になるものの幅広さが全然違うんです。

対象範囲の広さ:病院・歯医者・通院費まで入る医療費控除

「医療費控除」は、とにかく懐が深いです。 病院での診察代はもちろん、処方箋でもらった薬代、入院費、さらには歯の矯正(治療目的)や、不妊治療、レーシック手術まで対象になります。

また、意外とバカにならないのが「病院までの交通費」です。 これら全部をひっくるめて「医療費」としてカウントできるのが、最大の強みですね。

対象薬の限定:スイッチOTC医薬品だけが対象のセルフメディケーション

対する「セルフメディケーション税制」は、かなりストライクゾーンが狭いです。 対象になるのは「スイッチOTC医薬品」と呼ばれる、特定の成分が含まれた市販薬だけ。

「なんでもかんでも薬局で買ったものはOK」というわけではありません。 最近はパッケージに共通のロゴマークがついていることも多いので、購入時にチェックする癖をつけましょう。

控除上限額:200万円まで引けるか、8万8,000円で止まるか

ここも大きな違いです。 医療費控除は、最大で「200万円」まで所得から引くことができます。 大手術をしたり、家族全員の医療費が重なったりしたときには、とても頼りになる数字です。

一方、セルフメディケーション税制の控除上限は「8万8,000円」まで。 どんなにたくさん市販薬を買っても、これ以上の節税効果はありません。 高額な医療費がかかった年は、迷わず医療費控除を選びましょう。

所得別シミュレーション!結局いくら戻る?還付金の差を公開

「控除額がわかっても、実際にいくらチャリンと戻ってくるのか知りたい!」 そんな声にお応えして、具体的なシミュレーションをしてみましょう。

年収300万円の場合:市販薬4万円と病院代9万円、どっちがトク?

所得が約200万円(年収300万円程度)の方を例に考えてみましょう。

  1. 医療費控除の場合: 病院代9万円 - 基準額10万円(所得5%でも10万円) = 0円(控除なし)
  2. セルフメディケーション税制の場合: 薬代4万円 - 1万2,000円 = 2万8,000円(控除額)

この場合、戻ってくる所得税(税率5%と仮定)は 1,400円 です。 さらに、翌年の住民税も約 2,800円 安くなります。 病院代が10万円の壁に届かなくても、市販薬代が家計を助けてくれるパターンですね。

高所得者ほど差が出る!所得税率が還付額に与えるインパクト

還付金の計算には「税率」がかけ合わされます。 つまり、年収が高い人ほど、同じ控除額でも「戻ってくるお金」が増えるんです。

例えば、所得税率が20%の人なら、控除額が5万円あるだけで所得税が1万円戻ってきます。 「自分は税金をたくさん払っているな」と感じている人ほど、こうした控除を1つでも多く見つけるメリットは大きいですよ。

住民税も安くなる!目に見えない節税メリットを計算しよう

「還付金が数百円しかなかった、手間損だ……」とガッカリしないでください。 確定申告をすると、そのデータが住んでいる市区町村に送られ、自動的に「住民税」も再計算されます。

所得税の還付額の「約2倍」くらい、翌年の住民税が安くなることも珍しくありません。 申告の手間は、未来の自分へのプレゼントだと思って頑張りましょう!

忘れると申請却下?セルフメディケーション税制に必須の「健康への取り組み」

医療費控除にはない、セルフメディケーション税制だけの「絶対条件」があります。 これ、実は知らない人が多いので要注意です!

会社の健診・インフル予防接種・がん検診…どれか1つでOK!

セルフメディケーション税制を受けるには、その年に「自分は健康に気をつけていましたよ!」という証明が必要です。

具体的には、以下のどれか1つを受けていればクリアです。

  • 会社の定期健康診断
  • インフルエンザなどの予防接種
  • 市町村のがん検診
  • 人間ドックや特定健康診査

何も受けていない人は、たとえ薬を10万円分買っても、この制度は使えません。 「自分に投資する人を応援する」ための制度だからこそのルールなんですね。

領収書や結果通知は捨てないで!証明書類の保管と提出ルール

以前は証明書を提出しなければなりませんでしたが、今は「入力するだけ」でOKになりました。 ただし!「5年間」は自宅で保管しておく義務があります。

もし税務署から「本当に行きましたか?」と聞かれたときに、証拠がないと控除が取り消されてしまうかもしれません。 診断結果や領収書は、レシートと一緒に大切に保管しておきましょう。

「ただ薬を買っただけ」ではダメ!意外な落とし穴をチェック

よくある勘違いが、「家族の誰かが検診を受けていればいい」と思ってしまうこと。 いいえ、「申告をする本人」が受診していなければなりません。

奥様が旦那様の所得でまとめて申告する場合、旦那様本人が会社の健診を受けている必要があります。 旦那様が何も受けておらず、奥様だけが受診している場合、旦那様名義でこの制度は使えないので気をつけてください。

賢い家族はやってる!世帯全体で還付金を最大化するテクニック

最後に、上級者向けの「家族での使い分け」についてお話しします。 これを知っているだけで、家計の節税額がグンと変わるかもしれません。

夫は医療費控除、妻はセルフメディケーション……これはアリ?

共働きでそれぞれが所得税を払っている場合、「夫婦別々に申告する」のが最もおトクなケースがあります。

夫が自分の病院代を医療費控除で使い、妻が自分用の市販薬代をセルフメディケーション税制で使う。 これは「併用」ではなく「別の人間が別の申告をする」ことなので、両方の恩恵をフルに受けられます!

どちらの所得で申告するのがベスト?共働き夫婦の節税戦略

もし一人の名義にまとめたい場合は、「税率が高い方(所得が多い方)」の名義で申告するのが基本です。 同じ10万円の控除でも、税率5%の人なら5,000円の節税ですが、税率20%の人なら2万円の節税になります。

夫婦の源泉徴収票を見比べて、どちらが申告すれば「家計全体として戻りが大きいか」を相談してみましょう。

1月1日から12月31日までのレシートを「仕分け」する時の整理術

いざ申告しようと思っても、レシートが混ざっているとやる気が失せます。 おすすめは、最初から「病院のレシート」と「ドラッグストアの対象薬レシート」を封筒に分けて入れておくこと。

年末にその2つの封筒の重みを比べて、有利な方を計算する。 そんなシンプルな整理術が、確定申告をラクにする一番の秘訣です。

まとめ|損をしないために!今すぐ手元のレシートを2つの山に分けよう

ここまで読んでいただき、ありがとうございます! 医療費控除とセルフメディケーション税制、どっちを選ぶべきか見えてきたでしょうか?

10万円の壁と1.2万円の壁、あなたはどちらを目指すべきか

最後に、究極の二択をまとめます。

  • 病院代(+交通費)が「低い方の壁(10万円 or 所得5%)」を超えている人 → 迷わず「医療費控除」へGO!
  • 病院にはあまり行かないけれど、市販薬はよく買った人 → 健診を受けているなら「セルフメディケーション税制」がおトク!

もし、どちらも「絶妙にラインを超えそう」なら、今回紹介した引き算を一度だけ試してみてください。

確定申告で「損をしない」ための最終チェックリスト

申告前に、これだけは確認してください。

  1. 併用はできない! 片方に絞りましたか?
  2. 低い方の壁を確認した? 所得200万未満なら「所得の5%」が基準です。
  3. 保険金は引いた? もらった給付金を差し引くのを忘れずに。
  4. 健康診断は受けた? セルフメディケーション税制を使うなら必須です。

確定申告は、最初は難しく感じるかもしれませんが、一度やってしまえば「自分でお金を取り戻した!」という大きな達成感が味わえます。

あなたの節税チャレンジが、成功することを心から応援しています!

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