「3か月前にお会いした際は、ありがとうございました」とメールに書こうとして、もっとビジネスらしい言葉に変えたほうがよいのか迷うことがありますよね。
「以前」「先日」「先般」「過日」など、過去を表す言葉はいくつもあります。
ただし、それぞれの言葉が示す時期や文章の印象は同じではありません。
結論からいうと、「3か月前」はビジネスメールで使っても失礼ではありません。
むしろ、契約や打ち合わせなどの時期を正確に伝えたい場面では、曖昧な言葉へ置き換えないほうが親切です。
この記事では、「3か月前」のビジネス向けの言い換えと使い分けを、メール例文とともに紹介します。
「3か月前」のビジネス向け言い換えは「以前」や「〇月頃」

「3か月前」は、そのまま使える自然な表現です。
時期をやわらかくぼかすなら「以前」、相手が出来事を思い出しやすいようにするなら「〇月頃」や「〇月の打ち合わせでは」と表せます。
ただし、これらは完全に同じ意味の言葉ではありません。
伝えたい時期の正確さに合わせて選びましょう。
「3か月前」はビジネスメールで使っても失礼ではない
「3か月前」は日常的な言い方ですが、ビジネスメールでも問題なく使えます。
たとえば、次のような文章は自然です。
- 3か月前にお送りした資料について確認いたしました
- 3か月前の打ち合わせ内容についてご相談があります
- 3か月前と比べて、問い合わせ件数が増加しています
「3か月前」には、現在からどの程度さかのぼった話なのかを伝えやすい利点があります。
売上やアクセス数の比較、作業の進捗など、経過期間が重要な内容にも向いています。
仕事の文章では、堅い言葉を使うことよりも、相手が内容を正しく理解できることが大切です。
「3か月前では幼く見えるかもしれない」と心配しすぎる必要はありません。
時期を正確に伝えるなら「3か月前」のままでよい
時期をある程度明確に伝えたい場合は、「3か月前」をそのまま使えます。
ただし、契約日、支払日、提出期限など、日付によって判断が変わる内容では、具体的な年月日を記載しましょう。
特に、次のような文章では正確な日付が重要です。
- 契約や更新に関する確認
- 支払いや請求に関する連絡
- 申請や提出の期限
- 書類を送付した日の確認
- 過去の問い合わせへの回答
「以前ご案内した件」とだけ書くと、相手が別の案件を探してしまうことがあります。
「○年○月○日にお送りした見積書の件です」と具体化すれば、該当するメールや資料を探しやすくなります。
丁寧な言い換えよりも、出来事を特定できる情報を添えることを優先してください。
迷ったときは「〇月の打ち合わせでは」が分かりやすい
「3か月前」では少し会話的に感じるものの、「過日」では堅すぎると迷ったときは、月と出来事を組み合わせる方法が使えます。
- 4月の打ち合わせでは、貴重なご意見をいただきありがとうございました
- 4月15日にお送りした資料について、確認をお願いいたします
- 4月頃にご相談いただいた件について、改めてご連絡いたしました
- 前回の面談時にお話しした内容について補足いたします
月、日付、打ち合わせ、面談、メール送信などの情報があると、相手が内容を思い出しやすくなります。
複数の案件を同時に進めている相手には、「以前」「先日」だけでは情報が足りない場合もあります。
言い換えに迷ったら、難しい単語を探すのではなく、「いつ、どの出来事か」を具体的にしてみましょう。
「3か月前」のビジネス向け言い換え一覧
「3か月前」の言い換えは、時期をどこまで正確に伝えたいかによって変わります。
おおよその時期を示すのか、少しぼかすのか、出来事を特定してもらうのかを考えると選びやすくなります。
おおよその時期なら「約3か月前」「3か月ほど前」
正確に3か月前ではなく、おおよその時期を示したい場合は、「約3か月前」「3か月ほど前」「およそ3か月前」が使えます。
- 約3か月前にお問い合わせいただいた件です
- 3か月ほど前にお送りした資料を再度添付します
- およそ3か月前から準備を進めています
「約」「ほど」「およそ」を加えると、多少の幅を含んだ表現になります。
日付を正確に覚えていない場合や、数日のずれが問題にならない内容に適しています。
一方、契約期限や支払日などでは、「約3か月前」とせず、送信履歴や書類を確認して日付を記載するほうが安全です。
時期をやわらかくぼかすなら「以前」
過去の出来事をやわらかく振り返りたい場合は、「以前」が使いやすい表現です。
- 以前お会いした際は、ありがとうございました
- 以前ご相談いただいた件についてご連絡しました
- 以前お送りした資料を再度添付いたします
「以前」は、取引先へのメールにも使え、必要以上に堅くなりません。
ただし、示す時期が広いため、どの出来事なのか伝わらないことがあります。
何度も打ち合わせをしている相手には、「以前、4月に行った打ち合わせでは」のように、月や内容を添えると親切です。
出来事を特定するなら「〇月頃」「〇月の面談時」
相手に過去の出来事を思い出してもらいたい場合は、時期と場面を組み合わせます。
- 4月頃にご相談いただいた件についてご連絡します
- 4月の面談時にお話しした内容をまとめました
- 4月15日の打ち合わせでご提案した件です
- 前回のご訪問時にお預かりした資料について確認があります
正確な日付が分からない場合は、「4月頃」「4月上旬」のように幅を持たせても構いません。
ただし、「〇月頃」は暦上の月を示し、「3か月前」は現在からの経過期間を示す表現です。
厳密な期限を伝える場面では、同じものとして扱わず、年月日を確認してください。
「先日」「先般」「過日」「以前」の違い
「先日」「先般」「過日」「以前」は、いずれも過去の出来事に触れるときに使われます。
しかし、指す時期に厳密な日数の決まりはなく、文章の印象にも違いがあります。
「先日」は近い過去を表すため3か月前では注意する
国語辞典では、「先日」は「さほど遠くない過去のある日」という意味で説明されています。
何日前までという明確な線引きはありません。
そのため、3か月前の出来事を「先日」と表しても、文法上の誤りとまではいえません。
ただし、読み手によっては「先日というには少し前ではないか」と感じる可能性があります。
3か月前であることが分かっているなら、「4月の打ち合わせでは」「以前お会いした際は」のように書くと、時間のずれを感じさせにくくなります。
「先般」は改まった文面で使われることがある
「先般」は、国語辞典で「さきごろ」「このあいだ」「過日」などと説明される言葉です。
- 先般ご案内した内容について補足いたします
- 先般の会議では、貴重なご意見をありがとうございました
「先日」より改まった印象があり、通知文や案内文などで見かけることがあります。
ただし、「先般」にも「何日前まで」という決まりはありません。
3か月前の出来事を指すときは、言葉の格調よりも、相手が出来事を特定できるかを優先しましょう。
通常のメールでは、「4月の会議では」などと具体的にするほうが分かりやすい場合があります。
「過日」は過去のある日を表す改まった言葉
「過日」は、過ぎ去ったある日を指す言葉です。
特定の日付を示さず、過去の出来事に触れるときに使われます。
- 過日はご多用のところお越しいただき、ありがとうございました
- 過日ご相談いただいた件についてご連絡します
3か月前の出来事にも使えますが、「過日」だけでは時期を特定できません。
礼状や改まった案内文にはなじみやすい一方、日常的な社内メールでは堅く感じられる場合があります。
正確さが必要なら「〇月〇日」、通常の連絡なら「以前」や「〇月の打ち合わせでは」とするなど、目的に合わせて使い分けましょう。
「3か月前」を使ったビジネスメールの例文
ここからは、「3か月前」に関する表現を使ったメール例文を紹介します。
実際に使うときは、月や日付、案件名を自分の状況に合わせて変更してください。
3か月前のお礼を伝える例文
時間がたってからお礼を伝える場合は、何についてのお礼なのかを具体的にします。
4月の打ち合わせでは、貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
その際にいただいたご意見をもとに、企画内容を見直しました。
「3か月前はありがとうございました」だけでも意味は通じます。
ただし、相手が複数の案件を担当している場合は、月や打ち合わせの内容を添えたほうが思い出しやすくなります。
お礼が遅くなったこと自体を謝る必要がある場合は、「ご連絡が遅くなり申し訳ございません」と簡潔に添えましょう。
以前の打ち合わせについて確認する例文
過去の打ち合わせ内容を確認するときは、日付と確認事項を明確にします。
4月15日の打ち合わせでご説明いただいた納品予定について、確認したい点がございます。
現時点でも、当初の予定どおり進行しているとの理解でよろしいでしょうか。
「以前の打ち合わせについて確認です」と書くより、相手が資料や予定を探しやすくなります。
件名にも「4月15日の打ち合わせ内容の確認」のように日付や案件名を入れると、用件が伝わりやすくなります。
連絡が遅くなったことをお詫びする例文
3か月前の出来事について今になって連絡する場合は、遅れたことへのお詫びを簡潔に添えます。
4月頃にご相談いただいた件につきまして、ご連絡が遅くなり申し訳ございません。
確認が取れましたので、下記のとおりご案内いたします。
お詫びが長くなると、回答や案内が見つけにくくなります。
事情の説明が必要でなければ、お詫びは一文にまとめ、続けて結論や対応内容を伝えましょう。
「3か月前」を言い換えるときの注意点
丁寧な表現へ置き換えても、相手が出来事を特定できなければ、分かりやすい文章とはいえません。
時期の正確さと、相手が必要とする情報を優先しましょう。
「以前」だけでは相手が出来事を特定できないことがある
「以前」は便利な表現ですが、指す時期が曖昧です。
何度も連絡を取っている相手には、どの出来事なのか伝わらない場合があります。
- 以前お送りした資料
- 4月15日にお送りした見積書
- 前回の面談時にお渡しした資料
下の二つのように日付や場面を加えると、該当する資料を探しやすくなります。
「以前」を使う場合も、案件名、書類名、面談内容などを一緒に書くとよいでしょう。
契約や期限に関する文章では具体的な年月日を書く
契約、請求、支払い、申請期限などに関する文章では、「3か月前」「以前」だけで済ませないほうが安全です。
「〇年〇月〇日付の契約書」「〇月〇日が期限の請求書」のように、年月日や書類名を明記しましょう。
「3か月前」は、書いた日や読んだ日が変わると指す時期も変わります。
また、月によって日数が異なるため、日単位の期限を厳密に示す用途には向きません。
重要な手続きでは、相対的な表現より具体的な日付を優先してください。
丁寧に見せようとして難しい言葉を使いすぎない
「過日」「先般」は誤った表現ではありません。
ただし、普段使わない言葉を無理に入れると、文章が堅くなりすぎることがあります。
「過日ご高覧に供しました資料につきまして」のように難しい言葉を重ねるより、「4月にお送りした資料について」のほうが簡潔です。
ビジネス文書では、格調の高さよりも、短時間で正確に理解できることを優先しましょう。
「3ヶ月前」と「3か月前」はどちらがビジネス向き?
「3ヶ月」「3か月」「3カ月」は、一般の文章で見かける表記です。
ただし、公用文と一般企業の文書では、採用する表記が異なる場合があります。
公用文では算用数字と「か月」を組み合わせる
文化庁の「公用文作成の考え方」では、算用数字を使う横書きの場合、「3か月」のように、算用数字と平仮名の「か月」を組み合わせるとしています。
漢数字を使う場合は、「三箇月」と表します。
また、同資料では、一般の社会生活で見かける「3ヶ月」「7カ月」といった表記は、公用文では用いない考え方が示されています。
そのため、公的な文書に近い表記へ整えたい場合は、「3か月」が分かりやすい選択です。
ただし、このルールが一般企業のすべてのメールにそのまま義務付けられるわけではありません。
一般のビジネス文書では社内ルールを優先する
企業によっては、「3カ月」「3ヶ月」などを表記基準としている場合があります。
社内マニュアル、過去の広報資料、公式サイトなどにルールがあるなら、その基準を優先してください。
また、法律名、サービス名、商品名などの固有名称は、発信元の正式な表記を尊重しましょう。
明確な決まりがない場合は、文化庁の公用文の考え方を参考に「3か月」とする方法があります。
同じメールや資料の中で表記を統一する
同じ文書内で「3か月」「3ヶ月」「三か月」が理由なく混在すると、見た目が整っていない印象になります。
本文で「3か月」と決めたら、見出しや表の中でも同じ表記を使いましょう。
数字の全角・半角についても、文書内で使い分けを統一します。
文化庁の資料でも、算用数字の全角と半角については、文書内で考え方を統一するよう示されています。
まとめ|3か月前は相手が時期を特定できる表現に言い換える
「3か月前」は、ビジネスメールで使っても失礼な表現ではありません。
大切なのは、相手がいつの出来事なのかを正しく判断できることです。
通常のメールでは「3か月前」「〇月頃」が使いやすい
経過期間を伝えるなら、「3か月前」をそのまま使えます。
少し幅を持たせる場合は、「約3か月前」「3か月ほど前」「〇月頃」が自然です。
相手に出来事を思い出してもらう必要があるときは、「4月の打ち合わせ」「4月15日に送付した資料」のように、場面や用件も添えてください。
契約や期限などで正確さが必要な場合は、具体的な年月日を記載しましょう。
先日・先般・過日は文章の目的に合わせて選ぶ
「先日」は、さほど遠くない過去のある日を表します。
「先般」は「さきごろ」「このあいだ」などの意味を持ち、改まった文面で使われることがあります。
「過日」は、過ぎ去ったある日を表す言葉で、礼状などにも用いられます。
いずれも指す期間に明確な日数の決まりはありません。
言葉の堅さだけで選ばず、正確さ、相手との関係、文書の目的を考えて使い分けましょう。
迷ったときは、難しい表現へ置き換えるより、「いつ、何についての連絡か」を具体的に書く方法が最も確実です。