「こちらでよろしいでしょうか?」 ビジネスメールを書いていて、一日に何度もこのフレーズを使っていませんか。 あるいは、上司に送る直前で「あれ、これって二重敬語じゃないよね?」「失礼じゃないかな?」と不安になって手が止まってしまうことはありませんか。
実は、「よろしいでしょうか」は決して間違いではありません。 でも、こればかりを連発していると、どうしても文章が単調に見えたり、相手に判断を丸投げしているような印象を与えてしまったりすることがあるんです。
この記事では、そんな「よろしいでしょうか」の不安をスッキリ解消し、相手に「お、この人は語彙力があるな」と思わせるスマートな言い換え術をたっぷりご紹介します。 言葉の引き出しを増やして、もっと自信に満ちたビジネスコミュニケーションを楽しんでいきましょう!
「よろしいでしょうか」は間違い?知っておきたい正しい敬語とマナーの基本
まずは、多くの人が抱いている「そもそもこれって正しいの?」という疑問から解決していきましょう。
二重敬語なの?文法的な正解とビジネス現場でのリアルな評価
結論から申し上げますと、「よろしいでしょうか」は二重敬語ではありません。 「よろしい」は「良い」の改まった形(形容詞)であり、「でしょうか」は丁寧な推量の形です。 敬語のルールである「一つの言葉に同じ種類の敬語を重ねる」には当たらないので、正当なビジネス敬語として安心して使ってください。
ただし、文法的に正しくても、あまりに多用すると「マニュアル通りの対応」という印象を与え、心の距離を感じさせてしまうこともあります。 正解を知った上で、状況に合わせて「言い換える」のが、デキるビジネスパーソンのたしなみです。
「よろしいでしょうか」を連発すると、なぜ頼りなく見えるのか?
不思議なもので、同じメールの中に「よろしいでしょうか」が何度も出てくると、読み手は「この人、自分で判断するのが怖いのかな?」と感じてしまうことがあります。 すべてを相手の判断に委ねているような、少し消極的な姿勢に見えてしまうんですね。
特にプロジェクトを引っ張る立場なら、過度な確認は禁物です。 「お伺いを立てる」だけでなく、「こちらの案で進めたい」という意志を乗せた言い換えを選ぶことで、相手からの信頼度はぐっと高まります。
結論!迷った時にそのまま使える万能な確認フレーズ
「いろいろあるけど、結局どれが一番安全なの?」と聞かれたら、私はこのフレーズをおすすめします。 それは**「いかがでしょうか」**です。
「よろしいでしょうか(=良いですか?)」はYesかNoかの二択を迫るニュアンスが強いですが、「いかがでしょうか(=どう思いますか?)」は相手の意見を尊重する柔らかさがあります。 迷ったときは、この万能フレーズに差し替えるだけでも、文章のトーンがぐっとプロらしくなりますよ。
【シーン別】「よろしいでしょうか」を劇的にスマートにする言い換え術
具体的なシチュエーションに合わせた言い換えを見ていきましょう。
「許可」を求める時:「〜させていただいても差し支えございませんか?」
何かをしたい時に「〜してよろしいでしょうか」と言うと、少し幼い響きになることがあります。 そんな時は、「差し支え(さしつかえ)」という言葉を使ってみましょう。
- 「〜させていただいても差し支えございませんか?」
- 「〜させていただきたく存じますが、ご都合はいかがでしょうか」
「差し支えございませんか」は、「もし不都合があればおっしゃってください」という配慮が含まれた非常に美しい表現です。 これを使えるようになると、「マナーをわかっているな」と一目置かれるはずです。
「内容の確認」をする時:「こちらで相違ないでしょうか?」
資料の内容やスケジュールが合っているか確認する時、ビジネスでは「正しいか、正しくないか」をはっきりさせたい場面が多いですよね。
- 「こちらの内容で相違(そうい)ないでしょうか?」
- 「こちらの通り進めて問題ございませんか?」
「相違ない」という言葉を使うことで、事実確認のニュアンスが強まり、相手も「はい、間違いありません」と答えやすくなります。 言葉が具体的になればなるほど、認識のズレは減っていくものです。
「合意・了承」を得る時:「本件、進めさせていただいてよろしいですか?」
最終的なGOサインをもらいたい時、自分の意志を少しだけ混ぜてみましょう。
- 「本件、このまま進めさせていただいてよろしいでしょうか」
- 「以上の内容で、進めてよろしいですか?」
「進めていいですか?」と聞くことで、相手は「ああ、この人は準備ができているな」という安心感を持ちます。 確認しているようで、実は「背中を押している」状態を作るのが理想です。
取引先や上司に信頼される!ワンランク上の言い換えバリエーション
もっと格式高い場面や、絶対に失礼があってはならない相手への表現を磨いていきましょう。
相手に配慮する「お差し支えなければ」とセットの言い換え
確認の前に一言添えるだけで、魔法のように言葉が柔らかくなるのがクッション言葉です。
- 「お差し支えなければ、こちらの案で進めてもよろしいでしょうか」
- 「ご多忙の折とは存じますが、本件お目通しいただけますでしょうか」
相手に「断る余地」をあらかじめ与えるこの言い回しは、相手への敬意を示す最高の方法です。 相手に「選ばせてあげる」余裕を見せることで、かえって承諾をもらいやすくなるんです。
役員・VIPクラスに使う「お含みおきいただけますでしょうか」の極意
「知っておいてくださいね」と言いたい時、目上の人に「ご承知おきください」と言うのは要注意。 「承知おき」には「知っておけ」という突き放したニュアンスが含まれることがあるからです。 VIPクラスには「お含みおき」を使いましょう。
- 「恐縮ながら、あらかじめお含みおきいただけますでしょうか」
- 「ご了承いただけますと幸いです」
これは「心に留めておいてください」という上品な促しになります。 直接的な確認を避けつつ、大切な情報を共有したい時に非常に重宝します。
曖昧さを排除する「いかがお考えでしょうか」の切り出し方
「よろしいでしょうか」だと「いいよ」で会話が終わってしまいますが、相手の深い意見を引き出したいならこの表現がベストです。
- 「今回の企画案について、部長はいかがお考えでしょうか」
- 「率直なご感想を伺えますと幸いです」
「どう思いますか?」と広く問いかけることで、相手の頭の中にある貴重なアドバイスや懸念点を引き出すことができます。 仕事のクオリティを上げたい時こそ、あえて選択肢を広げる聞き方をしてみましょう。
メールで「よろしいでしょうか」の重複を避けるための文章組み立てテクニック
文章全体をデザインする気持ちで、言い換えを配置していきましょう。
1つのメールに「よろしい」は1回まで!リズムを作る語彙の分散術
一通のメールの中で「よろしいでしょうか」が何度も並ぶと、リズムが悪くなります。 他の確認箇所は、別の表現に散らしてみましょう。
- 1箇所目:「ご確認のほど、よろしくお願いいたします」
- 2箇所目:「差し支えございませんか?」
- 3箇所目(締め):「いかがでしょうか」
これだけで文章に「動き」が出て、知的な印象になります。
依頼・確認・締めの言葉を入れ替えて文章の幼稚さを解消する
文章が幼稚に見える原因は語尾の単調さです。 「〜でしょうか?」だけでなく、「〜いただけますか?」という依頼の形を混ぜるように意識してみてください。 これだけで相手への敬意を示しながら、自分の要望をハッキリ伝えることができます。
「ご確認をお願いします」のバリエーションで確認攻めを防ぐ
「ご確認よろしいでしょうか」の代わりに使える、頼もしい表現たちです。
- 「ご査収(ごさしゅう)ください」(資料を送った時)
- 「ご一読(ごいちどく)いただけますでしょうか」(ざっと読んでほしい時)
- 「ご判断を仰ぎたく存じます」(上司に決めてほしい時)
これらを使い分けることで、コミュニケーションに豊かな彩りが生まれます。
相手が思わず「YES」と言いたくなる!心理学を応用した促しと言い換え
言葉は相手の心を動かすスイッチです。
否定しにくい聞き方「〜の方向で進めてよろしいでしょうか?」の魔力
「どうしましょうか?」とゼロから聞くのではなく、「〜の方向で進めていいですよね?」という前提を作って聞く方法です。
- 「A案が最適かと存じますが、こちらで進めてよろしいでしょうか」
あなたが「これがベストだ」と思う方向を指し示しながら確認することで、相手の判断の負担を減らし、「うん、それでいいよ」と言いやすくさせます。
期限を添えて「〜までにご確認いただけますでしょうか」と具体化する
具体的な数字を入れることで、相手の心理的負担を減らしましょう。
- 「明日のお昼までにご確認いただくことは可能でしょうか」
- 「5分ほどお時間をいただいてもよろしいでしょうか」
具体的な期限や時間は、相手のスケジュールを尊重する最高級の思いやりです。
「お忙しいところ恐縮ですが」を添えて返信率を上げるコツ
クッション言葉があるかないかで、返信のスピードは圧倒的に変わります。
- 「お忙しいところ恐縮ですが、念のため確認させていただいてもよろしいでしょうか」
「私はあなたが忙しいことを理解しています」というメッセージを込めることで、相手の「助けてあげよう」という心理を刺激します。
これは恥ずかしい!「よろしいでしょうか」周辺の間違いやすいNG敬語
最後に、注意が必要な「NG表現」をお伝えします。
「よろしかったでしょうか」がビジネスで「バイト敬語」と言われる理由
「こちらでよろしかったでしょうか」という過去形の確認は、原則として避けるのが無難です。 ただし、「先ほど仰った内容を再確認する」という文脈なら、過去の事実を指しているため間違いとは言い切れません。 とはいえ、基本的には現在形の「よろしいでしょうか」を使うのが、もっともスマートで確実な選択です。
「〜でいいですか?」はどこまで許される?社内マナーの境界線
「〜でいいですか?」は丁寧語ですが、ビジネス敬語としてはかなり「軽い」です。 目上の人には、「〜で問題ございませんか?」や「〜でよろしいでしょうか」に変換しましょう。 これだけでプロフェッショナルな響きになります。
過剰敬語に注意!「よろしいようでしたら」が不自然な理由
「もしよろしいようでしたら……」は、丁寧さを追求しすぎて逆に意味がボヤけてしまいます。 「よろしければ」。 たったこれだけで、十分に丁寧で潔い表現になります。
まとめ:言葉の引き出しを増やして「よろしいでしょうか」を卒業しよう
「よろしいでしょうか」は正しい言葉ですが、それ以外の選択肢を知ることで、あなたのビジネスはもっとスムーズになります。
まずはよく使うフレーズを辞書登録してみてください。 そして、服を着替えるように、相手との距離感に合わせて「言葉の着こなし」を楽しんでみてください。 あなたが言葉を大切にすれば、相手からの信頼も必ず深まります。
まずは次のメールで、一つだけ新しい言い換えを使ってみましょう!