最近、街角でよく見かける電動アシスト自転車。平たんな道はもちろんのこと上り坂でも軽快に走っています。
軽々とこげる電動アシスト自転車って、運動不足の解消やダイエットや減量に効果があるような運動になるのでしょうか?
電動アシスト自転車でもウォーキングと同等、また車種や乗り方次第ではそれ以上の運動効果があるようです。
この記事では、電動アシスト自転車だからこそのメリットも含めて、電動アシスト自転車の運動効果についてまとめています。
電動アシスト自転車は、運動にあまり自信のない人や中高年にオススメです。
電動アシスト自転車は、運動にあまり自信のない人や中高年にオススメです。
電動アシスト自転車の運動強度はそれほど高くはありませんが、有酸素運動を長く苦にならずに続けられます。
電動アシスト自転車は、運動にあまり自信のない人、普段あまり運動をしていない人でも、走る場所にかかわらず、常に一定の負荷をかけながら長距離、長時間のサイクリングが可能になります。
ふだん運動をほとんどしない人が日常生活のなかで電動アシスト自転車を使うようになれば、有酸素運動で運動量が上がり、自然にダイエットと同じ効果があらわれます。
電動アシスト自転車は、運動にあまり自信のない人や中高年にオススメなのです。
電動アシスト自転車の運動強度
電動アシスト自転車の運動強度はおよそ3.0METs(メッツ)。
「METs(メッツ)」という単位は、厚生労働省が定めた運動強度を示す指数です。
安静時(座った状態)を「1」とし、安静時と比較してその運動が何倍のカロリーを消費するかで数値が決まります。単純にこの数値が高いほど運動強度が高いことを意味します。
例えば、厚生労働省が発表した「運動基準・運動指針の改定に関する検討会報告書」(2013年)の「健康づくりのための身体活動基準2013」では、
普通に歩くは3.0METs(メッツ)、速足は4.0METs(メッツ)、自転車に乗るは4.0METs(メッツ)、ゴルフなら3.5METs(メッツ)、テニスは7.0METs(メッツ)、水泳は8.3METs(メッツ)などです。
電動アシスト付き自転車に乗るは、3.0METs(メッツ)で、
普通歩行(平地、67m/分、犬を連れて)、家財道具の片付け、子どもの世話(立位)やボウリング、バレーボール、ピラティス、太極拳などと同じ運動強度になっています。
電動アシスト自転車の消費カロリー
エネルギーの消費量はどのように計算するのでしょうか?
運動などで実際に消費したカロリーを計算するには、この運動強度METs(メッツ)に運動した人の体重と運動した時間をかけて算出します。
計算式 消費カロリー(kcal)=体重(kg)× METs(メッツ) × 時間 × 1.05 |
水泳、ランニング、ジョギング、歩くなど手軽にできる有酸素運動でのカロリー消費量を比較してみます。
(体重60kgの男性が1時間有酸素運動した場合)
運動の種類 | 運動強度 | 消費量 | 備 考 |
ウォーキング | 4.3METs(メッツ) | 270kcal | やや速歩(平地、やや速めに=93m/分) |
ジョギング | 7.0METs(メッツ) | 441kcal | |
ランニング | 9.8METs(メッツ) | 617kcal | 161m/分 |
水泳 | 8.3METs(メッツ) | 523kcal | クロール、ふつうの速さ、46m/分未満 |
自転車 | 8.0METs(メッツ) | 504kcal | サイクリング(約20km/時) |
自転車の場合、同じ人が同じ時間自転車に乗っても、こぐ速度や道路の状態が違うとMETsの数値が変わり、消費カロリーも違ってきます。
また、ママチャリやロードバイクなど自転車の種類別の消費カロリーは、乗る自転車の種類によってもMETs(メッツ)が異なるので、消費カロリーが違ってきます。
運動強度 | 消費量 | |
ロードバイク(平均時速20-30km/時) | 12.0METs(メッツ) | 428kcal |
クロスバイク(平均時速18-25km/時) | 6.8METs(メッツ) | 428kcal |
ママチャリ(平均時速12-19km/時) | 5.8METs(メッツ) | 365kcal |
電動アシスト自転車(平均時速15km/時) | 3.0METs(メッツ) | 189kcal |
スピードが出るロードバイクの消費カロリーが最も高く、電動アシスト自転車での消費エネルギーは一般的なママチャリ(軽快車)の約半分となっています。
電動アシスト自転車の運動強度は普通に歩く運動強度と同じ3.0METs(メッツ)です。
1時間歩くのと1時間電動アシスト自転車に乗るのと同程度のエネルギー消費量になるということになります。
自転車運動がダイエット・減量に最適な理由
自転車走行は有酸素運動
自転車走行は基本的に有酸素運動です。
「ウォーキング」や「ジョギング」の運動と同じカテゴリーの運動です。
有酸素運動は、運動中に酸素を使って体内の糖質や脂肪を消費するので、高いダイエット効果が期待できます。
ダイエットのためには軽い運動強度でなるべく長く運動を続けるのが実は効くのです!
自転車は他の有酸素運動と比べて疲れにくいので、苦にならず、無理なく長時間継続することが可能です。
同じ距離を移動するのに、歩くのと自転車では疲れやすさがずいぶん違います。
脂肪の燃焼率を上げるには、出来れば20分以上の有酸素運動が必要です。
これは、有酸素運動において、脂肪が分解される際に使われる酵素「リパーゼ」は体温が上がることで活性化するので、血行を促進して体温を上げる必要があるために有酸素運動を20分以上継続した方が脂肪の消費が進むと言われているためです。
有酸素運動中は呼吸によって十分な酸素を取り込むことが大切で、息が上がってしまうほどの激しい運動になると、酸素の取り込みが十分ではなく、エネルギーの代謝が悪くなってしまいます。
また、脂肪の消費について、運動強度が高い運動よりも低い運動を、短時間より長時間行う方がより多くの脂肪を燃焼します。
ダイエットで効率よく脂肪を燃焼するためには、運動強度の強いジョギング7.0METs(メッツ)や水泳8.0METs(メッツ)よりも運動強度の低い自転車を、長時間続ける方が効率がよいと言えます。
自転車運動は主に下半身の筋肉を使う
さらに、自転車では主に下半身の筋肉を使います。
全身の筋肉の約70%を占める下半身の筋肉は、持久力が高く長時間運動が可能で、下半身の筋肉を効率よく使う自転車はダイエットに適しています。
自転車運動は膝に負担をかけにくい
自転車は、ウォーキングやジョギングに比べて膝や足首などに負担負担をかけずに運動できるため、健康目的などの軽い運動に最適なフィジカルトレーニングであると言えます。
長時間継続しやすい運動なので、中高年の方にもおすすめできる運動です。
自転車は、同じ有酸素運動であるウォーキングやジョギングに比べて膝に大きな負担をかけずに運動できるため、手軽で、脂肪燃焼に必要な強度の運動を長い時間続けることができます。
自転車は、走行距離や速度・時間によってジョギングに近い、またはそれを上回る消費カロリーになります。
電動アシスト自転車の優れたところ
有酸素運動のなかでも効果的な自転車走行に使ういろいろな自転車のうち、ママチャリと電動アシスト自転車を比べます。
通常のママチャリは、上り坂になると運動強度が格段に上昇しますが、電動アシスト自転車のは、坂であろうが平地であろうが運動強度はなだらかなままです。
ママチャリの場合、上り坂では太ももの筋肉の強化・増量につながる無酸素運動の状態になります。
一方、電動アシスト自転車は、そんな坂でもペダルの重さはそれほど変わらずにゆうゆうと漕いで進めることができ、脂肪の燃焼につながる有酸素運動を続けていける状態が保てるのです。
また、通常の自転車では急坂に差し掛かったら降りて押すことになってしまうかもしれません。
しかし電動アシスト自転車は、運動自体を中断することなく継続できるという点でも優れています。
電動アシスト自転車は基本的に、ペダルを踏む力や回転数をセンサーで検出し、搭載しているモーターでアシストします。
普通の自転車よりもはるかに楽にスイスイと進んで走ることができ、けっこうな長距離を無理なくサイクリングできるので、他の自転車に比べて運動の消費カロリーは少ないですが、長時間乗ることで消費カロリーを増やすことが可能です。
つまり電動アシスト自転車の走行は、長時間適度な負荷を身体にかけ続け、身体は自然と有酸素運動を行い、脂肪を燃焼させているということです。
軽い負荷の運動をできるだけ長く続ける、というダイエットの原則にも合っています。
電動アシスト自転車の走行運動は、ウォーキングやジョギングに比べて膝に大きな負担をかけずに運動できます。
長距離、長時間のジョギングが出来ない人、自転車でもちょっとした坂が負担になる人でも、電動アシスト自転車であれば、「つらい運動」とは無縁で苦にならず、常に軽い力で、無理なく漕ぎ続け、かなりのアップダウンがあるような道を長く走ることができます。
まとめ
電動アシスト自転車は、運動強度はそれほど高くはありませんが、有酸素運動を長く苦にならずに続けられます。
電動アシスト自転車は、運動にあまり自信のない人、普段あまり運動をしていない人でも、走る場所にかかわらず、常に一定の負荷をかけながら長距離、長時間のサイクリングが可能になります。
電動アシスト自転車は、普段あまり運動もしていない中高年の方にはとても有効な運動ツールだと言えます。
続けられない運動を数回やるよりは、負荷が少ない電動自転車を毎日乗る事の方が効果的ですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。