「あれ、仕事用のiPhoneを鳴らしているのに、カバンの中の個人用iPhoneまで合唱してる……!」そんな経験はありませんか?iPhoneを2台持ちにしてみたものの、どちらの電話がかかってきても両方の端末が全力で鳴り響く現象、実は「iPhoneあるある」なんです。
仕事とプライベートを分けるために2台持ちにしたはずなのに、これではまるで分身の術。会議中に私用の電話が会社用端末で鳴り出した時のあの気まずさは、できれば二度と味わいたくないものですよね。
でも安心してください。これはiPhoneが壊れているわけでも、あなたの設定が間違っているわけでもありません。Appleが「どのデバイスにいても電話に出られるように」と親切心で用意してくれている機能が、2台持ちユーザーにとっては少しお節介になっているだけなんです。
この記事では、同じApple IDを使いながら、着信だけをピタッと個別に分ける方法を、どこよりも分かりやすく丁寧に解説します。難しい専門用語は抜きにして、今日からあなたのiPhoneライフを快適にするための設定を一緒に見ていきましょう。
なぜiPhone2台が同時に鳴るのか?着信共有が起きる「2つの原因」
そもそも、なぜ別々の番号で契約しているはずのiPhoneが、お互いの着信を察知してしまうのでしょうか。その最大の理由は、あなたが使っている便利な「Apple ID」にあります。Appleの製品は、同じIDでログインすることで写真やメモを簡単に共有できるのが魅力ですが、実は「通話」もその共有リストに含まれているのです。
同じApple IDでログインしていることによる自動同期
まず一つ目の原因は、2台のiPhoneが同じApple IDで紐付けられていることです。Appleは「ユーザーがどの端末を持っていても、大切な連絡を逃さないようにする」という設計思想を持っています。そのため、iCloudを通じて「今、このユーザー宛に電話がかかってきましたよ!」という情報が、同じIDを使っているすべてのデバイスにリアルタイムで中継される仕組みになっているのです。
これはiPadやMacで電話を受けたい時には非常に便利な機能なのですが、電話番号を完全に使い分けたい2台持ちユーザーにとっては、少し余計な機能になってしまいます。
iCloudの「他のデバイスでの通話」設定がデフォルトでオン
二つ目の原因は、設定アプリの中にある「他のデバイスでの通話」という項目が、最初からオンになっていることです。iPhoneは購入したばかりの状態だと、近くにある同じApple IDのデバイス同士で通話を回送し合う設定になっています。
たとえ片方のiPhoneにSIMカードが入っていなくても、Wi-Fiさえ繋がっていればもう片方の着信を受けられてしまうのはこの設定のせいです。つまり、この「お節介な転送機能」のスイッチを見つけてオフにしてあげるだけで、あなたの悩みは半分以上解決したも同然なのです。
【30秒で完了】2台持ちのiPhoneで着信を共有しない基本設定
それでは、さっそく着信をバラバラにするための具体的な操作に入っていきましょう。操作はとっても簡単で、カップラーメンが出来上がるのを待つよりもずっと早く終わります。隣に2台のiPhoneを並べて、一緒に操作してみてくださいね。
「他のデバイスでの通話」をオフにする手順を画像で解説
まずは、メインで使っているiPhoneの「設定」アプリを開いてください。少し下にスクロールすると、緑色のアイコンの「電話」という項目が見つかるはずです。そこをタップして、中にある「ほかのデバイスでの通話」というメニューを探しましょう。
ここを開くと、「ほかのデバイスでの通話を許可」というスイッチがオン(緑色)になっていませんか?さらにその下には、着信を共有しているデバイスの名前がズラリと並んでいるはずです。ここでスイッチをオフにするだけで、もう一台のiPhoneが勝手に鳴り出すことはなくなります。たったこれだけの手順で、あの「ダブル着信」のストレスから解放されるのです。
電話番号ごとに着信を許可する端末を仕分ける方法
もし、「基本的には分けたいけれど、特定の番号だけは両方で受けたい」という少し高度な使い分けをしたい場合も、先ほどのメニューから調整が可能です。スイッチを完全にオフにするのではなく、下に表示されているデバイス一覧の中から「このiPhoneだけは鳴らさない」という端末を個別に選んでオフにすることもできます。
例えば、家で使っているiPadには仕事の電話を飛ばしたくないけれど、個人用のサブ機には念のため通知が欲しい、といったワガママな設定も自由自在です。自分のライフスタイルに合わせて、どの端末を鳴らすかをカスタマイズしてみるのも楽しいですよ。
電話だけじゃない!FaceTimeやiMessageの同期も個別に設定する
「電話の設定は完璧!これで安心だ」と思っていても、実はまだ油断できません。実は、普通の電話回線を使った着信以外にも、Apple独自の「FaceTime」や「iMessage」が原因で、2台同時に通知が飛んでくることがあるからです。これらも個別に設定を見直して、鉄壁の分離環境を作りましょう。
FaceTimeの着信先から不要な電話番号・メアドを外す
FaceTimeの設定は、「設定」アプリの中にある「FaceTime」から行います。ここを開くと、「FaceTime着信用の連絡先情報」という項目に、あなたの電話番号やメールアドレスがいくつか並んでいるはずです。
ここで、仕事用のiPhoneには仕事用の番号だけにチェックを入れ、個人用のiPhoneには個人用の番号だけを残すように調整してください。ここが両方チェックされていると、ネット経由の着信があった時に、またしても2台同時に「プルルル!」と鳴ってしまいます。自分宛ての連絡がどの「入り口」を通ってくるのかを整理するイメージで、不要なチェックを外していきましょう。
メッセージ(iMessage)が2台に届かないようにする同期解除術
着信音と同じくらい気になるのが、メッセージが届いた時の「ピコン!」という通知音ですよね。これも電話と同じように、「設定」から「メッセージ」を選び、「送受信」という項目を確認してください。
ここで複数の番号やアドレスにチェックが入っていると、仕事の相談メールがプライベート用のiPhoneにまで届いてしまいます。深夜に仕事の通知が鳴って現実に引き戻されるのは、精神衛生上よろしくありません。「この端末で受け取る必要がない連絡先」のチェックを外して、通知の断捨離を行いましょう。これで、あなたのプライベートな時間はしっかりと守られるようになります。
用途別で選ぶ!着信を「完全に分ける」か「一部共有する」か
ここまで設定してくると、「Apple IDを同じにしているからややこしいのでは?いっそ別々にしちゃえば?」という疑問が湧いてくるかもしれません。確かにそれも一つの正解です。しかし、Apple IDを分けることにはメリットもあれば、意外な落とし穴もあります。
仕事と私用を100%切り離したい時の「Apple ID分離案」
もしあなたが、「仕事とプライベートは1ミリも交わらせたくない!」というストイックな使い分けを望むなら、それぞれのiPhoneで別々のApple IDを作成するのが最も確実な方法です。これなら、着信やメッセージが混ざる心配は物理的にゼロになります。
ただし、この場合は注意が必要です。アプリの購入履歴やApple Musicのプレイリスト、iCloud写真などもすべて別々になってしまいます。仕事用のiPhoneで撮った写真を、わざわざAirDropで個人用に送る手間が発生するなど、Apple製品ならではの「魔法のような連携」が使えなくなってしまうのです。便利さを取るか、徹底した分離を取るか。ここはあなたの価値観の見せどころですね。
写真やメモは共有しつつ、着信だけを止める「最強のカスタマイズ」
多くの方にとってのおすすめは、やはり「同じApple IDを使いつつ、着信設定だけをオフにする」というハイブリッドな使い方です。これなら、仕事中に思いついたアイデアをメモ帳に書けば、帰宅後の個人用iPhoneにも自動で同期されます。写真はiCloudで繋がっているけれど、電話だけは干渉し合わない。これこそが、iPhone2台持ちユーザーが行き着く「黄金のバランス」と言えるでしょう。
わざわざ新しいIDを作ってパスワード管理に頭を悩ませる必要もありません。今のIDのまま、少しだけ「電話」の設定をカスタマイズする。それだけで、2台のiPhoneはあなたにとって最高のパートナーに変わります。
設定を変えたのに直らない?着信共有が止まらない時のチェックリスト
「設定をオフにしたはずなのに、なぜかまだ鳴るんだけど……」そんな時は、いくつかの盲点が隠れている可能性があります。機械は時に気まぐれですが、必ず原因はどこかにあります。落ち着いて、次のポイントをチェックしてみましょう。
意外な盲点!iPadやMacの設定も影響していないか確認
iPhoneの設定だけをいじっても、もし手元にiPadやMacBookがあるなら、そちらの設定が「司令塔」になって着信を呼び込んでいることがあります。iPadの「設定」やMacの「FaceTime」アプリの中にある設定も、念のために確認してみてください。
Appleのネットワークは、網の目のように全てのデバイスを繋いでいます。どこか一箇所でも「共有OK!」という窓口が開いていると、そこから着信情報が流れ込んでくることがあるのです。2台持ちのiPhoneだけでなく、あなたの周りにあるApple製品すべてを一斉に点検するのが、トラブル解決の近道です。
iOSのアップデート後に設定がリセットされていないかチェック
もう一つのよくある原因が、iOSのアップデートです。iPhoneを最新のシステムに更新した際、稀にプライバシーや共有設定が初期状態に戻ってしまうことがあります。昨日まで大丈夫だったのに、急に共有され始めたという場合は、アップデートが引き金になっているかもしれません。
「またか……」とため息をつきたくなる気持ちも分かりますが、もう一度設定画面を覗いてみてください。一度やり方を覚えてしまえば、次は10秒で直せます。こうした小さなメンテナンスも、ガジェットを使いこなす楽しみの一つだと思って、優しく見守ってあげてくださいね。
iPhone2台持ちを快適にする!着信分離後の「通知の最適化」テクニック
無事に着信を分けることができたら、次はさらに一歩進んで、もっと快適に2台を使いこなすための工夫をしてみませんか?通知を制する者は、時間を制します。
集中モードを活用して特定の時間だけ着信を制限する
iPhoneには「集中モード」という便利な機能があります。例えば、仕事用のiPhoneは18時を過ぎたら一切の通知を鳴らさないようにしたり、逆に個人用のiPhoneは勤務時間中だけ沈黙させたりといった設定が可能です。
着信を「共有しない」設定に加えて、この集中モードを組み合わせれば、仕事とプライベートの切り替えがよりスムーズになります。オンとオフの境界線を自分自身でコントロールできるようになると、心に余裕が生まれますよ。
2台持ちユーザーにおすすめの「着信音」の使い分け
最後に、とってもシンプルですが効果絶大なテクニックをお伝えします。それは、2台のiPhoneで「着信音」を全く別のものに設定することです。
同じ着信音にしていると、音が鳴った瞬間に「どっちだ!?」と慌てて両方のポケットを探ることになります。仕事用はカチッとした標準の音、個人用は自分のお気に入りの曲、というように音で判別できるようにしておけば、音を聞いた瞬間に心の準備が整います。視覚だけでなく、聴覚でもデバイスを使い分ける。これが2台持ち上級者のテクニックです。
まとめ:iPhone2台持ちの着信ストレスは設定一つで解消できる
いかがでしたでしょうか?iPhone2台持ちで着信が共有されてしまう悩みは、実はとても簡単な設定変更で解決できることがお分かりいただけたかと思います。
今回ご紹介した「他のデバイスでの通話」をオフにし、FaceTimeやメッセージの同期を整理するだけで、あなたのiPhoneはそれぞれの役割をしっかりと果たしてくれるようになります。仕事の電話に振り回されず、プライベートの時間を大切にする。そのための第一歩は、ほんの少しの設定変更から始まります。
最初は「設定が難しそうだな」と感じていたかもしれませんが、一つずつ操作してみれば意外と簡単だったはずです。この記事が、あなたのストレスを少しでも減らし、毎日をもっと楽しく過ごすためのお手伝いになれば幸いです。
さあ、設定が終わったら、新しく生まれ変わった2台のiPhoneを持って、軽やかな気持ちで出かけましょう!