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八百屋お七の切ない恋の物語。火をつけてしまった狂おしい恋心

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お七は16歳。愛おしい恋人に会いたくて会いたくて、その一心で、思いつめた少女が、自宅に火を放ち、近くの火の見櫓に上る。
「あぁ・・・吉三・・・吉三・・」と、恋人の名前を呼びながら、無我夢中で半鐘を叩きます・・・。
強風にあおられた炎は、みるみるうちに江戸の町は炎の海に・・・。
浄瑠璃や、お芝居で有名な「八百屋お七」のクライマックスの場面です。

当のお七は、翌年の3月29日に市中引き回しの上で火あぶりの刑で処刑されます。

このお七の話は、さまざまな創作物で取り上げられ、大変有名になりました。そのうち最
も有名なものが、井原西鶴が書いた小説『好色五人女』です。
また、歌舞伎・浄瑠璃にも数多くの作品があります。
落語にもなっています。

お七、天和に大火で焼き出される

お七の生家は駒込片町の有数な八百屋でした。
金沢藩前田家に野菜を納めるほどの大きな八百屋だったようです。
(一説によると)お七の生家は本郷の森川宿(現在の東大正門向かい側の北側辺り)の八百屋でした。

父は市左衛門(『好色五人女』では八兵衛となっている)。

天和2年(1682)12月28日、駒込の大円寺から出火した火は、折からの風に煽られ、四谷、赤坂、芝海岸までを焼く大火事となった。
この「天和の大火」で、八百屋の市左衛門の一家も焼け出されました。
市左衛門は女房や娘のお七と一緒に、近くの円乗寺(『好色五人女』では吉祥寺となっていますいる)に避難します。

お七、寺小姓に一目ぼれ

この時にお七は焼け出され身を寄せていた円乗寺の寺小姓、生田庄之助(『好色五人女』では小野川吉三郎(16歳)、『近世江都著聞集(きんせいえどちょもんしゅう)』では山田佐兵衛)と恋仲になりました。

避難中に円乗寺の小姓山田佐兵衛と恋仲になった。

生田庄之助は、なかなかのイケメンで、一目惚れ。生田庄之助も可愛いお七に惚れられて満更でもない様子です。

やがて、ふたりは焼け出された人々でごった返す中、人目を忍んで男と女の関係に・・・。

お七、恋焦がれて胸が張り裂けそう

「このまま会えないのなら死んでしまいたい」とまで思いつめたと容易に想像できます。

 

16歳の少女は、もし再び家が焼けたら、またあの寺へ避難して、愛しい庄之助に逢えると、危険な思いにかられるようになりました。

16歳というのは数え年で、満年齢だと14歳です。ブレーキがききませんでした。

お七、火をつける

『近世江都著聞集(きんせいえどちょもんしゅう)』では、吉祥寺の吉三郎と呼ばれあぶれものが近所にいました。
八百屋にも出入りしていましたが、お七の悩んでいる顔を見て、
「また火事になって家が焼ければ円乗寺にいけるから火事を祈るとよい」とお七が放火するように仕向けます。

生田庄之助に会いたい一心で、天和3年(1683)3月2日の夜、自宅に付け火をします。
(家の近くで放火に及んだ。)
(近隣の商家に火を放った)

付け火は近所の人がすぐに気が付き、ぼやで消し止められたが、
お七は付け火の道具を持ってさまよっていたため、すぐに放火の罪で捕えられました。
(江戸の市中は紅蓮の炎に包まれた。)

お七、火やぶりの刑に

火事はボヤで済みましたが、江戸時代は放火は火あぶりの極刑に処せられる大罪です。
放火の罪で捕らえられたお七は、天和3年(1683)3月29日、江戸市中引き回しの上、鈴ヶ森で火あぶりの刑に処せられました。

この時、お七は16歳でした。
江戸時代は、罪に問われるのは15歳以上であり、15歳未満であれば無罪となります。
今でいう少年法ですね。
町奉行の甲斐庄(かいしょう)正親は、情けをかけなんとかお七を助けてやりたいと思い、
「14歳だろう」と問います。
しかし、お七は正直に16歳ですと言い切ったため、鈴ヶ森の刑場で火あぶりの刑に処せられてしまったという話が伝えらえています。
この罪が恋人に及ぶことを恐れて、恋人のことも一切口にすることもありませんでした。

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一方、庄之助は奉行所にいってともに罪を負うとう言うと、それではお七の気持ちが無駄になると諭されます。その後、高野山に上り、出家しました。
『好色五人女』の吉三郎のほうは、事件後、自殺を図りますが死に切れず、その後、出家してお七の菩提を弔ったと言います。

最後に

このお七の物語ですが、歴史資料である 戸田茂睡の『御当代記』で 語られているのは
「お七という名前の娘が 放火し 処刑されたこと」だけしかないのだそうです。

西鶴の『好色五人女』は、次の5章からなります。

姿姫路清十郎物語(お夏清十郎)
情を入れし樽屋物かたり(樽屋おせん)
中段に見る暦屋物語(おさん茂兵衛)
恋草からげし八百屋物語(八百屋お七)
恋の山源五兵衛物語(おまん源五兵衛)

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