今やさつまいもにはたくさんの種類があり、それぞれの味わいや特徴はさまざまです!
ホクホク系とねっとり系としっとり系、好みはどれでしょう。
その中でも一番甘いといわれているねっとり系の安納芋と紅はるか。
焼き芋の安納芋と紅はるかはどっちが甘いのか?
この記事では、
さつまいものなかでも、最も甘いと言われている安納芋と紅はるかについて、
その見分け方や特徴、甘さ、値段、食べごろの時期なども比べ、
焼き芋にしたときの安納芋と紅はるかのどちらが甘いのかを紹介します。
安納芋と紅はるか
その安納芋と紅はるかですが、
やきいもの安納芋はねっとりとクリーム状です。
べったりと言った方が良いかも知れません。
紅はるかもややねっとりした食感ですが、ほくほく感もあります。
安納芋と紅はるかは両方とも、今ブームのねっとり系のさつまいもに分けられるのですが、食感は少し違います。
好みはそれぞれ、人によってありますが、私は、食感だけですと、焼いもにした時は少しほくほく感のある紅はるかの方が好きです。これは、全く個人の感想です。
安納芋と紅はるかはどっちが甘い
さつまいものなかでも一番よく知られている安納芋は、生の状態での糖度は16度前後です。
それが、加熱するとの糖度は40度程になると言われています。
一方、紅はるかは、生の状態での糖度は40度前後で、加熱後の糖度はなんと50〜60度にもなると言われています。
この数値をみると、甘いさつまいものなかでも最高峰の双璧なのですが、安納芋より紅はるかのほうが甘いということになります。
ただし、安納芋と紅はるかの甘さの差といっても、実際には、品種の差よりも、いもの個体差、そして焼き方による差の方の方が大きく影響します。
また、さつまいもは焼き芋にすることによってでんぷんが甘味成分である麦芽糖(水あめの主成分)になり、より甘くなるのですが、安納芋はショ糖、つまり砂糖の成分が他の品種より多く、それによる甘さが特徴です。
麦芽糖の甘さとショ糖の甘さの違いを感じることができれば、両者の味は違うということになります。
安納芋って
安納芋の読み方は「あんのういも」です。
蜜芋ブームは安納芋から始まりました。
安納芋は、水分が多く、加熱するとより甘味が強くなり、蜜が溢れるほどのねっとりクリーミーな食感が特徴です。
生の状態でも糖度16度と高く、時間をかけて加熱すると40度にまで糖度は高くなります。
また、安納芋は他のさつまいもと比べてショ糖(砂糖と同じ成分)がより多く含まれ、安納芋の甘味の秘密はショ糖です。
安納芋の見分け方
安納芋は、紅はるかやほかの品種のサツマイモと比べて、やや小ぶりで、コロッとしたふっくら丸みのある形状です。
ずっしり重みがあるもの、そして皮に張りと艶があり、ひげ根の浅いものが美味しいと言われています。
安納芋というサツマイモは存在しません
安納芋という品種のサツマイモは存在しません。
安納芋は、第二次大戦後に、スマトラ島北部のセルダンという地域から帰還した兵士が持ち帰った芋の苗を種子島の安納地区で栽培されたのが起源と言われています。
その当時は唐芋(からいも)と呼ばれていたさつまいもよりも甘いということで評判となり、栽培が始まったのです。
そして、平成元年(1989年)、種子島の安納地区にある農業試験場で選抜育成が進められ、平成10年(1998年)に「安納芋」と命名されます。
蜜の多いさつまいもとして知られる皮の赤い「安納紅」と皮の白味が強い「安納こがね」の2品種が登録され、この2品種のことを「安納芋」といいます。
安納芋の収穫時期と食べ頃の旬
安納芋は春から初夏にかけて植え付けられ、
9月頃から12月頃にかけ収穫されます。
収穫された安納芋は、しばらく低温管理などによって貯蔵・保存され、熟成すると、
でんぷんが糖に変わっていきます。
収穫直後よりも、しばらく保存されると甘みが乗り、美味しくなるのです。
収穫後2~3週間後が出荷時期です。
一般的に、10月中旬から1月頃が出荷される時期なのです。
つまり、食べごろの旬は、10月中旬から1月頃ということです。
鹿児島県・種子島産の安納芋
安納芋(安納紅と安納こがね)は平成25年(2913年)までは種子島でのみ栽培されていました。
その後、全国各地での栽培が解禁されています。
全国各地で栽培される安納芋ですが、種子島産の安納芋が他の産地の安納芋よりも一般的に糖度が高く、甘みが濃くおいしいとされるのは、種子島の海に囲まれた暖かい気候と土壌に所以があるようです。
種子島は、大昔、海底が隆起し誕生しました。
その土壌には海のミネラルが豊富に含まれていることが安納芋の成長によい影響を与えているといわれています。
紅はるか
甘みが強いだけでなく、加熱後のねっとりとしつつホクホク食感もあります。
同じねっとり系の安納芋とは少し食感が違います。そして、水分もしっかりとあるので、のどに詰まらない滑らかな口当たり。甘いのですが、それなのに後味がスッキリしているんです
紅はるかは、NHKの「ためしてガッテン」で放送され、また、「マツコの知らない世界」ではマツコ・デラックスさんが絶賛されました。
紅はるかは、生の状態での糖度は40度前後で、じっくりと加熱すると糖度はなんと50〜60度にもなると言われている甘さが人気です。
紅はるかの収穫時期と食べ頃の旬
紅はるかの収穫時期は、10月頃から11月初旬です。
九州などの暖かい産地で10月頃からはじまります。
鹿児島県では10月頃に収穫の最盛期を迎えます。
安納芋の方が一足早く収穫されていますね。
味が乗り、旨味が増して美味しくなる食べ頃の旬は、11月下旬から1月頃が最適です。
収穫後約1か月の熟成が必要だとされます。
紅はるかの見分け方
紅はるかは見た目だけでは、コロッと丸い安納芋のように他のサツマイモと形のはっきりとした違いはありません。
よい紅はるかの見分け方は、両端のとがったもので、表面の凹凸が少なく、そのくぼみが浅いのっぺりとした感じのものを選ぶと良いと言われています。
特に甘いサツマイモは、芋の両端の切り口の辺りに濡れたように蜜が溢れ出していることがあります。
中にある蜜が、切り口ににじみ出てベタつく感じのものがあれば、それは甘いという証です。
はるかに甘い「紅はるか」
紅はるかは、外観や実の発色に優れた特徴をもつ「九州121号」と、外観の美しさや皮の色、ほのかな甘味のある味に定評のある「春こがね」を交配させて生まれた品種です。。
紅はるかは、品種登録されたのが2010年3月ということで、比較的新しい品種です。
この2種の色味や味の良さを見事に受け継ぎ、外観や甘さが従来品よりも「はるかに優れている」ことから、「紅はるか」と名付けられたということです。
さつまいもを甘くするためのポイント
さつまいもは、収穫すぐの状態では糖度が高いわけではありません。
収穫後しばらく熟成させる
収穫後すぐに食べない!というのは、サツマイモは収穫してすぐに食べても甘くはないです(>_<)
でも、収穫したあとしばらく貯蔵・保存して熟成すると、サツマイモの栄養成分となるデンプンが麦芽糖に変化するので甘くなります。
収穫したばかりのものを、品種にもよるようですが、2週間から2か月ほど熟成させる必要があります。
スーパーで購入したてのものでも約2週間ほど熟成させておいた方が、より甘くいただけるようです。
低温でゆっくりと過熱
熟成させたサツマイモを低温でゆっくりと過熱すると、さらに甘く美味しくなります。
サツマイモにはβ-アミラーゼという消化酵素がたくさん含まれています。
このβ-アミラーゼが、デンプンを分解して麦芽糖に変えてくれるので甘くなるのです。
もう少し詳しくいうと、さつまいもを加熱すると、含まれているでんぷんが糊化します。
糊化とは炊き立てののごはんの状態です。
その糊化したデンプンに消化酵素β-アミラーゼが働くことで、麦芽糖に変わります。
このとき、でんぷんが糊化するにはおよそ65℃以上の温度が必要です。
しかし、β-アミラーゼは、およそ75℃以下でないとしっかりと働きません。
このため、65℃以上75℃以下で加熱している状態のときだけに麦芽糖が生成されてさつまいもがより甘くなります。
この温度を維持し加熱できると甘みが増大するというわけです。
まとめ
甘さでトップを争う安納芋と紅はるかはどっちが甘いのかについては、どちらも、じっくり加熱すると40度前後まで糖度は高くなりますが、紅はるかは、安納芋の糖度を超える50~60度程になるものがあるということが分かりました。
ただし、安納芋と紅はるかの甘さの差といっても、実際には、品種の差よりも、いもの個体差、そして焼き方による差の方の方が大きく影響します。
ねっとり系のさつまいもでも品種によって味わいが違います。
ほくほく系やしっとりっ系などいろいろなさつまいもを食べ比べるのも楽しいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。