新社会人になると、初めて毎月まとまった給料を受け取るようになります。
「初任給はどう使えばいい?」
「貯金はいくらすればいい?」
「新NISAや投資も始めた方がいいの?」
このように、お金まわりで不安を感じる人は多いです。
結論からいうと、新社会人がお金で最初にやるべきことは、難しい投資や節約テクニックではありません。
まずは、毎月のお金の流れを見える化し、自然に貯まる仕組みを作ることです。
この記事では、新社会人がお金で失敗しないためにやるべきことを、優先順位つきでわかりやすく解説します。
「何から始めればいいかわからない」という人は、まずこの記事の内容を上から順番に確認してみてください。
新社会人がお金で最初にやるべきことは「管理の仕組みづくり」
新社会人になったら、まずはお金を増やすことよりも、お金を管理できる状態にすることが大切です。
給料が入るようになると、学生時代より自由に使えるお金が増えます。
その一方で、家賃、食費、通信費、奨学金の返済、交際費、税金や社会保険料など、出ていくお金も増えていきます。
最初から完璧な家計管理を目指す必要はありません。
まずは「毎月いくら入って、いくら出ていくのか」をざっくり把握することから始めましょう。
いきなり投資より、まずは毎月の収支を把握する
新社会人になると、SNSや動画で「20代から投資を始めるべき」「新NISAを使わないともったいない」といった情報を目にすることがあります。
たしかに、NISAは資産形成を考えるうえで知っておきたい制度のひとつです。
金融庁の案内でも、NISAには長期の積立・分散投資に適した投資信託などを対象とする「つみたて投資枠」と、上場株式なども対象になる「成長投資枠」があるとされています。
ただし、制度があるからといって、新社会人全員がすぐに投資を始めるべきとは限りません。
生活費が足りない状態で投資を始めると、急な出費があったときに困る可能性があります。
そのため、新社会人のうちは、まず以下を確認しましょう。
・手取り収入
・家賃や食費などの生活費
・スマホ代やサブスクなどの固定費
・毎月の貯金額
・自由に使えるお金
この5つが見えるだけでも、お金の不安はかなり減ります。
投資を考えるのは、その後でも遅くありません。
給料日後にお金を分けるルールを作る
お金が貯まる人は、余ったら貯金するのではなく、給料が入った時点で先に分けています。
たとえば、給料日に以下のように分ける方法です。
・生活費
・貯金
・自由費
・自己投資
・予備費
細かく分けすぎると続きにくいため、最初は「使うお金」「貯めるお金」「自由に使うお金」の3つでも十分です。
大切なのは、給料が入った瞬間に全額を自由費だと思わないことです。
先に貯金分を分けておけば、残りのお金は安心して使いやすくなります。
家計簿は細かくつけすぎなくていい
家計簿というと、1円単位で管理しなければいけないイメージがあるかもしれません。
しかし、新社会人が最初にやるなら、ざっくり管理で問題ありません。
たとえば、毎月末に以下だけ確認します。
・今月いくら使ったか
・固定費はいくらか
・貯金できたか
・使いすぎた項目は何か
これだけでも、自分のお金のクセが見えてきます。
細かく管理するより、毎月続けられる仕組みにすることが大切です。
家計簿アプリ、銀行アプリ、メモ帳、スプレッドシートなど、自分が続けやすい方法を選びましょう。
新社会人がお金でやるべきこと7選
新社会人がお金でやるべきことは、次の7つです。
- 毎月の収支を把握する
- 生活費・貯金・自由費を分ける
- 先取り貯金を始める
- 固定費を増やしすぎない
- クレジットカードの使い方を決める
- 保険や投資を焦って契約しない
- 生活防衛資金を作る
この7つを押さえておけば、社会人1年目のお金の土台はかなり整います。
反対に、収支がわからないままクレジットカードや投資を使い始めると、気づかないうちにお金が足りなくなることがあります。
まずは、シンプルな仕組みから始めましょう。
生活費・貯金・自由費の口座や用途を分ける
お金の管理が苦手な人ほど、すべてのお金を1つの口座で管理しがちです。
しかし、生活費も貯金も遊びのお金も同じ口座に入っていると、使っていい金額がわかりにくくなります。
おすすめは、少なくとも用途を3つに分けることです。
・生活費:家賃、食費、光熱費、通信費
・貯金:将来や緊急時のためのお金
・自由費:交際費、趣味、服、美容、旅行など
口座を複数持たなくても、家計簿アプリや銀行アプリで目的別に管理できれば問題ありません。
「このお金は使っていい」「このお金は残す」と見えるようにするだけで、使いすぎを防ぎやすくなります。
貯金は給料日に自動で先取りする
新社会人が貯金を始めるなら、もっとも大切なのは「先取り」です。
給料が入ったら、最初に決めた金額を貯金用口座へ移します。
たとえば、手取り20万円なら、まず1万円〜2万円から始めても十分です。
最初から無理に大きな金額を貯めようとすると、生活が苦しくなって続きません。
大切なのは、金額の大きさよりも、毎月自動で貯まる流れを作ることです。
会社に財形貯蓄などの制度がある場合は、利用できるか確認してみるのもよいでしょう。
ただし、制度の内容は勤務先によって異なるため、詳細は会社の人事・総務や社内資料で確認してください。
固定費を増やしすぎないようにする
新社会人がお金で失敗しやすい原因のひとつが、固定費の増やしすぎです。
固定費とは、毎月ほぼ決まって出ていくお金のことです。
たとえば、以下のようなものがあります。
・家賃
・スマホ代
・サブスク
・保険料
・車関連費
・ジム代
・ローン返済
固定費は、一度増えると毎月の負担になります。
特に家賃やスマホ代、サブスクは見直しやすい項目です。
「毎月払っても本当に必要か」を定期的に確認しましょう。
月3,000円の固定費でも、1年で36,000円になります。
小さく見える支出ほど、積み重なると大きな差になります。
初任給の使い方は「楽しむお金」と「残すお金」を分ける
初任給は、すべて貯金する必要はありません。
社会人として初めてもらう給料なので、自分へのごほうびや親へのプレゼントに使いたい人もいるでしょう。
大切なのは、使う前に「残すお金」を決めておくことです。
初任給を全部貯金する必要はない
初任給をどう使うかに正解はありません。
すべて貯金してもよいですし、一部を家族への感謝や自己投資に使ってもよいです。
ただし、勢いで全額使ってしまうと、翌月の生活費が足りなくなることがあります。
おすすめは、初任給を以下のように分けることです。
・生活費
・貯金
・自分へのごほうび
・家族への感謝
・予備費
「最初に貯金分を確保して、残りを気持ちよく使う」と考えると、後悔しにくくなります。
たとえば、初任給のうち1万円だけでも貯金できれば、社会人としてお金を管理する第一歩になります。
親へのプレゼントや自己投資も無理のない範囲で考える
初任給で親にプレゼントをしたいと考える人も多いです。
もちろん素敵な使い方ですが、無理に高価なものを買う必要はありません。
食事をごちそうする、手紙を添える、少額のギフトを贈るなど、自分の生活に負担がない範囲で十分です。
また、資格の勉強、本、仕事道具、スーツや靴など、自己投資に使うのもよい選択です。
ただし、「自己投資だから」といって、必要以上に高額な講座や教材を契約するのは慎重に考えましょう。
特に、焦りや不安をあおるような勧誘には注意が必要です。
最初に貯金額を決めてから使うと後悔しにくい
初任給で後悔しないコツは、使う前に貯金額を決めることです。
たとえば、初任給のうち1万円だけでも貯金できれば、「社会人になって最初の月から貯められた」という自信になります。
最初の成功体験は大切です。
金額が少なくても、貯金の習慣を作ることに意味があります。
反対に、最初から完璧な節約を目指す必要はありません。
無理なく続けられる金額を決めて、毎月少しずつ積み上げていきましょう。
新社会人がまず目指したい貯金額の目安
新社会人の貯金は、最初から100万円を目指す必要はありません。
まずは、急な出費に対応できるお金を作ることが優先です。
最初の目標は生活費1か月分
最初の目標は、生活費1か月分です。
一人暮らしで毎月の生活費が15万円なら、まず15万円を目指します。
実家暮らしで毎月の支出が少ない人は、もう少し早く貯められるかもしれません。
生活費1か月分があるだけでも、急な引っ越し、病気、家電の故障、冠婚葬祭などに対応しやすくなります。
新社会人のうちは、収入も支出もまだ安定しない時期です。
まずは「何かあっても1か月は生活できる」という安心感を作りましょう。
次に生活費3〜6か月分を目指す
生活費1か月分が貯まったら、次は3〜6か月分を目標にしましょう。
生活防衛資金の目安として、生活費の3か月〜半年分が紹介されることがあります。
ただし、これはあくまで目安です。
一人暮らし、実家暮らし、奨学金の返済の有無、勤務先の安定性、家族構成によって必要な金額は変わります。
新社会人がすぐにこの金額を用意する必要はありません。
まずは1か月分、次に3か月分というように、段階的に増やしていけば大丈夫です。
実家暮らしと一人暮らしで貯金額は変えてよい
実家暮らしの人は、家賃や食費の負担が少ない分、貯金を増やしやすい傾向があります。
そのため、毎月の手取りから一定割合を先取り貯金に回しやすいでしょう。
一方で、一人暮らしの人は、家賃や光熱費、食費が大きな負担になります。
最初から高い貯金額を目指すと、生活が苦しくなってしまうことがあります。
大切なのは、周りと比べることではありません。
自分の生活費を確認したうえで、無理なく続けられる金額を決めることです。
「同期は毎月5万円貯めているらしい」と聞いても、自分の家賃や生活環境が違えば、同じ金額を目指す必要はありません。
ボーナスは使う前に貯金割合を決めておく
ボーナスが出る会社に勤めている場合は、ボーナスの使い方も大切です。
ボーナスは金額が大きいため、何となく使うとすぐになくなってしまいます。
おすすめは、使う前に割合を決めることです。
たとえば、以下のように考えます。
・50%:貯金
・30%:自由費
・20%:自己投資や旅行
割合は人によって変えてかまいません。
大切なのは、ボーナスが入ってから考えるのではなく、入る前にルールを決めておくことです。
ボーナスをすべて我慢する必要はありません。
楽しむ分と残す分を分ければ、満足感と安心感の両方を得やすくなります。
新社会人がお金で失敗しやすい注意点
新社会人のお金の失敗は、知識不足よりも「なんとなく」で起こることが多いです。
特に注意したいのは、リボ払い、見栄の出費、不要な契約です。
リボ払い・分割払いを軽い気持ちで使わない
クレジットカードは便利ですが、使い方を間違えると返済が苦しくなります。
特にリボ払いは注意が必要です。
金融庁の教材でも、リボ払いは毎月の返済額が一定に見える一方で、借入額がなかなか減らず、支払う金利が大きくなりがちだと説明されています。
新社会人のうちは、基本的に「一括払いで払えるものだけ買う」というルールにしておくと安心です。
ポイント目的でカードを使う場合も、利用額を毎月確認しましょう。
クレジットカードは、現金が減らないように見えても、後から支払いが来る仕組みです。
給料日前に請求額を見て慌てないように、使った金額はこまめに確認する習慣をつけましょう。
見栄のために家賃やブランド品へお金をかけすぎない
社会人になると、周りと比べてしまう場面が増えます。
「いい部屋に住みたい」
「ちゃんとした服や時計を持ちたい」
「同期よりも余裕があるように見られたい」
このような気持ちから、収入に合わない出費をしてしまうことがあります。
特に家賃は毎月の固定費なので、背伸びしすぎると生活全体が苦しくなります。
ブランド品や高額な買い物も、買うこと自体が悪いわけではありません。
ただし、貯金がまったくできない状態で買うなら、少し立ち止まって考えた方がよいでしょう。
「本当に欲しいもの」なのか、「人からよく見られたいだけ」なのかを考えるだけでも、無駄な出費は減らせます。
勧められるまま不要な保険に入らない
新社会人になると、保険の勧誘を受けることがあります。
保険は大切な備えですが、すべての人に高額な保険が必要とは限りません。
たとえば、独身で扶養家族がいない人と、家族を養っている人では、必要な保障は違います。
保険を考えるときは、以下を確認しましょう。
・何に備える保険か
・毎月の保険料はいくらか
・今の自分に本当に必要か
・公的保障でどこまでカバーされるか
・途中で見直せるか
「社会人だから入らないといけない」と思い込まず、自分の状況に合うかを確認することが大切です。
不安な場合は、その場ですぐ契約せず、家族や職場の制度、信頼できる専門家に確認してから判断しましょう。
学生時代の奨学金や年金も確認しておく
新社会人がお金で見落としやすいのが、学生時代から続いている支払いです。
代表的なのが、奨学金の返済や国民年金の学生納付特例です。
奨学金を利用していた人は、返済開始時期、毎月の返済額、口座残高を確認しておきましょう。
返済が難しい場合には、制度によって猶予や減額返還などの仕組みが用意されていることもあります。
また、学生時代に国民年金の学生納付特例を利用していた人は、社会人になった後に追納できる場合があります。
日本年金機構では、学生納付特例の承認を受けた期間について、10年以内であれば保険料をさかのぼって納められると案内しています。
追納すると将来の年金額に反映されますが、無理にすぐ支払う必要があるとは限りません。
まずは自分に未納や猶予期間があるかを確認し、生活費や貯金とのバランスを見ながら考えましょう。
投資や新NISAは新社会人でも始めるべき?
新社会人でも投資を始めることはできます。
ただし、全員がすぐに始めるべきとは限りません。
まずは生活費、貯金、固定費の管理を整えたうえで、余裕資金の範囲で考えましょう。
投資は生活防衛資金を作ってからでも遅くない
投資は、将来の資産形成に役立つ可能性があります。
一方で、元本が保証されるものではありません。
急な出費に備えるお金がないまま投資をすると、必要なときに損をした状態で売らなければならない可能性もあります。
そのため、新社会人はまず生活防衛資金を作り、その後に少額から投資を検討する流れがおすすめです。
投資を始めるかどうかは、周りに合わせて決めるものではありません。
自分の生活に余裕があるか、値下がりしても慌てず続けられるかを考えて判断しましょう。
始めるなら少額・長期・分散を意識する
投資を始める場合は、少額から始めるのが安心です。
NISAは、投資で得た運用益が非課税になる制度として知られています。
金融庁の資料でも、つみたて投資枠は長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託などを対象とする枠として説明されています。
ただし、制度があるからといって、必ず利益が出るわけではありません。
投資では、以下の考え方が大切です。
・少額から始める
・長く続ける
・投資先を分散する
・生活費を投資に回さない
・すぐに増やそうとしない
「短期間で大きく増やす」よりも、「無理なく続ける」ことを優先しましょう。
借金や生活費を削って投資するのは避ける
投資で避けたいのは、生活費を削ったり、借金をしてまで始めたりすることです。
投資は余裕資金で行うものです。
毎月の生活が苦しい状態で投資をすると、値下がりしたときに精神的にも大きな負担になります。
新社会人のうちは、まず働き続けられる生活基盤を整えることが最優先です。
投資は、その後でも遅くありません。
また、投資話の中には「絶対に儲かる」「元本保証で高利回り」など、注意が必要なものもあります。
お金を増やしたい気持ちが強いときほど、うまい話には慎重になりましょう。
新社会人がお金で今日からできる3つの行動
ここまで読んで、「やることが多い」と感じた人もいるかもしれません。
ですが、今日からすべてを完璧にやる必要はありません。
まずは、次の3つだけ始めてみましょう。
給料の使い道をざっくり3つに分ける
最初にやることは、給料の使い道を3つに分けることです。
・生活費
・貯金
・自由費
この3つが決まるだけで、使いすぎを防ぎやすくなります。
たとえば、手取り20万円なら以下のように考えます。
・生活費:14万円
・貯金:2万円
・自由費:4万円
これはあくまで一例です。
一人暮らしか実家暮らしか、奨学金の返済があるかによって、適切な割合は変わります。
自分の生活に合わせて、無理のない金額にしましょう。
サブスクやスマホ代など固定費を確認する
次に、毎月自動で引き落とされているお金を確認しましょう。
特に見直しやすいのは、以下の項目です。
・スマホ代
・動画配信サービス
・音楽アプリ
・ジム代
・アプリ課金
・使っていない会員サービス
固定費を月3,000円下げられれば、年間で36,000円の節約になります。
無理な節約をするより、使っていない固定費を減らす方が続きやすいです。
「最近使っていないけれど、なんとなく払い続けているもの」がないか確認してみましょう。
迷ったら「貯める・守る・増やす」の順番で考える
新社会人のお金の優先順位は、以下の順番で考えるとわかりやすいです。
- 貯める
- 守る
- 増やす
まずは、毎月少しずつ貯金する。
次に、リボ払いや不要な契約を避けて、お金を守る。
そのうえで、余裕が出てきたら投資で増やすことを考える。
この順番を守れば、焦って失敗するリスクを減らせます。
お金の管理は、一度で完璧にするものではありません。
毎月少しずつ見直して、自分に合う形へ整えていきましょう。
今月やることチェックリスト
最後に、今月中にやることをチェックリストで整理します。
・手取り収入を確認する
・毎月の固定費を書き出す
・給料日に貯金する金額を決める
・クレジットカードの支払い方法を確認する
・使っていないサブスクを解約する
・奨学金や年金の状況を確認する
・投資は生活費と貯金に余裕が出てから検討する
全部を一気にやる必要はありません。
まずは、固定費の確認と先取り貯金の設定から始めるだけでも十分です。
まとめ:新社会人がお金でやるべきことは、まず仕組みを作ること
新社会人がお金でやるべきことは、難しいことではありません。
最初に大切なのは、毎月のお金の流れを把握し、自然に貯まる仕組みを作ることです。
特に、以下の7つを意識しましょう。
・毎月の収支を把握する
・生活費・貯金・自由費を分ける
・先取り貯金を始める
・固定費を増やしすぎない
・クレジットカードの使い方を決める
・保険や投資を焦って契約しない
・生活防衛資金を作る
初任給は、すべて貯金しなくても大丈夫です。
自分へのごほうびや家族への感謝に使いながら、少しでも貯金できれば十分よいスタートです。
投資や新NISAも気になるかもしれませんが、まずは生活費と貯金の土台を整えてからで遅くありません。
焦らず、今日できることから始めていきましょう。
お金の管理は、社会人生活を安心して続けるための土台です。
最初の1年で仕組みを作っておけば、将来の選択肢も広がりやすくなります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
