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銀杏(ぎんなん)の栄養と効能は?銀杏(イチョウ)と銀杏(ぎんなん)どう違う?

銀杏(ぎんなん)は、もちっとした食感とほんのりとした苦みがいいですね。
秋を感じる伝統的な食べ物です。

銀杏(ぎんなん)は、栄養成分を豊富に含んでいて、中国では古くから食用に利用されていました。

この記事では、銀杏(ぎんなん)について、栄養成分や効能といったところをまとめました。

イチョウは漢字で書くと「銀杏」で、「ぎんなん」と同じ漢字です。
紛らわしいですね。

 

銀杏(ぎんなん)とは?

銀杏(ぎんなん)とは、木の実のひとつです。

ただ、銀杏(ぎんなん)はイチョウの樹になる実の種子なのです。

熟したイチョウの実である銀杏(ぎんなん)は直径が2センチメートル内外です。
表面の果肉の部分は、黄褐色の柔らかい外種皮(がいしゅひ)で悪臭放ちます。
この中に堅い白色の中(ちゅう)種皮(鬼皮(おにがわ))をもった種子があり、一般的に売られている「ぎんなん」はこれです。
中種皮の内側に褐色の被膜状の内種皮(薄皮(うすかわ))があり、この中に食用となる青緑色の胚乳(はいにゅう)をもつ胚があります。
イチョウの樹になる実は、その果肉を食べるのではなく、実のなかにあるかたい殻に包まれた胚乳種の部分を食べます。

イチョウは漢字で書くと「銀杏」で、「ぎんなん」と同じ漢字です。
紛らわしいですね。

イチョウの樹には、オス株とメス株があり、メス株の方だけに実がなります。

イチョウの樹は「生きた化石の木」と言われ、恐竜がいた2億年も前(中生代)に地球上に現れました。
イチョウは、その太古のままの姿で現在まで生き延びている生命力の強い植物と言えます。

そんな生命力のあるイチョウの樹の実の一部である銀杏(ぎんなん)も滋養のある食べ物として知られます。
漢方薬の成分としても利用されているのです。

 

銀杏(ぎんなん)の主な栄養成分

「生命力のある食べもの」と言われる銀杏(ぎんなん)です。

銀杏(ぎんなん)は、イチョウの種子の中の胚乳種の仁(じん)と呼ばれる部分が食用にされます。
仁はでんぷん質を多く含み、もちもちとした歯ごたえがあります。

銀杏(ぎんなん)は、栄養価が高い食材です。

脂質、糖質、たんぱく質、β-カロテン、ビタミンA・B群、ビタミンCなどを含んでいます。

銀杏(ぎんなん)は、ミネラルも豊富です。

骨や歯のもとになるマグネシウム、体の成長を促す鉄、むくみの防止などに効果が期待できるカリウムなどが含まれています。

銀杏(ぎんなん)は、古くから薬用として活躍しています。

中国や日本でも、古くから漢方や民間療法で活躍しており、せきや痰、また、夜尿症にも薬用として用いられているようです。

銀杏(ぎんなん)の主な栄養素です。

ビタミンE
銀杏には、ひと粒(2g)あたり約0.01mgのビタミンEが含まれています。
ビタミンEの最大の特徴は、強い抗酸化作用です。
その作用により、不飽和脂肪酸やそのほかの成分の酸化を抑制する働きがあります。
脂質の過酸化の阻止し、細胞壁や生体膜の機能の維持に関わりがあります。
ビタミンEが欠乏すると、神経機能が低下したり、筋無力症や不妊等が起こることが知られています。

ビタミンB1
銀杏(ぎんなん)はビタミンB1が含まれています。
ひと粒(2g)あたり0.01mgです。
ビタミンB1は、各種酵素の補酵素として糖質及び分岐鎖アミノ酸の代謝に深く関わっています。
ビタミンB1が不足すると体内のエネルギーが足りなくなって、倦怠感、食欲不振、浮腫などを伴う脚気(かっけ)、ウエルニッケ脳症、コルサコフ症候群等が起こることが知られています。

カリウム
カリウムは調理で損失しにくい栄養素です。
銀杏(ぎんなん)ひと粒(2g)あたり14mg含まれているカリウムには、ナトリウムとともに細胞液の浸透圧を調整する働きがあります。
細胞の外液に存在するナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、血圧を調整したりして、常に一定した良い体内の状態を維持するのに役立っているのです。
塩分の過剰摂取により体内のナトリウムが多くなってしまったときには、排出を促す効果も認められています。
ナトリウムはとり過ぎると高血圧の一因になりますが、その一方でカリウムは血圧を下げる働きがあります。
カリウムは、高血圧の予防、肝臓の老廃物の排せつ、筋肉の働きを高めます。

β-カロテン
β-カロテンには、ビタミンAの作用をするという働きのほかに、有害な活性酸素から体を守る抗酸化作用や、免疫を増強し、抗発癌作用や免疫賦活作用ことがあること分かってきています。

パントテン酸
パントテン酸は、免疫力を高め、善玉コレステロールを増やし、心臓、血管の病気を予防します。
パントテン酸は、糖質、脂質、たんぱく質の代謝とエネルギー産生に不可欠な酵素を補助する重要な役割をします。
また、コレステロール、ホルモン、免疫抗体などの合成にも関係しています。
皮膚や粘膜の健康維持を保つことにつながっているパントテン酸が欠乏すると、皮膚炎、副腎障害、末梢神経障害、抗体産生障害、成長阻害等が起こることが知られています。

ビタミンC
ビタミンCは秋から冬の風邪の予防に役に立つことは広く知られています。
ビタミンCは、体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというタンパク質をつくるのに不可欠で、皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。
また、いろいろなストレスへの抵抗力を強める働きのほか、鉄分の吸収をよくする働きもあります。
さらに、抗酸化作用もあり、有害な活性酸素から体を守る働きをすることから、動脈硬化や心疾患を予防することが期待できます。

文部科学省の「食品成分データベース」から、銀杏に含まれる栄養成分のなかでとくに豊富なものをピックアップすると次のとおりです。

◎銀杏(ゆで)の栄養成分(100gあたり)
エネルギー…174kcal
たんぱく質…4.6g
脂質…1.5g
炭水化物…35.8g
β-カロテン当量…290μg
ビタミンC…23mg
カリウム…580mg
マグネシウム…45mg
鉄…1.2mg
リン…96mg

銀杏(ぎんなん)の効能

銀杏(ぎんなん)は、糖質が豊富なことから、即効性のあるスタミナ食や薬用として中国では古くから食用に利用されていました。

そればかりでなく、銀杏(ぎんなん)にはいろいろな栄養素が含まれていることから、主に次のような効能が期待されています。

疲労回復や食欲不振、肩こり、イライラの解消

ビタミンB1も多く含まれ、脳の中枢神経や手足などの末梢神経の機能を正常に保つ働きがあります。
結果、疲労回復や食欲不振、肩こり、イライラの解消などが期待できます。

免疫力アップ

銀杏のビタミンCの含有量は、食べられる種実類のなかではトップクラスの高さです。
ビタミンCは、抗酸化作用があるとともに免疫力を強くする働きがあります。
皮膚や粘膜を丈夫にするβ-カロテンも含まれているので、風邪の予防にもよさそうです。

滋養強壮

銀杏は昔から、滋養強壮によい食べものとされてきました。
これは、イチョウ特有の成分である「ギンコライド」などによるものだそうです。

しかし、滋養強壮の効果があまりに高いので、食べ過ぎると鼻血が出てしまうこともあるといわれています。

食べ過ぎに注意が必要ですね。

銀杏(ぎんなん)の食べ過ぎるとどうなるか?
食べ過ぎについて別の記事にまとめました。

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咳を鎮める

銀杏(ぎんなん)は、肺を温めてくれる効果が期待できることから、
漢方では、銀杏は咳止めや痰をきる効果があると言われています。
銀杏(ぎんなん)は、漢方薬の成分としても利用されています。

頻尿、おねしょの改善

銀杏(ぎんなん)には、血流を促して体を温める強い効果があります。
近年、この効果が「ギンコライド」という銀杏(ぎんなん)特有の成分によって、もたらされることもわかってきたそうです。

緊張したときにトイレに行きたくなる心因性の頻尿にも銀杏(ぎんなん)は有効なのだそうです。

また、銀杏(ぎんなん)は膀胱を温めて括約筋を強くする作用があるとされていることから、子どもの夜尿症、いわゆる「おねしょ」を改善するにもよい、と考えられています。

ほかに

カリウムには体外へ余分な塩分を排出する働きがあり、利尿作用のほか、高血圧やむくみの改善に有効とされています。

 

銀杏(ぎんなん)ではないですが、イチョウの葉の効果

イチョウの葉には、13種類のフラボノイドとギンコライドという物質が含まれています。
血管拡張作用、動脈硬化の改善、鎮痙作用、血糖値正常化、活性酸素除去作用、アレルギーの抑制作用、抗炎症作用等多彩な働きがあると言われています。
さらに、しもやけ等にも効果があります。
又、葉には抗菌、防虫効果もあり、本にはさんでおくと防虫になることは良く知られています。

まとめ

銀杏(ぎんなん)は、日本の季節を感じる食べ物のひとつです。

銀杏(ぎんあん)は栄養価の高い食品であると言われているとおり、優れた栄養を含んでいる高性能食品のようです。
その風情と独特の風味と食感を楽しみたいものですが、ただ一点、食べ過ぎないように注意したいものです。

 

落ちている銀杏(ぎんなん)を拾う時に、特に注意する点については別記事をご覧ください。

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20メートルをこす背の高いイチョウ並木や、美しい金色のイチョウのトンネルなど、各地に黄色く色づいた美しいイチョウの絶景をみることができるところがあります。
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最後までご覧いただきありがとうございました。

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