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配偶者控除と配偶者特別控除の違い、条件わかりやすく2020

配偶者控除申請書

配偶者控除・配偶者特別控除の改正が平成30年(2018年)に行われました。
さらに、令和2年(2020年)に改正が行われ、配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額が48万円から133万円以下(収入103万円以上201万円以下)となり、控除が受けられる枠が以前より増えたり、場合によっては減ってしまったりしました。

この記事では、改正された配偶者控除と配偶者特別控除の違いや内容についてわかりやすいようにまとめています。

「配偶者控除」と「配偶者特別控除」の違い

配偶者の扶養と控除

扶養控除は15種類ある所得控除のうちの1つです。
家族を養っている人の所得のうち一定の額を控除することによって、納税の負担を軽くする制度が扶養控除の制度です。

この扶養控除の対象は、配偶者以外の親族(生計を共にしている6親等内の血族及び3親等内の姻族)です。
一方で配偶者の扶養に係る控除の制度が、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」という2種類の控除なのです。

用語解説
扶養とは、独立して生計を立てることが困難な者の生活を他者が養うこと
控除とは、ある金額から一定の金額を差し引くこと

配偶者控除とはなに?

「配偶者控除」とは、納税者本人や配偶者が条件を満たす場合に、一定額を所得から控除することができる所得控除の制度です。

もともと配偶者控除は、基本的に配偶者に収入がないことを前提としている控除ですが、現実的には収入が全くゼロというケースがほとんどありません。
そこで、実情に合わせて合計所得金額が48万円以下なら、控除対象配偶者と認めることとしています。

例えば所得300万円で配偶者控除38万円分を適用できれば、所得税が3.8万円安くなります。
所得500万円だと7.6万円です。

この控除は、合計所得金額が48万円以下で、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下の人が受けられる控除です。

配偶者特別控除とはなに?配偶者控除との違い

「配偶者特別控除」とは、配偶者の合計所得金額が配偶者控除の枠を超えても、納税者本人や配偶者が条件を満たす場合に、その所得に応じて一定の所得控除が受けられる制度です。

配偶者特別控除として、配偶者控除が適用されなくなる103万円を超える収入の配偶者について、約201万円以下の収入まで配偶者の収入増に合わせ段階的に控除額が減るように設けられています。

配偶者の年収のみで考えると、103万円までは配偶者控除の対象となり、103万円を超えると配偶者特別控除に切り替わります。
そして、201万円を超えると控除を受けることができなくなります。

適用できれば配偶者控除と同じく税金を安くできます。
申請方法も配偶者控除と同じです。

「パートタイムで働く主婦が配偶者控除の適用除外になったり、その主婦が独立した納税者になって税負担が増したりなどで起こる『手取りの逆転現象』への対応」が目的で設けられました。

そして、共働きが増えている中、配偶者控除の枠にとらわれて収入を抑えてしまう「103万の壁」という言葉がありますが、働き方改革の一環として、平成30年(2018年)からこの配偶者特別控除を拡大する改正がなされました。

配偶者控除の適用要件

配偶者控除を受けられる配偶者を「控除対象配偶者」といいますが、その要件は次のすべてを満たす必要があります。
なお、配偶者控除は、その年の12月31日の時点で要件を満たすかどうかで判断します。

(1) 控除を受ける納税者本人のその年における合計所得金額が1,000万円以下であること。
 合計所得金額とは事業所得や給与所得などをすべて合計した、純損失の繰越控除などを適用する前の 金額をいいます。

(2) 民法の規定による配偶者であること。
 民法規定の配偶者とは、市区町村役場において婚姻届出を提出して受理された、正式な婚姻関係にある配偶者のことです。
 法律上の婚姻関係のない内縁関係や同性婚については、現行制度では対象外となっています。

(3) 納税者の配偶者で生計を一にしていること。
 別居している場合でも、生計を一にしていれば対象になります。
 仕事の都合などでやむを得ず別居している場合でも、生活費の仕送りをしているなどの状況があれば大丈夫です。

(4) 控除対象の配偶者の年間の合計所得金額が48万円以下であること。
 給与収入のみを得ている場合は103万円以下(基礎控除48万円+給与所得控除55万円)です。

(5) 青色事業専従者、事業専従者でない人
 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと。

配偶者特別控除の適用要件

配偶者特別控除を受けられる要件は、次のすべてを満たすことです。

(1) 控除を受ける納税者本人のその年における合計所得金額が1,000万円以下であること。
 給与収入のみの年収だと1,195万円以下です。ただし、最大額で控除するためには、給与所得金額が900万円以下でなければなりません。
(給与収入1,195万円-給与所得控除195万円=所得1000万円。2019年以前は年収1,220万円-給与所得控除220万円=所得1,000万円だった。)

(2) 配偶者は、民法の規定による配偶者であること(配偶者控除と同じ)。
 内縁関係の配偶者は対象になりません。

(3) 配偶者が控除を受ける納税者と生計を一にしていること(配偶者控除と同じ)

(4) 青色事業専従者、事業専従者でない人
 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと、又はは白色申告者の事業専従者でないこと

(5) 配偶者の年間の合計所得金額(年収から給与所得控除額である55万円を差し引いた金額)が48万円超133万円以下であること
 パートタイマーなど給与収入であれば、年間103万円超~201万6,000円未満となります。
(平成30年分から令和元年分までは38万円を超え123万円以下、平成29年分までは38万円を超え76万円未満)

(6) 配偶者が、配偶者特別控除を適用していないこと。
 夫婦のどちらも互いの配偶者特別控除の範囲内の所得であっても、相互が所得控除を受けられるというものではなく、どちらか一方の納税者の所得控除として適用が出来るということです。要は夫婦のどちらか一方でしか配偶者特別控除は受けられないということです。

(7) 源泉徴収
・配偶者が「給与所得者の扶養控除等申告書」または「従たる給与についての扶養控除等申告書」に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として源泉徴収されていないこと(その後の年末調整や確定申告で配偶者特別控除を受けなかった場合等を除く)
・配偶者が公的年金等の受給者の扶養親族等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として源泉徴収されていないこと配偶者が、公的年金等の扶養親族等申告書で源泉控除対象配偶者がいるとして源泉徴収されていないこと(その後の年末調整や確定申告で配偶者特別控除を受けなかった場合等を除く)

配偶者の所得にかかわる源泉徴収時に扶養分が考慮されると、配偶者控除を適用した場合、二重に税額が軽減されることとなりますので、配偶者の給与所得者の扶養控除等申告書で源泉控除対象配偶者を記載している方は配偶者特別控除の適用外となります。

配偶者控除・配偶者特別控除の控除額

配偶者控除の控除額

配偶者控除の金額は、配偶者を養っている納税者の合計所得金額によって変わります。
夫がサラリーマンで妻が専業主婦の場合だと、夫の所得額を基準に決まります。

平成30年(2018年)の法改正によって、配偶者控除の金額が納税者本人の合計所得金額次第で、年間合計所得金額900万円を超える場合、950万円を超えで1,000万円以下の場合で、細かく控除額が分けられるようになりました。
所得900万円超(給与収入だと1,095万円超)になる人は注意が必要です。

なお、配偶者控除における老人控除対象配偶者とは、対象年度の12月31日時点で70歳以上の配偶者のことです。
もし配偶者の年齢がその年の12月31日時点で70歳以上の場合は、「老人控除対象配偶者」としてより大きい金額を控除可能です。

控除を受ける納税者本人の合計所得額 控  除  額
一般の控除対象配偶者 老人控除対象配偶者
900万円以下 38万円 48万円
900万円超~950万円以下 26万円 32万円
950万円超~1,000万円以下 13万円 16万円
1,000万円超~ 0円 0円

配偶者特別控除の控除額

配偶者特別控除の控除額も、納税者本人の所得金額によって段階的にかわります。

配偶者控除と違うのは、納税者本人の合計所得金額だけでなく、配偶者の合計所得額によっても段階的に変わる点です。

例えば、配偶者95万円以下・納税者本人の給与所得900万円以下であれば最大額である38万円です。
もし配偶者120万円以下・納税者本人の給与所得950万円以下であれば11万円になります。

なお、配偶者特別控除には配偶者控除の老人控除対象配偶者のような年齢に応じた増額はありません。

配偶者の合計所得額 控除を受ける納税者本人の合計所得金額
900万円以下 900万円超
950万円以下
950万円超
1,000万円以下
48万円超~95万円以下 38万円   26万円 13万円
95万円超~100万円以下 36万円 24万円 12万円
100万円超~105万円以下 31万円 21万円 11万円
105万円超~110万円以下

26万円

18万円 9万円
110万円超~115万円以下 21万円 14万円 7万円
115万円超~120万円以下 16万円 11万円 6万円
120万円超~125万円以下 11万円 8万円 4万円
125万円超~130万円以下 6万円 4万円 2万円
130万円超~133万円以下 3万円 2万円 1万円

配偶者控除、配偶者特別控除を受けるための手続き

配偶者控除や、配偶者特別控除を受けるためには、納税者となる本人からの申請が必要です。
そのために配偶者の名前や生年月日、配偶者の所得金額等が必要になります。

給与所得者であり年末調整を受けることができ、年末調整において所得税の年間分の精算が完了をする場合には、年末調整のときに会社に「扶養控除等申告書」と「配偶者控除等申告書」に配偶者の情報を記載し、提出します。

納税者本人が年末調整を受けることが出来るが、所得税の年間分の精算のために改めて確定申告が必要な人、又は年末調整を受けることが出来ないために確定申告が必要な人については、確定申告書に配偶者の情報を記載します。
配偶者の情報を記載する書類は確定申告書の第二表及びその情報から計算をされる配偶者控除、配偶者特別控除の控除金額を記載する第一表です。

申告書第二表の「配偶者(特別)控除」欄に配偶者の氏名・生年月日・マイナンバー(個人番号)を記載し、配偶者控除と配偶者特別控除のどちらかにチェックを入れます。
次に、確定申告書第一表の「配偶者の合計所得金額」欄に所得を記載し、「配偶者(特別)控除」欄に控除金額を記載します。
配偶者特別控除の場合には区分に「1」と記載します。

配偶者特別控除同様、配偶者が国外居住親族でない限り、添付や提示が必要な書類はありません。

また、申請時に配偶者の所得金額を過少に記載しても税務署は調査することができるので、所得税の追納を求められるようなことにならないよう正確に申請しましょう。

まとめ

配偶者控除と配偶者特別控除はともに、収入の少ない配偶者(夫や妻)を養っている人が受けられる所得控除です。

配偶者控除と配偶者特別控除の違いは、
配偶者控除は「配偶者の年間所得48万円(給与収入103万円)以下」で適用できる控除
配偶者特別控除は「配偶者の年間所得48万円超~133万円以下」で適用できる控除
ということです。
それぞれに、納税者本人の年間所得が1,000万円より多いと、どちらも適用できないなどの適用条件があります。

配偶者特別控除も配偶者控除も、生計を一にする配偶者がいる納税者にとって無視できない控除制度です。
利用できる場合は、ぜひ活用しましょう。






最後までご覧いただきありがとうございました。

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