ハムとソーセージの違いは、ソーセージは挽き肉ですが、ハムは「お肉のかたまり(ブロック肉)を、そのまま塩漬けにしたもの」ということです。
では、ハムと生ハム、ベーコンの違いは何なんでしょうか?
この記事では、普段それほど意識しないで食べているソーセージ、ウィンナーと同じ肉加工品のハムと生ハムそしてベーコンはどこがいったい違うのかについてまとめています。
ハムと生ハムとベーコンの違い
ハム | 生ハム | ベーコン |
豚肉 | 豚肉 | 豚肉(主に豚ばら肉) |
塩漬け | 塩漬け | 塩漬け |
ケーシングされている | ケーシングされている | ケーシングなし |
加熱(ボイルなど) | 非加熱(ボイルしない) | 非加熱(ボイルしない) |
くん煙する(くん煙しない場合もある) | くん煙する(冷くん) | くん煙する(冷くん) |
ハムとは
ハムは、もともとヨーロッパで豚のモモ肉を塊のまま加工して作られていました。
ハムを作る主な部位はモモ肉です。
主に後ろ足の部位を使うことが多いです。
モモ肉で作られたハムはボンレスハムと骨付きハムに分類されます。
日本ではモモ肉に限らず、いろいろな部位の大きなかたまり肉を加工したものをハムと呼んでいます。
作り方は、まず、豚肉の塊を塩漬けし、熟成した後に、型に詰めたり(ケーシング)糸で巻いたりしてから、更に燻製します。
(燻製した後、紐やタコ糸で縛ったり布で包む「ケーシング」で形を整える場合もあります。)。
そして、仕上げにスチームで蒸したり、ボイルした後、冷却すると、ハムの出来上がりです。
ハムといえばタコ糸のイメージがありますね。
腸詰めにしたり糸で縛って「形を作る」のがハムの製造過程上重要です
ハムは加熱食肉製品となります。
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塊肉を使うハムと挽き肉を使うソーセージ、ウインナーの違いはこちらの記事です。
生ハムとは
生ハムは、豚のロース肉や肩肉などを長時間塩漬けします。
さらに加熱せずにケーシングに詰めてから乾燥させつつ発酵させ、低温で燻煙します。
塩分をハムの約3倍多く含ませて製造するため、仕上げに塩抜きが必要です。
生ハムには、燻製はするが加熱しないもの(ラックスハム)と、塩漬け・乾燥のみで燻製しないものの2種類があります。
生ハムは非加熱食肉製品ということになります。
ベーコンとは
ベーコンもハムと同じで、ソーセージのように挽き肉を腸に詰めて加工するものではありません。
ハムがいろいろな部位を使うのに対し、ベーコンは主に豚のバラ肉です。
脂肪分に多いバラ肉がベーコンに最適のようです。
ベーコンは、バラ肉を使っているだけに脂肪分が多いのが特徴です。
作り方は、主に豚のバラ肉を成型したものに塩をすり込み、塩漬けの状態で寝かせます。
その後塩抜きをおこない、燻製にかけて完成します。
ベーコンは、ハムとは違い、仕上げにボイルやスチーム加工をしないで、燻製で終わります。
ベーコンは保存食品に分類されます。
また、豚バラ肉の他にも、豚ロース肉を使用したロースベーコン(カナディアンベーコン)や、豚肩肉を使ったショルダーベーコンなどもあります。
「Bacon」はゲルマン祖語で「背中」を意味するbakkonに由来すると言われています。
イタリアの「パンチェッタ」は、豚バラ肉を塩漬けにしたものを、乾燥、熟成させたもので、ベーコンのように燻製という加工をしていません。
本場イタリアのカルボナーラでは、日本のような燻製されたベーコンではなく、このパンチェッタを使います。
ベーコンは高脂肪でカロリーが気になる食べ物ではありますが、風味や出汁としても味わい深いものなので、適量を守りいろいろなレシピで味を楽しみましょう。
ハムとベーコンの食べ方の違い
ハムとべーコンは、ハムの方が脂肪分や塩分が低くヘルシーといえます。
また、ビタミンB1が多いため糖質をよく燃焼させます。
カルニチンが多いことから脂肪燃焼率も高いといえます。
ハムはベーコンより脂肪分が少なく食感もしっかりしているのが特徴なので、サラダやサンドイッチに加熱せずそのまま使えます。
もちろん、厚切りでステーキやハムカツにして食べてもおいしくいただけます。
ベーコンは、燻製したものであるため、特別に調理をしなくてもそのまま食べることができます。
燻製をしていない前の状態のベーコンを生ベーコンといいますが、生ハムと同じように塩漬けした後に、乾燥、熟成させて作られてますので、こちらも生で食べることができます。
ベーコンをそのまま食べることを知らない人も多くいますが、好みやレシピに応じてそのまま食べてみてください。
しかし、脂が気になってしまうベーコンは、基本加熱調理向きです。
豚の脂は加熱すると溶け出し、料理にコクとうま味をプラスします。
フライパンで先に加熱すればベーコンから溶け出した油を利用できますので、わざわざ油を用意しなくても大丈夫です。
野菜や他の具と炒めると燻製と脂の香りが移っておいしくいただけます。
ベーコンの油分が気になる場合には、キッチンペーパーに包みラップをしてレンジで加熱すると余分な脂肪が落ちます。
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ハムの特徴と種類
本来、ハムとは「豚のもも肉」を意味し、伝統的なハムとは「骨付きのもも肉を加工したもの」でした。ちなみに海外のスーパーで「ham」とあったら豚のもも肉、そのもののことです。
筋肉にも腿にハムストリングスという名前の部位があります。
日本では、他の部位の肉塊であっても、大きな形のまま加工したものをハムと呼ぶことがあります。
さらに、ヨーロッパでは、通常「ハム」といえば、生ハムなどの非加熱のものが多く、加熱したハムは少ないと言われています。
「Ham」は英語。辞書には、「ブタのもも(の肉)、(これを塩づけまたは燻製にした)ハム」とあります。
ちなみに、フランス語の Jambon (ジャンボン)、ドイツ語の Shinken (シンケン)、スペイン語の Jamón (ハモン)は「豚もも肉」からきた名前。
ただし、イタリア語の Prosciutto (プロシュット)だけは、「Prosciugare(プロシュガーレ)=乾燥する」と製法の特徴からきた名前です。
ハムの種類・さまざまなハム
ハムと一言で言っても種類はさまざまです。
部位や製法の違いによって色々な種類のハムがあります。
部位によって味わいや食感が異なります。
骨付きハム
骨付きの豚モモ肉を使ったハムです。
ボンレスハム
豚のモモ肉から骨を抜き、塩漬けにします。
これをケーシングに詰め、燻煙、加熱したものをボンレスハムと呼びます。
ボンレスハムは脂肪が少なめで赤身が多いのが特徴と言えます。
あっさりしていますが肉感は感じることができ、少し赤っぽい色をしています。
ショルダーハム
豚の肩肉を使い、塩漬けとケーシングしてから燻煙加熱して作られます。
ショルダーハムは他のハムと比べて赤肉が多いことが特徴です。
ロースハム
豚のロース肉を使い、作り方はショルダーハムと同様です。
柔らかく、さっぱりした味わいが特徴。
日本ではスーパーで見かける一般的なハムがロースハムです。
これは日本独自のものなので、海外では通用しない可能性が高いので注意してくださいね。
ロースハムはお肉のキメが細やかで、あまりクセがなく、しっとり柔らかい食感が特徴です。
色は薄いピンク色です。
プレスハム
プレスハムは日本で開発されたハムです。
豚肉に他のお肉を混ぜ合わせて加工し、ハムのようにひとつのかたまりにしたもののことです。
質にこだわり、常に品質を保ったハムです。
まとめ
「ハム」はソーセージのようにお肉を挽き肉にせず、豚のもも肉をブロックのまま塩漬けし、燻製したものを、さらにボイルかスチームしたものです。
「生ハム」は、豚のロース肉や肩肉などを長時間塩漬けし乾燥させつつ発酵させ、低温で燻煙したものです。
「ベーコン」は豚のバラ肉を塩漬けにし、熟成したのち低温で燻製したもの。
ハムと違い最後にボイルしていません。
また、バラ肉以外にも豚ロースや豚肩肉を使用した、「ロースベーコン」、「ショルダーベーコン」などもあります。
それぞれの特徴をいかした食べ方で美味しくいただきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。