赤ちゃんに、与えてもいい食材とそうでない食材、その食材はいつから食べさせていいのかなどをいろいろ調べる必要があります。
ある程度成長しないと消化できないとか、アレルギーを引き起こす可能性がある食材があります。
この記事では、赤ちゃんは、栄養豊富な牛乳をいつから離乳食のとして材料として使ってよいのか、また飲料として飲ませてもよいのでしょうか?
飲ませるときに注意しておくべきことはどういうことでしょうか?について調べています。
赤ちゃんに牛乳を食べさせてよい時期、飲ませてよい時期はいつから?
赤ちゃんに牛乳を食べさせてよい時期、飲ませてよい時期はいつからでしょうか?
離乳食の本などでは、牛乳を使った離乳食は、生後7か月頃から食べさせてもよいと書かれています。
しかし、牛乳を飲み物としてゴクゴクっと飲ませ始めるのは、
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」では、
「1歳以降に牛乳を与えるのが望ましい」とされています。
牛乳は離乳食で料理に使うし、飲ませても大丈夫かなと思わず、お子さんのためにも1歳までは牛乳を飲ませるのは待ってください。
牛乳は、1歳までは飲み物としてではなく、離乳食の食材として少量(50~80ml)使うことをおすすめします。
赤ちゃんが1歳まで牛乳がダメな理由は?
牛乳の飲用を1歳まで避けた方がいいとされているのには、いくつかの理由があります。
栄養のある牛乳は健康にいいという思い込みのイメージで、小さな赤ちゃんにも飲ませたいと思いますよねえ。
でも、まだまだ発育途上の未熟な赤ちゃんにとっては、牛乳は赤ちゃんの体に負担をかけてしまうことになります。
牛乳に多く含まれるたんぱく質やミネラルを過剰に摂取すると、腎臓に負担がかかってしまいます。
また、牛乳には母乳に多く含まれる乳糖があまり含まれていないので、赤ちゃんの成長に影響がでてしまいます。
母乳と牛乳は、一見同じように見えますが、含まれる成分には違いがあります。
牛乳は牛の赤ちゃんの成長に、母乳は人間の赤ちゃんの成長のために必要な成分が含まれています。
栄養素ごとに見ていくと、
母乳は、乳糖と呼ばれる炭水化物が牛乳の約1.5倍で、糖質は牛乳よりも母乳のほうに多く含まれています。
逆に、母乳のタンパク質やカルシウムといったミネラルは牛乳の3分の1で、タンパク質やミネラルは母乳よりも牛乳のほうが濃いのです。
母乳の成分は牛乳とは違っています。
それは、牛の赤ちゃんと人間の赤ちゃんでは、成長のスピードが違います。
牛のほうが、人間よりも体が大きく成長するため、体をつくるのに必要なタンパク質やミネラルをより多くとる必要があります。
逆に、人間の赤ちゃんは、体の成長速度よりも脳が早く発達します。
脳の発達に必要な糖分を多くとることが必要とされるのです。
そのため、牛乳はタンパク質やミネラルが多く、母乳には、“乳糖”という糖分が多く含まれているのです。
したがって、母乳と牛乳では、赤ちゃんの体に影響することも異なるので注意が必要です。
鉄欠乏性貧血になりやすい
厚生労働省による『授乳・離乳の支援ガイド』によると、「牛乳を飲用として与える場合は、鉄欠乏性貧血(体内の鉄が足りないために起きてしまう貧血)の予防の観点から、1歳を過ぎてからが望ましい」とあります。
腸が発達してくる1歳までは、牛乳を多く飲むことで鉄の吸収が阻害されることが報告されています。
鉄分の不足は、運動機能や認知機能の低下につながる可能性があるので、注意する必要があります。
特に生後9~11か月のお子さん、運動能力も体の大きさもどんどんと成長していく時期です。
ただこの時期は、鉄分に関しては不足しやすいと言われています。
この鉄分が不足する時期に鉄分の吸収を妨害する牛乳を飲んでしまうと、さらに鉄分の不足がおきてしまいます。
そして鉄欠乏性貧血になってしまう恐れがあります。
同じようにみえて母乳とは成分構成の違う牛乳は、母乳の代用とすることはできません。
母乳からほとんどの栄養をまかなっている0歳の赤ちゃんは牛乳を摂取しないほうがいいのです。
アレルギーになる可能性がある
1歳前の赤ちゃんの消化能力は十分に発達していないので、牛乳に含まれるタンパク質の分子を小さく分解することができません。
そして、小さく分解されていないタンパク質の分子を吸収すると、じんましんや呼吸困難などのアレルギー症状を発症する可能性があります。
厚生労働省の『授乳・離乳の支援ガイド』では、食物アレルギーを「特定の食物を摂取した後にアレルギー反応を介して、皮膚・呼吸器・消化器あるいは全身に生じる症状のこと」と書かれています。
また、乳児から幼児早期にアレルギーを引き起こす主要原因食物は「鶏卵、牛乳、小麦の割合が高く、そのほとんどが小学校入学前までに治ることが多い」とも記載されています。
牛乳アレルギー症状がみられたときの対処法
牛乳を飲ませるのを控える
牛乳アレルギーかどうかの判定は、何種類かの検査を必要があるので、少し時間がかかります。
牛乳にアレルギー症状の原因があるのかどうかわかるまでは牛乳を飲ませるのは控えましょう。
小児科を受診する
牛乳を飲んだあとに下痢や嘔吐、じんましんなどの症状が見られたらすぐに病院(小児科)を受診してください。
病院では、問診やいくつかの検査をした結果で牛乳アレルギーかどうかを診断します。
牛乳以外の食べ物でカルシウムを補う
牛乳でのアレルギー症状が出ているときは牛乳に代わる小魚や海藻類、ごま、大豆製品などでカルシウムを補うことが大切です。
1歳を過ぎてから牛乳を飲ませる場合の注意点
1歳を過ぎてから牛乳を飲ませる場合は、次の点に注意してください。
適度な量と温度にする
牛乳も他の食品と同じように、最初は少量から与えはじめてください。
調理して離乳食のメニューに加えていきながら、段階を経て直接飲ませていくとよいでしょう。
最初は赤ちゃんに飲ませる量は10~20ml程度にしましょう。
赤ちゃんのお腹の調子は問題ないか、アレルギー症状がでていないかを確認する必要があります。
赤ちゃんの胃腸の負担を考えると、牛乳の温度は母乳の状態に近い人肌程度に温めたものを与えてあげてください。
体調やうんちの状態に問題がなければ、常温の牛乳をあげるようにしましょう。
様子を見てさらに問題がなければ、次の段階として冷たい牛乳でも大丈夫です。
牛乳を初めて飲ませる時間帯は、アレルギー症状が出たときにすぐに病院に行けるように平日の午前中にあげるのがよいでしょう。
1日400ml までが目安。
また、脂肪分が多く含まれているので、とりすぎにならないよう注意が必要です。
1日2回程度、たとえば午前・午後のおやつに100mlくらい飲ませます。あとは乳製品(ヨーグルトやチーズなど)を、牛乳に換算して200ml程度あげるのがいいようです。
牛乳に換算するには、ヨーグルトは牛乳と同じ重量に、チーズは1/10程度の重量に換算して考えてください。
鉄分をしっかり摂取する
牛乳は鉄分の吸収を妨げるので、赤ちゃんが鉄分不足にならないように気を付けましょう。
鉄分を補うために、鉄分を豊富に含んだ食べ物、例えば、赤身の魚や納豆、ごま、ホウレンソウといった食品を離乳食に取り入れてみてください。
鮮度が下がった牛乳は飲ませない
牛乳の鮮度には注意しましょう。
牛乳パックの口を開けると、菌が繁殖し始めます。
賞味期限が切れたものは飲ませないようにしましょう。
スプーンなどで飲ませましょう
飲ませ方ですが、スプーンなどを使ってゆっくり与えるようにしましょう。
ストローだと子どもが牛乳を一気に飲んでしまい、結果として、お腹を壊してしまうかもしれません。
離乳食のおすすめの3冊です。
まとめ
牛乳は栄養バランスが良く、赤ちゃんの離乳食が進み、食事から栄養が十分摂取できるようになってからであれば、できるだけ与えたい食品です。
生後7~8ヶ月以降に、離乳食で牛乳を使う場合は、加熱し温めた状態で使いましょう。
牛乳を飲用として飲ませる場合は、初めてあげるときは冷たい牛乳だと、お腹を壊してしまうことがあるので
人肌程度の温度に温めて、
1回は子ども用のコップ1杯程度の量で、
1日に400mlの量を超えないように飲みすぎないことがポイントです。
牛乳を飲んだあとに、顔や体にじんましんが出るなど牛乳アレルギーを疑う症状が見られたら、早めに受診することが大事です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。