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耳に違いが。よく似ているアルパカとリャマの見分け方と違い。ビクーニャとグアナコとの違いも。

アルパカラマ

南米アンデス地方を代表する動物に、アルパカとリャマがいます。
彼らは、両方とも「ラクダ」の仲間で、よく似ています。

「アルパカ?」と「リャマ?」どっち?どっち?
アルパカとリャマの違いは?
なかなか見分けることは難しいですよね。
でも、耳を見てください。一番よくわかる違いは耳です。

この記事では、アルパカとリャマの違い、見分け方と、同じく南アメリカに住む同じラクダの仲間の「ビクーニャ」、「グアナコ」という動物を加えた4種のラクダについてまとめています。

アルパカとリャマ、そして、ビクーニャとグアナコの体の大きさの違い

リャマとラマ、同じ動物を指し、ただ呼び方が違うだけですこの記事ではリャマとします。

アルパカとリャマ、そして、ビクーニャとグアナコは体の大きさに違いがあります。

ラマは、南米のラクダ科の動物のうちで最も大きく、アルパカは、ラマよりも小柄で頭部も小さく、首もラマほど長くはありません。
そして、アルパカは、グアナコより少し小さく、ビクーニャよりやや大きいです。
ビクーニャは4種のうち一番小さくてスマートです。
ラクダ科で最も小さいのが、ビクーニャです。

4種を並べると、ラマとグアナコが大きく,アルパカが中間で,ビクーニャが一番小さいということになります。

ラマ > グアナコ > アルパカ > ビクーニャ

体長(頭胴長)体高(肩高)体重
リャマ200cm120cm70〜140kg
グアナコ200cm100〜120cm90〜120kg
アルパカ150〜200cm80〜100cm50〜55kg
ピクーニャ130〜160cm70〜110cm35〜65kg

アルパカの体重は50〜55kgです。体長(頭胴長)と体高(肩高)はラマより少し小さいぐらいですが、体重が相当違います。
また、ビクーニャとグアナコはよく似ていますが、グアナコのほうが大きく、グアナコの体重はビクーニャの2倍です。

ラマもアルパカも、ラクダ科ですがコブはありません。

アルパカとラマの耳の違い

アルパカは、ラマよりも小柄で頭部も小さく、首もリャマほど長くはありません。
アルパカとラマの耳は大きく違います。
アルパカは耳が小さくとがっていて、中には、ぬいぐるみのような被毛で耳がほんの少ししか出ていないアルパカもいます。
個体によって細長い場合もありますが、ほとんどが可愛らしい耳です。
一方、ラマは、顔はアルパカより面長で細長く、耳は、アルパカより大きく長めで、バナナのようは形をしています。

ラマの場合は耳で感情表現をします。
「機嫌が悪い」ときは、耳を後ろに倒します。
この時は、ぶつかってきたり、唾を吐いたりすることがあるので、近寄ると危険です。


ラマ
ラマ
アルパカ
アルパカ

アルパカとラマ、そして、ビクーニャとグアナコの毛の色と質の違い

アルパカは長く柔らかい獣毛の持ち主で、細くて上質は毛はカシミアよりも保温性に優れています。
毛色は、白色のほかにも、黒色、茶色、グレーの4種類に大別されます。
さらに細かく分けると「茶色」には「薄茶色」、「こげ茶色」、「赤褐色」や「チョコレート色」、「グレー」には「薄いグレー」、「青グレー」や「ピンクグレー」など20色以上にもなります。

ラマは、白色、黒色、茶色、グレー、ベージュのものや2色がまだらになっているものもいます。
毛の質はアルパカの方が平均的に上質といえます。
ラマはちょっと毛が硬くて、アルパカの毛はふわふわです。

背中は薄い茶色、おなかと脚が白色は、グアナコとビクーニャです。

グアナコの頭部はグレーで、毛皮は、2 つの層で構成されています。
外層はガードヘアとして機能し、内層はソフトな質感です。
毛の長さはビクーニャよりは長くアルパカよりは短い。
グアナコの柔らかく綿毛のような繊維の被毛は、その柔らかさや暖かさ、質感などと希少性から非常に価値があります。

ビクーニャの毛の色はグアナコと同じ背中が薄い茶色、腹部と脚が白色です。
毛の質はビクーニャのほうがグアナコよりも優れています。
外観はグアナコとよく似ていますが、ビクーニャは頸(くび)の下に30㎝前後の長い毛がはえているので、一目でグアナコと区別できます。

毛の長さは、アルパカ > グアナコ > ビクーニャの順です。

グアナコ
ビクーニャ

アルパカ、ラマ、ビクーニャ、グアナコの祖先

アルパカやラマ、ビクーニャやグアナコは中央アジアからアラビア半島、北アフリカにいるヒトコブラクダやフタコブラクダと同じラクダ科の仲間です。

もともと、ラクダ科の祖先は北アメリカ大陸に住んでいました。
そのラクダ科の祖先の一部が、200万年から300万年前に、陸つづきとなっていた現在のベーリング海峡を通ってユーラシア大陸へと移動しました。

そして彼らは中央アジア周辺からアラビア半島や北アフリカにかけての地域で、現在のヒトコブラクダとフタコブラクダへと進化していったのです。

一方、もともとの北アメリカ大陸のラクダは絶滅してしまいました。
が、パナマ地峡を通って南アメリカ大陸へと移動した一部のグループは生き残ります。
その仲間が、現在、リャマやアルパカ、ビクーニャ、グアナコの4種に進化しました。

アルパカ、ラマ、ビクーニャ、グアナコの分類

アルパカ、ラマ、ビクーニャ、グアナコの4種のラクダの仲間の分け方には諸説あるようです。
分類学上の系統図に統一的見解は得られていないようです。

有力は分け方は、

1 ラクダ科(Camelidae)
  1-1 ラクダ属(Camelus)
  1-1-1 ヒトコブラクダ(Camelus dromedarius)
  1-1-2 フタコブラクダ(Camelus ferus Przhewalski)
  1-2 ラマ属(Lama)
   1-2-1 グアナコ(Lama guanicoe)
   1-2-2 リャマ(Lama glama)
  1-3 ビクーニャ属(Vicugna)
   1-3-1 アルパカ(Vicugna pacos)
   1-3-2 ビクーニャ(Vicugna vicugna)

この分け方の他に、4種類すべてをラマ族(tribus Lamini)として束ねる学説もあります。
また、ビクーニャのみをビクーニャ属とし、他の3種をラマ属に分類とする説もあるようです。

ラマとアルパカは、家畜化

野生種のグアナコを家畜に改良したのがリャマで、
野生種のビクーニャを家畜に改良したのがアルパカと言われています。が、真偽はよくわかりません。(諸説あります。)

ラマは、約4,000〜5,000年前に、野生のグアナコからペルーで家畜化されたということです。

アルパカ、ラマ、ビクーニャ、グアナコの人との関係

アルパカの人との関係

アルパカは羊のようなふわふわとした被毛を持っていて、そのアルパカの被毛を使った衣服は、ふわふわで肌触りがよいと人気です。
アルパカの毛は「アンデスが育てた最高の天然繊維」と言われる通り、ウールよりも温かく、高級な素材です。
アルパカは、インカ帝国が栄えた時代よりも前、紀元前3〜4世紀からその貴重な毛を衣類などに利用するために家畜として飼育されていました。
そして、毛を利用するための品種改良も昔からなされていたということです。

ラマの人との関係

ラマは、アルパカが毛の利用のために飼育されていた一方、荷物の運搬用として飼育されています。
ペルーやボリビアの山岳地域では、昔から家畜として飼われていました。
海抜4000m程度の高地や乾燥地帯でも長い距離を歩けて、体格が大きく体力があり、45kgから60kg程度までの荷物に耐えられるので、荷運びに利用されているのです。

ラマは、警戒心が緩やかで、性格はおとなしく、人慣れもしやすいため、飼い慣らすことができ、家畜として適しています。

また、今では使用する地域が少なくなってきているものの、ペルーのインカの人々は燃料のために食物繊維を多く含む乾燥したラマの糞を燃やしました。
アンデスでは木材が少ないため、リャマの糞は貴重な燃料としても使用されていたそうです。

また、ラマの糞は肥料としても使われました。
リャマ農家は、リャマ肥料を「リャマ豆」と呼び、まさにそれは環境に優しい肥料ということです。
ラマの糞はほとんど臭いがありません。

ビクーニャの人との関係

ビクーニャはアルパカやリャマのように家畜化されていません。

ビクーニャは、寒冷な高地に生息するため、毛質の柔らかさ、きめ細かさで最高級の毛糸とされています。
しかも、毛の利用価値が高いばかりか希少であるため非常に高価です。
一時期、乱獲により生息数が、1万頭に満たなくなり絶滅の危機に瀕しました。
が、保護活動で、今では数十万頭まで回復してきています。
ペルーの国章にも描かれています。

グアナコの人との関係

グアナコもビクーニャと同じでアルパカやリャマのように家畜化されていません。
グアナコの毛はビクーニャに比べると利用価値は劣りますが、利用されることもあります。
毛を取る以外にも、アンデスと南アメリカの南部地域のいくつかの原住民グループは、かつてグアナコを主なタンパク源としていました。

アルパカ、ラマ、ビクーニャ、グアナコの生息地

アルパカの原産地は南アメリカのボリビア、アルゼンチン北部やペルー南部の標高3500mから5000mの湿潤な高原です。

ラマは、アンデス山中の標高2000〜4000mの高山地帯の草原やヤブなどで群れで生息しています。

ビクーニャは、南アメリカのアンデスの中央部のあたりの標高3000mから5500mの高地に生息しています。
ペルー、アルゼンチン北西部、ボリビア、チリ北部などに棲んでいますが、中でもボリビアに最もたくさんの数が生息しています。
エクアドルにも少数ですがいるようです。

グアナコは、アルパカ、ラマ、ビクーニャより生息域が広いことで知られています。
ペルーやボリビアなどのアンデスの山岳地帯や高地、アルゼンチンのパタゴニア地方や南アメリカ最南端のアルゼンチンとチリによって分割されているティエラ・デル・フエゴ(火の大地)の一部地域を中心に、山岳地帯や高地から開けた草原、低地の高原、平原、海岸線など広い範囲に生息しています。
非常に過酷な環境でも生き残ることができます。
しかし、絶滅の危機に瀕している動物でもあります。
国でいえばアルゼンチン、ボリビア、チリ、パラグアイ、エクアドル、ペルーなどです。

アルパカ、ラマ、ビクーニャ、グアナコの生態

アルパカ
1頭の雄と10頭程度の雌が群れをなす一夫多妻のハーレムを作り群れで生息しています。
妊娠期間は330日程度で、一回のお産で1子を出産します。

ラマ
アルパカと同じで、一夫多妻で、オスはメスとのハーレムを作り群れで生息しています。
妊娠期間は360日程度です。
普通一回のお産で1子を出産します。

ビクーニャ
ビクーニャは1匹のオス、5~15匹ほどのメス、こどもたち、といった感じの家族単位を基本とした群れを作ります。
メスは一回のお産で1子を出産します。
こどもは12~18か月ほどで独立します。

グアナコ
グアナコも、通常は一頭のオスが数頭のメスと子供たちを従えています。
メスは基本的に1年で1頭の子供を産みます。
妊娠期間:は、300から330日程度です。
驚くべきことに、生後 30 分で子供は母親の後を追うことができます。

アルパカ、ラマ、ビクーニャ、グアナコの寿命

アルパカ
飼育下では15年〜20年、野生では5年〜10年程度と言われています。

ラマ
2年〜3年で成熟し、寿命は15年〜20年と言われています。

グアナコ
グアナコの寿命は一般的に20-25年程度と言われています。

アルパカ、ラマ、ビクーニャ、グアナコの食べ物

アルパカ
餌は、草や苔、干し草や樹皮を好んで食べます。
アルパカには3室の胃があります。

リャマ
草や木の葉、苔類などを食べます。
ラマの胃には3つの区画があります。それらはルーメン、センマイ、第四胃と呼ばれます。
胃に4つの区画がある牛のように、ラマも完全に消化するために食物を逆流させ、再び噛む必要があるのです。

ビクーニャ
ビクーニャは主に草を食べて生活しています。
グアナコもそうですが、塩が豊富な石灰石や岩をなめたり、塩水を飲んだりすることもしばしばあります。

グアナコ
草食性で草や低木の葉とつぼみ、多肉植物、サボテン、花などを食べます。
また、着生植物、地衣類、菌類も食べます。
ラクダのように、グアナコは水がなくても数日間は生きられます。
彼らは、水がなくても、霧から水を吸収するサボテンや地衣類など食べる植物から水分を得るのです。

あまり栄養のない劣悪な草などでも栄養素を抽出できるよう3つの部屋の胃を持っています。

唾を吐く

ラマもアルパカも、ラクダと同じように威嚇のために唾を吐きます。
厳密に言うと吐くのは、唾ではなくて吐しゃ物です。

胃液とかも混ざっている胃の内容物なので、とにかく強烈な臭いがします。くさいです。

ラマもアルパカも威嚇のために唾を吐きます。

ラマもアルパカも怖かったり、怒ってたりすると唾を吐く習性があります。

時には蹴ったりすることもあります。

驚かせたり、怒らせないようにしましょう。

まとめ

南アメリカには、ラクダ科の仲間が4種類もいます。
そのうち、一番大きいのがラマで、一番小さいのがビクーニャということになります。

ラマとアルパカの違いがわかるのが、耳です。
ラマの耳は大きく、バナナの形をしていますが、アルパカの耳は先のとがったちいさな耳です。

やわらかいふさふさの毛のアルパカに比べ、やや硬そうな毛がラマ。
グアナコとビクーニャは、背が薄茶色でおなかと脚が白く、白色や黒色や茶色やグレーの毛の色をしたラマやアルパカとは違います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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