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肌色の作り方:水彩絵の具を使って描く肌色の基本【混色】【重色】【単色】

肌の色を描きたいけど、「肌色」の絵の具がない!
絵の具には「肌色」が入っているものと、入っていないものがあります。
メーカーによっても違います。
「肌色」絵具がないとき、どうやって作ればいいのでしょう?

3原色があれば、「肌色」は作ることができます!
でも、「肌色」と一言で言っても、自分にぴったりの「肌色」は人それぞれだと思いませんか。
どんな人を描きたいのか?
鏡で見る自分の肌の色が自分にとっての「肌色」かもしれません。
絵で描く人が赤ちゃんや子どもなのか、大人であっても女性なのか男性なのか。
それによっても色白だったり日焼けしていたりするかもしれません。

この記事では、「肌色」の作り方とコツを紹介します。
絵のテーマや雰囲気によっても「肌色」の表現は変わってきますから、こんなやり方もあるんだと参考にしてください。

肌色を作る難しさ

肌色を作るのが難しいのは、いくつかの要因が関係しています。
人によって肌の色が違うことや、色を混ぜる技術が必要なことがその要因です。
肌色とは、一般的に日本人の平均的な肌の色とされる、淡いオレンジ色のことです。
絵具などで肌色を再現することは簡単ではありませんが、上手に作ることができれば、絵に透明感を与えることができるでしょう。

個人ごとに肌の色が異なるため
肌色を調合する難しさは、日本人の肌の色が一様でないためです。
肌の色は男性と女性で異なり、描きたい対象に応じても色調が異なることがあります。
そのため、単一の色で肌色を表現できないため、肌色の調合が難しく感じられるのです。

色を混ぜなければ肌色は作れないため
肌色は絵具セットを購入しても、すぐに手に入るわけではありません。
肌色に近い色は「うすだいだい色」や「ペールオレンジ」といった名前で販売されていますが、塗りたい特定の色を作るには、色を混ぜ合わせる必要があります。
どの色とどの色を混ぜるべきか分からない人にとって、肌色を調合することは難しいと感じられるのです。

透明水彩絵の具での肌色の作り方【混色】

水彩絵の具、アクリル絵の具、色鉛筆など、肌色を作る方法はそれぞれ異なります。
それぞれの調合方法を詳しく説明します。
肌色の作成に役立ててみてください。

【混色】の美しさを引き出すコツ

水彩画で肌の色を描くときに注意したいことは、絵の具の色を調合して肌の色を作る【混色】のときに、色がくすんでしまわないようにすることです。

絵の具を混ぜるときに色がくすんでしまうことはよくあります。
一度、くすんでしまったらもうきれいな色は作れませんので、最初に透明感のある明るい肌の色を作ってから目指す肌の色に近づけていくという手順がおすすめです。

明るい肌の色を作りたいときも、少し暗めの大人っぽい肌の色を作りたいときも、透明感のある明るい肌の色の作り方のコツを覚えておくことは重要です。

絵の具を混ぜるときは、色相が近い色同士を選ぶと良いでしょう。
色相が離れた色を3種類以上混ぜると、色がくすんでしまいます。
たとえば、赤と青の2色だけで混ぜると、鮮やかな紫色になりますが、そこに色相が異なる黄色を加えると、色がくすんでしまいます(彩度が下がる)。
くすむというのは、彩度が低くなるということです。
ですから、最初に2色だけで明るく透き通った「肌色」を作り、その後で必要に応じて、3色目を少しずつ足して理想の「肌色」に近づけるという2段階の混合法がおすすめです。

【混色】で肌色をつくる

①肌の色合いを作る【赤と黄の混合】+ 細かい調整【茶】
「赤と黄を混ぜると肌の色合いができる」
肌の色合いを作るには、赤色と黄色の絵の具を合わせます。
水を加えると明るさが変わります。
赤色の絵の具は、オレンジ色のものを使うと調整がしやすくなります。
茶色の絵の具を少量加えると、日に焼けた小麦色の肌も作ることができます。

②肌の色の基本【赤と黄】+ 必要に応じて微調整【青】
「赤と黄と青で肌の色を作る」
最初に、赤色と黄色の絵具を混ぜ合わせて肌の色の基本を作ります。
水の量で明るさを変えます。
この時の赤色の絵具は、オレンジ色の絵具でも代用できます。
オレンジ色の方が調整しやすいかもしれません。
次に青色(または緑色)を少量ずつ加えて色味を変えます。
青色は彩度を落とす効果があります。
逆光や影になった部分の肌の色を作ることができます。
このように影の部分の肌の色がうまく作れると立体感が増して顔の凹凸や明るい日差しを表現することができます。

③基本の肌色【茶+白】+ 赤みの調整【赤】
「茶色と白色と赤色で肌色を作る」
最初に、茶色の絵の具に白色を加えて基本的な『肌色』を作ります。
この時の茶色の絵の具は、明るめのイエロー・オーカーなどが適しています。
また、白色を使わないで水を入れて茶色を薄めると透き通った感じの『肌色』になります。
頬などの赤い部分には基本の『肌色』に赤色を少しだけ混ぜて使うと自然なふくらみが出ます。

④基本の肌色【赤+黄】+ 必要に応じて調整【白】
「赤と黄で肌色を作る」
赤色と黄色を合わせてオレンジ色にします。
そのオレンジ色に白色を少しずつ加えて、色の濃淡を変えます。
優しい肌色ができます。
ただし白を混ぜると透明感が減ります。(白は不透明な色で、混ぜると色がくすんでしまいます。)
人物画などで透明感を求める場合は、白は使わずに、水で薄めたオレンジ(赤と黄の混色)で描くことが多いです。
「オレンジと白で肌色を作る」
オレンジ色の絵の具がある場合は、オレンジ色と白色の2色だけで、簡単に作ることができます。

⑤白・桃(ピンク)・若草(黄緑)・レモン・橙(オレンジ)
白を基調に桃色を加え、若草色とレモン色を少しずつ混ぜていきます。
これで完成でも構いませんが、橙色を少し入れると色味が落ち着き、健康的な印象になり、日本人らしい肌色になります。
橙色は桃色とレモン色を混ぜて作れますが、混色の橙色よりも純度の高い橙色をほんの少し足した方が、くすみがなくて明るい肌色になると思いますので、私は橙色も準備しています。
各色の配合の割合を変えると、いろいろな肌色が作れます。
男性や健康的な肌色を作るときは桃色、若草色、橙色の量を多めにします。(原色で作ってもいいと思います。)
女性や色白の肌色を作るときは、白や桃色を多くします。
白人の肌色を作るときは、桃色と若草色を使って、レモン色は入れないか、ほんの少ししか入れません。
橙色も少なめにします。時々水色を少し混ぜることもあります。

混色での肌色作りのポイント

肌の色は人それぞれで、一様ではありません。
ですから、肌の色を作るときには、いくつかのコツがあります。

暗い肌の色にするには青を使う
暗い肌の色を表現したい場合は、黒ではなく青を混ぜると良いでしょう。
黒は目立ちすぎて、自然な感じになりません。

黒を入れると、暗い肌の色というより「焦げ茶色」に見えてしまいます。

明るく透明感のある肌にするには水で薄める
明るく透明感のある肌を描きたい場合は、白で色を明るくするのではなく、水で薄めると効果的です。
透明水彩絵の具でない場合は、水は少量で、塗ります。
透明水彩絵の具の場合は、白を使わないで、水で濃度を調整するのが基本です。

透明水彩絵の具以外での肌色の作り方

アクリル絵の具で肌色を作る

アクリル絵の具は、通常「アクリルガッシュ」と「アクリルカラー」の2つのタイプがあります。アクリルガッシュは不透明な絵の具で、カバー力が高いため、下地の色を隠すことができます。一方、アクリルカラーは透明感のある水彩画のような絵を描きたい場合に適しています。肌色を作成する際には、「赤色」と「黄色」を混ぜ、必要に応じて「白色」を加え調節して肌色を作ることができます。また、白色を使用せずに水を混ぜて肌色を調整することも可能です。水を加える場合は、少量ずつ混ぜてください。

ポスターカラーで肌色を作る

ポスターカラーは、透明度が低く、発色が良い絵の具です。水彩絵の具と同じ色を同じように混ぜて肌色を作ることができます。ポスターカラーは、塗りムラが少なく、乾いたら上から重ね塗りすることができます。水彩絵の具と違って水を多く加えるとムラになりやすいので、注意しましょう。マットな質感に仕上げたい場合にもポスターカラーは適しています。

油性ペンで肌色を作る方法

油性ペンで肌色を作るには、赤と黄色を混ぜてオレンジ色を作り、除光液を使ってにじませて肌色を作ります。オレンジ色の作り方は、水彩絵の具と同じですが、青色は使わずに除光液を使うことがコツです。

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透明水彩絵の具での肌色の作り方【重色】​

肌色を直接塗るのではなく、いくつかの異なる色を重ねて、最終的に肌色を表現する方法も存在します。
この方法は、透明度の高い絵の具を使用する際に特に有効です。
異なる色の層を重ねて、下の色が透けて見えるように上の色と重なり合うことで、肌の色調を再現します。
既存の肌色の絵の具や混色によって作成された肌色を使用する場合、一色を使用して均一でマットな肌仕上げを達成することができます。
しかし、重色法では複数の色を重ねるだけでなく、ぼかしやにじみのような濃淡の効果を重ねることもできるため、透明感のある立体的な肌を描くのに適しています。

【重色】で肌色をつくる

肌というのは皮膚の下の血管や顔の凹凸による影や赤みなど色々な色が重なっているので写実的な表現には【重色】が適していると思います。
薄い色を重ねて塗っていく【重色】の方法を使うと滑らかで自然な肌を描けます。
一方、前の章で紹介した【混色】の方法では、作った色を一気に塗ると活き活きとした動きのある肌を表現できます。
【混色】と同じ絵の具を使っても絵の具を混ぜないで1色ずつ重ねて塗るのが【重色】です。
透明水彩では単に色を重ねるだけでなく、1色ごとに色の濃さやぼかしの効果なども出せるのでそれらが何層にも重なった様子は本当に素晴らしいです。
是非透明水彩特有の重色の方法もマスターしてみてください。

美しい【重色】を目指して
【重色】では違う色のセロハン紙を重ねる感じで、下に塗った色と上の色とが重なって最終的な色が決まります。
ここは透明水彩の難しいところでもありおもしろいところでもありますが、最終的な色を先に想像しながら1色1色を置いていくことになります。
また下の色を塗った後に紙が濡れている状態で上の色を塗ると紙の上で2つの色は【混色】して美しい【重色】にはなりません。

【重色】できれいに塗り重ねるためには1色塗ったら乾くまで次の色は塗らないで待つことが大切です。
乾く時間が必要なので時間がかかりますが、このように丁寧に色を重ねることで透明感のあるとても美しい色の調和が表現できます。

肌色専用の絵の具

肌色を作成する方法の最後の一つは、画材店や文房具店で自分が描きたい肌色に近い絵の具を購入することです。
絵の具は個別に購入できます。

画材店には、多くの種類の肌色がありますので、自分の目で確かめてみると良いでしょう。
市販の絵の具は、高品質な製法で作られているので、自分で色を混ぜて作るよりも鮮やかな発色が期待できます。

また、自分で色を混ぜると毎回同じ色にならないことがありますが、市販の絵の具ならば安定した色味を保つことができます。
大きな作品を描くときにたくさんの絵具がいるときや混色などをする時間がないときには、市販の肌色の絵の具があると便利です。

もちろん、市販の絵の具をベースにして、自分好みに色を調整することも可能です。その場合は、市販の肌色の絵の具を基本色として使うと良いでしょう。

肌の色はどの色の名前で買えばいい?

お店で販売されている水彩画用の絵の具で、肌の色はどの色の名前で買えばいいのでしょうか?

メーカーによって色の名前は異なりますが、水彩画用の絵の具で人気のあるメーカーのホルベインでは、「ジョーン ブリヤン」が一般的に肌の色に似ている色として知られています。
他のメーカーでも肌の色に似た色がありますので、購入するときには、薄橙色やショーンオレンジといった色を探してみてください。

ジョーンブリヤンなど追加で準備した絵の具の色は、混ぜて作る肌の色よりも、鮮やかに見えます。

【透明水彩】
各メーカー【ホルベイン/クサカベ/ターナー/シュミンケ/ミジェロ/まっち他】
メーカーによってもジョンブリアンとかフレッシュチントとか、いろいろな表記があります。

ホルベイン ジョーンブリヤンNO.1
ターナー ジョンブリアン(イエローシェード)
吉祥 肌色
White Nights peach

クサカベ ジョンブリアン
Roman Szmal Flesh tint
Roman Szmal Flesh tint(Caucasian)
Old Holland Flesh tint
まっち はだいろ

ホルベイン ジョーンブリヤンNO.2
ターナー ジョンブリアン(レッドシェード)
シュミンケ ネイプルスイエローレディッシュ
Van gogh

ミジェ ロジョンブリアンNO.1
ミジェロ ジョンブリアンNO.2
クサカベ コーラルレッド
Roman Szmal Naples Yellow Reddish
春蔵 ジョンブリアンNO.1
春蔵 ジョンブリアンNO.2

1色でリアルな肌を描く方法

1色だけでも驚くほど多くの表現が可能です。
絵の具の濃度は水の量によって調整できます。絵の具を薄くするためには、水を多く使うことで明るい色を表現できます。
つまり、1色の濃淡だけで立体的な表現が可能です。
これはモノクロ写真のようなイメージに似ています。
モノクロ写真は黒と白の濃淡だけで構成されていますが、それだけで立体感のある表現が可能であることが分かります。

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透明水彩絵の具の肌色の作り方に関するまとめ

「肌色」の絵の具を購入することで、安定した色を即座に使用でき、大変便利です。
混色​のコツは、2色を使用して基本の「肌色」を作成することです。

一方、重色​を使用して "つや肌" を描く場合、十分な水を使用し、丁寧にぼかしながら塗り、完全に乾燥させた後に塗り重ねるのがポイントです。

肌色を作成する際に配合を工夫し、自分の好みや描きたい肌色に合わせて実験してみることをお勧めします。
他の色を試してみて、微調整を行ってみることで、あなた独自の肌色を見つけることができるでしょう。

また、具体的な絵によっては紫や緑の微調整も効果的かもしれません。
肌の色を変えるだけで、絵の魅力が向上し、多彩な表現が可能になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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