以前に注目された「ウーパールーパー」。
最近再び人気がありますね。
ペットショップで見られますが、「ウーパールーパー」は「アホロートル」とどう違うのでしょうか。
この記事では、「アホロートル」と「ウーパールーパー」の違いについて詳しく解説します。
「メキシコサラマンダー」とはも併せて解説します。
「アホロートル」とは?
「アホロートル」とは、メキシコが原産地のサンショウウオの一種である「メキシコサラマンダー」のスペイン語における地元の呼び名です(メキシコの公用語はスペイン語)。
古代アステカ語からきた呼び名で「水の妖精」や「水の双生児」を意味します。
広義では、トラフサンショウウオ科に属するサンショウウオの幼生時の特徴を成熟しても保持する幼形成熟個体全般を指し、アンダーソンサラマンダーなど他の幼形成熟種も含まれます。
「ウーパールーパー」とは?
「ウーパールーパー」とは、日本における「メキシコサラマンダー」の流通名や愛称です。
1980年代に初めて日本に導入された際、当初は「スーパールーパー」という商標名で登録しようとしましたが、当時「スーパー」を冠する商標が多く審査に時間がかかることから、一文字変えて「ウーパールーパー」として商標登録されました。
1985年には、日清食品の「カップ焼そばU.F.O」のCMで広く知られ、以来日本国内では「ウーパールーパー」と呼ばれていますが、他の国では通用しません。
「メキシコサラマンダー」とは?
「メキシコサラマンダー」とは、有尾目トラフサンショウウオ科トラフサンショウウオ属に属する両生類で、和名は「メキシコサンショウウオ」です。
メキシコが原産地で、野生の個体は主にメキシコ市近くのソチミルコ湖周辺にのみ分布しています。
他のサラマンダーとは異なり、一生を水中で過ごします。
まれに成体が水上に上がることもありますが、ほとんどはソチミルコ湖と周辺の運河にとどまります。
この種は、外鰓(エラ)を残したまま成体に成熟する幼生時の特徴を成熟しても保持するという珍しい特性を持っています。
これは「ネオテニー」または「幼形成熟」と呼ばれ、体の大半を占める尾や頭の後ろから生える羽状のエラを含む状態を指します。
水の温度が低い環境や水中のヨウ素不足が、幼形成熟の理由とされています。
このサラマンダーはタイガーサラマンダーの仲間であり、体長が30センチに達する個体もいますが、一般的な大きさは約15センチです。
体の色は黒や茶色のまだら模様が主流ですが、アルビノや白色系も見られます。
「メキシコサラマンダー」の寿命は長く、15年以上生きる個体もいます。主な食物は軟体動物、ミミズ、幼虫、甲殻類、魚などです。
かつては天敵がいなかったが、湖に大型の魚が放たれたことでそれが天敵となりました。
また、サギなどの捕食性の鳥も「メキシコサラマンダー」にとっては脅威です。
ソチミルコ湖の汚染が増加し、メキシコ市からの排水が増えたことで、「メキシコサラマンダー」の数は減少しています。
ペットとしての需要が高まっており、焼いた「メキシコサラマンダー」が珍味とされていることも、この種の減少に拍車をかけており、現在では絶滅が危ぶまれワシントン条約によって保護されており、輸出が禁止されています。
メキシコサラマンダー(アホロートル)(ウーパールーパー)
Ambystoma mexicanum(Axolotl)
分類 両生類 有尾目 アンビストマ科
和名 メキシコサンショウウオ
体長 最大 30 センチ
体重 60 ~ 227 グラム
分布 メキシコ
IUCNのレッドリストによる危機の評価 近絶滅種
幼生(子供)のままで大人になってしまう変わったサンショウウオ。
本来は黒色~暗灰色ですが、飼育下で、アルビノや黄色などの系統が生み出されています。
まとめ
「アホロートル」と「ウーパールーパー」は同じ生き物を違った呼び方です。
「アホロートル」は「メキシコサラマンダー」のスペイン語による現地での呼び方です。
そして、「ウーパールーパー」は日本における「メキシコサラマンダー」の商品名・愛称です。
日本では「ウーパールーパー」と覚えておけば、水中で生きる幼形成熟の生物を指すことが理解しやすくなります。
最後までご覧いただきありがとうございました。