紫蘇(しそ)は、葉っぱだけでなく、花や実も食べられることをご存じでしょうか。
家庭菜園で育てている紫蘇に小さな花が咲き始めると、「花も食べられるの?」「花が咲いた後の大葉はもう食べられない?」と気になることがありますよね。
実は、紫蘇の花も実も食べられます。
刺身に添えられている小さな紫色の花も、料理の飾りだけではありません。香りを楽しむ薬味として使うことができます。
紫蘇は成長するにつれて、葉、花穂、実と、さまざまな部分を食材として利用できる植物です。
この記事では、紫蘇の花の食べ方をはじめ、花穂紫蘇と穂紫蘇の違い、美味しい調理方法、収穫時期、保存方法までわかりやすく解説します。
紫蘇(しそ)の花は食べられる?
紫蘇の花は食べられます。
紫蘇は葉を薬味として使うイメージが強いものの、小さな花にも独特の爽やかな香りがあり、料理の彩りや風味付けに利用されています。
特に和食では、刺身のつまや天ぷら、薬味として使われることがあります。
紫蘇の花が咲いたからといって、捨ててしまう必要はありません。
家庭菜園で育てている場合も、食用として管理してきた紫蘇であれば、花や未熟な実を収穫して料理に活用できます。
ただし、観賞用として販売されている植物や、食用に適さない農薬を使用したものは食べないようにしてください。
紫蘇の花の味と香りの特徴
紫蘇の花には、葉と同じように爽やかな香りがあります。
葉と比べると香りが穏やかに感じられることもあり、料理の味を大きく変えずに風味を添えられるのが魅力です。
花の開き具合や収穫時期によって、食感や香りには違いがあります。
若くてやわらかい花穂は、刺身や冷奴などの薬味に向いています。一方、花が終わって未熟な実ができた穂紫蘇は、プチプチとした食感も楽しめます。
ほんの少し添えるだけでも、普段の料理に季節感を加えられる食材です。
花穂紫蘇と穂紫蘇の違いとは?
紫蘇の花について調べていると、「花穂紫蘇(はなほじそ)」や「穂紫蘇(ほじそ)」という名前が出てきます。
どちらも紫蘇の穂を利用する食材ですが、収穫するタイミングが異なります。
花穂紫蘇(はなほじそ)とは?
花穂紫蘇は、紫蘇の穂に小さな花が咲き始めた段階で収穫したものです。
一般的には、穂全体の3割程度の花が開いた状態が収穫の目安とされています。
細長い軸に小さな花が並び、白色や薄紫色の花が美しいのが特徴です。
刺身のつまや料理のあしらいとして使われ、見た目だけでなく紫蘇特有の香りも楽しめます。
特に、赤紫色の花が美しい「豊橋花穂」は、愛知県豊橋市周辺の特産品として知られています。
穂紫蘇(ほじそ)とは?
穂紫蘇は、花が散った後、実がまだ未熟な段階で収穫した紫蘇の穂です。
小さな実が軸に並んでいるのが特徴で、花穂紫蘇とは収穫時期が異なります。
未熟な実は香りがよく、プチプチとした食感も楽しめます。
刺身のつまに使われるほか、実を軸から外して醤油の香り付けにしたり、穂ごと天ぷらにしたりする食べ方があります。
なお、日常的には花穂紫蘇も含めて「穂紫蘇」と呼ばれることがありますが、食材として区別する場合には花が咲いているかどうかがポイントになります。
紫蘇の花・花穂紫蘇・穂紫蘇・実紫蘇の違い
それぞれの特徴を整理すると、次のようになります。
| 名称 | 状態 | 主な使い方 |
|---|---|---|
| 紫蘇の花 | 紫蘇に咲く小さな花 | 薬味・料理の彩り |
| 花穂紫蘇 | 花が咲き始めた穂 | 刺身のつま・料理のあしらい |
| 穂紫蘇 | 花が終わり、未熟な実が付いた穂 | 醤油の香り付け・天ぷら |
| 実紫蘇 | 実を利用する段階 | 塩漬け・佃煮・薬味 |
このように、紫蘇は葉だけでなく、花が咲いてから実になるまで食材として楽しめます。
花穂紫蘇と穂紫蘇の違いは、花を楽しむ段階か、未熟な実を楽しむ段階かと覚えておくとわかりやすいでしょう。
紫蘇の花・穂紫蘇の食べ方と下処理
紫蘇の花や穂紫蘇は、難しい調理をしなくても食べられます。
刺身に添えたり、冷奴に散らしたり、醤油漬けにしたりと、使い方はいろいろあります。
ただし、穂の軸は硬いことがあるため、料理によっては花や実だけを取り外して使うのがおすすめです。
刺身に添えられた紫蘇の花の食べ方
刺身の横に、小さな紫色の花が付いた細長い穂が添えられていることがあります。
これは花穂紫蘇と呼ばれる食材です。
「飾りなのかな?」と思われがちですが、花も食べることができます。
食べ方は簡単です。
- 花穂紫蘇の軸を指で持ちます。
- 箸などで小さな花をやさしく外します。
- 外した花を刺身醤油に散らします。
- 刺身と一緒にいただきます。
紫蘇の爽やかな香りが醤油に加わり、刺身の味わいにアクセントを添えてくれます。
花をすべて外す必要はなく、好みに合わせて少量ずつ使ってもかまいません。
軸は硬い場合があるので、無理に食べず、花の部分を楽しむとよいでしょう。
紫蘇の花や穂紫蘇の下処理方法
家庭菜園で収穫した紫蘇の花や穂紫蘇は、料理に使う前に汚れや虫が付いていないか確認しましょう。
基本的な下処理は次のとおりです。
- 穂の状態を確認し、傷んだ部分を取り除きます。
- 水でやさしく洗います。
- キッチンペーパーなどで水気を取ります。
- 料理に応じて、穂ごと使うか、花や実を外します。
花は繊細なので、強くこすると崩れることがあります。
天ぷらにするときは、穂の形を残したまま使うと見た目も楽しめます。
花や実を軸から外す方法
花や実だけを使いたい場合は、穂の先端を片手で持ち、もう一方の手で軸に沿ってやさしくしごきます。
花や未熟な実が軸から外れるので、必要な量だけ取り分けて使いましょう。
穂紫蘇の実は、指でしごくと比較的簡単に外せます。
ただし、花が開いたばかりの繊細な花穂は崩れやすいため、箸などを使って少しずつ外すと扱いやすくなります。
冷奴や納豆、ご飯にも使える
紫蘇の花や穂紫蘇は、特別な料理だけに使うものではありません。
身近な食材にもよく合います。
例えば、次のような使い方があります。
- 冷奴に花を散らして薬味にする
- 納豆に未熟な実を混ぜる
- 卵かけご飯に少量添える
- 味噌や梅肉と和える
- そうめんや冷たい麺類の薬味にする
- 炊きたてのご飯に醤油漬けを添える
紫蘇の風味を楽しみたいときは、まず少量から試してみるとよいでしょう。
紫蘇の花を使ったおすすめレシピ
紫蘇の花や穂紫蘇を手に入れたら、ぜひ料理にも使ってみましょう。
ここでは、家庭でも作りやすい醤油漬けと天ぷらを紹介します。
穂紫蘇の醤油漬け
穂紫蘇の醤油漬けは、紫蘇の香りをご飯や冷奴と一緒に楽しめる食べ方です。
材料
- 穂紫蘇:5本ほど
- 醤油:大さじ2
- みりん:小さじ1
作り方
- 穂紫蘇をやさしく洗い、水気をしっかり取ります。
- 軸から未熟な実をしごいて外します。
- みりんを加熱してアルコールを飛ばし、冷まします。
- 清潔な容器に実、醤油、みりんを入れます。
- 冷蔵庫で半日から1日ほど置き、味をなじませます。
できあがった醤油漬けは、白ご飯、冷奴、焼き魚などの薬味に使えます。
なお、この作り方は長期保存用ではありません。必ず冷蔵し、清潔な箸やスプーンで取り分け、早めに食べきってください。
紫蘇の花の天ぷら
紫蘇の花や穂紫蘇は、天ぷらにしても楽しめます。
衣を薄く付けて揚げると、紫蘇ならではの香りと、軽い食感が楽しめます。
材料
- 紫蘇の花穂または穂紫蘇:適量
- 天ぷら粉:適量
- 冷水:適量
- 揚げ油:適量
- 塩:お好みで
作り方
- 花穂や穂紫蘇を洗い、水気を十分に拭き取ります。
- 天ぷら粉と冷水で薄めの衣を作ります。
- 花穂や穂紫蘇に衣を薄く付けます。
- 170℃前後の油で様子を見ながら短時間揚げます。
- 油を切り、お好みで塩を添えます。
花穂は小さく繊細なので、衣を厚く付けすぎないことがポイントです。
また、水分が残っていると油がはねることがあるため、揚げる前にしっかり水気を取ってください。
揚げたてを塩でいただくと、紫蘇の香りを楽しめます。
花が咲いた大葉は食べられる?
家庭菜園で育てている大葉に花が咲くと、「もう葉は食べられないのかな?」と気になるかもしれません。
紫蘇に花が咲いた後でも、葉は食べられます。
花が咲いたからといって、葉そのものが食用に適さなくなるわけではありません。
ただし、株が成熟すると葉が硬くなったり、若い葉と比べて食感や香りが変化したりすることがあります。
葉が硬くなってきた場合は、生で食べるよりも加熱調理に使うと食べやすくなります。
例えば、次のような使い方ができます。
- 刻んで炒め物に加える
- 天ぷらにする
- 細かく刻んで混ぜご飯に使う
- 加熱してふりかけにする
また、花が咲き始めたら、葉だけでなく花や穂を収穫して楽しむのもおすすめです。
紫蘇は成長段階によって利用できる部分が変わるため、それぞれの特徴に合わせて料理に取り入れるとよいでしょう。
ちなみに、「大葉」とは一般的に青紫蘇の葉を食用として呼ぶ名前です。
詳しくは、大葉とシソ(紫蘇)の違いを解説した記事でも紹介しています。
紫蘇の花の咲く時期と収穫の目安
紫蘇の花は、一般的な露地栽培では夏の終わりから秋にかけて咲きます。
ただし、品種や地域、栽培環境によって開花時期は変わります。
花穂紫蘇や穂紫蘇を収穫したい場合は、日付だけでなく、花や実の状態を見て判断することが大切です。
紫蘇の花はいつ咲く?
紫蘇は、昼の時間が短くなってくると花芽を付けやすくなる、短日性の植物です。
一般的な家庭菜園では、8月下旬から10月ごろにかけて花が見られることがあります。
紫蘇の穂には小さな花がいくつも並び、下のほうから順番に咲いていきます。
青紫蘇には白っぽい花が多く、赤紫蘇には薄紫色や赤紫色の花が見られます。
花が終わると、やがて小さな実ができます。
花穂紫蘇と穂紫蘇の収穫時期
花穂紫蘇と穂紫蘇では、収穫に適した状態が異なります。
花穂紫蘇を収穫する場合
穂の花が3割程度咲き始めたころが、一つの目安です。
花がまだやわらかく、刺身のつまや料理の彩りとして利用しやすい状態です。
穂紫蘇を収穫する場合
花が散った後、小さな実ができ、まだ未熟でやわらかいうちに収穫します。
実が硬くなりすぎる前に収穫すると、食感や香りを楽しめます。
収穫時期を逃すと実が成熟して硬くなるため、穂の状態をこまめに確認しましょう。
家庭菜園での摘心と栽培の注意点
紫蘇を家庭菜園で育てている場合、葉を長く収穫したいのか、花や実を楽しみたいのかによって管理方法が変わります。
葉をたくさん収穫したいときには、摘心(てきしん)という方法があります。
摘心とは、茎の先端を摘み取って脇芽の成長を促す作業です。
株の成長段階に合わせて摘心することで、枝数を増やし、葉の収穫量を増やすことが期待できます。
一方、花や穂紫蘇を収穫したい場合は、花芽をすべて摘み取らず、一部を残して育てましょう。
花を咲かせた後に実を成熟させれば、翌年の栽培用に種を採ることもできます。
葉を楽しむか、花や実を楽しむかによって育て方を工夫できるのも、紫蘇の魅力です。
紫蘇の花の保存方法
紫蘇の花や穂紫蘇は繊細で、収穫後はしおれたり香りが弱くなったりしやすい食材です。
できるだけ新鮮なうちに使うのが理想ですが、すぐに食べられない場合は冷蔵や冷凍で保存できます。
冷蔵保存の方法
花穂紫蘇や穂紫蘇を冷蔵保存するときは、乾燥を防ぐことがポイントです。
- 傷んだ部分を取り除きます。
- 湿らせたキッチンペーパーでやさしく包みます。
- 保存容器や保存袋に入れます。
- 冷蔵庫の野菜室などで保存します。
水分が多すぎると傷みの原因になるため、ペーパーは軽く湿らせる程度にしましょう。
保存期間は鮮度や保存状態によって異なりますが、購入・収穫後はできるだけ早く使いきることをおすすめします。
変色やぬめり、異臭がある場合は食べないでください。
冷凍保存はできる?
紫蘇の花や穂紫蘇は、冷凍保存することもできます。
ただし、解凍すると花の形や食感が変わりやすいため、刺身のつまや生の飾りとしては向きません。
冷凍するときは、次のように保存します。
- 花や未熟な実を軸から外します。
- 洗った後、しっかり水気を取ります。
- 使いやすい量に小分けします。
- 冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍します。
使うときは、凍ったまま炒め物や汁物などの加熱料理に加えると便利です。
冷凍しても香りや品質は少しずつ変化するので、長期間保存せず、早めに使うようにしましょう。
紫蘇の花の栄養について
紫蘇は、葉にβ-カロテンやビタミン、ミネラルなどが含まれることで知られています。
また、紫蘇特有の爽やかな香りには、ペリルアルデヒドなどの香り成分が関係しています。
ただし、紫蘇の葉と花では成分の含有量が同じとは限りません。
花や穂紫蘇は薬味として少量を食べることが多く、食べることで特定の病気を予防したり、アレルギー症状が改善したりするとはいえません。
紫蘇の花は、健康効果だけを期待するものではなく、香りや彩り、食感を楽しむ食材として取り入れるのがよいでしょう。
紫蘇の葉に含まれる栄養素については、しそ(紫蘇)・大葉の栄養素を紹介した記事でも詳しく紹介しています。
花穂紫蘇を料理に使ってみたい方へ
刺身に添えられている花穂紫蘇は、楽天市場などでも食用として販売されています。
小さな花が料理に彩りを添えてくれるので、自宅で刺身を盛り付けるときや、和食を楽しみたいときにもおすすめです。
近くのスーパーで見つからない場合は、通販で探してみるのもよいでしょう。
穂紫蘇で醤油漬けや天ぷらを楽しむ
紫蘇の未熟な実が付いた穂紫蘇も、食材として販売されています。
家庭菜園で育てていなくても、穂紫蘇を使った醤油漬けや天ぷらを楽しめます。
購入するときは、花が咲いている「花穂紫蘇」ではなく、未熟な実を利用する「穂紫蘇」であることを確認しましょう。
まとめ|紫蘇の花は食べられる!
花も実も料理に活用しよう
紫蘇は葉だけでなく、花や実も食べられる植物です。
花が咲いたからといって捨てる必要はなく、成長段階に合わせていろいろな料理に利用できます。
今回のポイントをまとめます。
- 紫蘇の花は食べられ、刺身のつまや薬味、天ぷらなどに使える
- 花穂紫蘇は、小さな花が咲き始めた穂のこと
- 穂紫蘇は、花が終わった後、未熟な実が付いた穂のこと
- 刺身に添えられた紫蘇の花は、軸から外して醤油に散らして食べられる
- 花が咲いた後の大葉も食べられるが、硬くなった葉は加熱調理がおすすめ
- 収穫時期は花や実の状態を見て判断する
- 保存は乾燥を防いで冷蔵し、できるだけ早く使いきる
紫蘇の花は、料理の脇役と思われがちですが、小さな花にも独特の香りと魅力があります。
庭やプランターで育てている紫蘇に花が咲いたときは、葉だけでなく、花や未熟な実も料理に活用してみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました。