薬味の定番「しそ(紫蘇)」、実はただの添え物じゃないってご存じでしたか?
小さな葉っぱに見えて、実は抗酸化・免疫力アップ・アレルギー対策・美肌効果まで…まさに“食べる栄養パック”なんです。
「しそって緑黄色野菜なの?」「栄養ってどれくらいあるの?」「妊娠中でも食べていいの?」など、意外と知られていないしその実力を、わかりやすく、そしてちょっとユーモアも交えて解説していきます!
この記事を読めば、あなたもしそを冷蔵庫の脇役から食卓のヒーローに昇格させたくなるはず。「あ、あのしそ、めっちゃ有能だったわ…!」と驚く準備、いいですか?
それでは、詳しく見ていきましょう!
しそは緑黄色野菜なの?
「しそって薬味でしょ?」「そもそも野菜なの?」と思った方、それ正直で素敵です(笑)。
でも、実はしそ、大真面目に立派な緑黄色野菜なんです。
しそ(大葉)は、βカロテンの含有量が多いため、厚生労働省の定義に基づいても緑黄色野菜に分類されます。
薬味としてちょこんと添えられている姿からは想像できませんが、見た目に反して栄養は超優等生。ほんの数枚でもその存在感、
なかなかのものなんです。
少量でも栄養価が高く、「目立たないけどデキるやつ」。それがしそなんですね。
緑黄色野菜の定義とは
「緑黄色野菜って名前は聞いたことあるけど、どういう基準で決まってるの?」という方に、ここでちょっとした豆知識を。
緑黄色野菜とは、可食部100gあたりβカロテンを600μg以上含む野菜と定義されています。
つまり、色が濃いとか見た目の話じゃなくて、栄養の中身の問題なんですね。
代表的な緑黄色野菜といえば、にんじん・ほうれん草・ピーマン・ブロッコリーなど。そしてしそも、しっかりこの仲間入りを果たしています。
ちなみに、見た目が緑でも「レタス」や「きゅうり」はβカロテンが少ないため、緑黄色野菜には入りません。
なんとなく色で決めてた〜という方、ここでスッキリ整理できましたね♪
シソ(紫蘇)
シソは、中国南部が原産地です。
日本でも1000年くらい前の平安時代から本格的に栽培が始められたといわれています。
シソには品種があります。
基本の品種はチリメンジソ。葉は両面とも赤色でやや縮れています。
カタメンジソは葉の表は緑色ですが、裏は赤色です。
赤ジソは、全体に赤紫色をしていて、葉の両面とも赤色です。
青ジソは、葉の両面とも緑色をしています。青じその葉が大葉として利用されています。
通常、食材に利用されているのが青ジソと赤ジソです。
青ジソと赤ジソのどちらのシソも葉っぱだけでなく芽や花も利用できます。
青じその双葉(青芽(あおめ))や
赤じその双葉(紫芽(むらめ))のような発芽まもないものを芽紫蘇(メジソ)。
青芽、紫芽ともに刺身のつまや薬味に使います。
伸びた穂先には下から花が咲きます。
花が3割ほどつけたものを花穂紫蘇(ハナホジソ)。
薄紫色の色合いがきれいで、刺身のつまや料理のあしらいに使われます。
花が落ちた後、実が未熟なうちに穂先を収穫したものが穂紫蘇(ホジソ)です。
刺身につまとして添えます。
また、実をしごいて醤油の香りづけに利用します。

大葉はシソの中の青ジソの葉っぱです。
これについては別の記事にまとめています。
よかったら読んでください。
シソの栄養素とは
シソの栄養素をみてみましょう。
シソは、赤いアントシアン系色素(シソニン)が有るかないかによって、
赤ジソ系と青ジソ系に分けられます。
カロチンが赤じそに少ないほかは、青ジソと赤ジソの成分はほぼいっしょですが、
栄養価が高いのは青ジソ、薬効があるのは逆に赤ジソだと言われています。
シソは、古くから薬用として広く用いられてきました。
シソは、β-カロテンが大量に含まれるほか、ビタミンB群のうちB1、B2、B6、ビタミンC、E、Kも多く、ナイアシンも含みます。
しかも、β-カロテンは体内でビタミンAに変換されますから、そのほかに含まれるとあわせると、主なビタミン群がすべて豊富に含まれるといっていいででしょう。
また、他の多くの野菜と比べても、β-カロテン、カルシウム、ビタミンB1は、多く含まれています。
そのほか、ミネラル分も豊富で、代表的なカルシウムに加えて鉄分、カリウム、マグネシウム、亜鉛なども豊富です。
人体に必要な成分のほとんどが、シソだけで十分足りてしまいそうです。
また、香り成分などにはペリルアルデヒド(シソアルデヒド)、ロズマリン酸、ルテオリン、さらにα-リノレン酸なども含まれています。
シソの代表的な栄養・成分(100gあたり)
カロリー・・37kcal
脂質・・0.1g
タンパク質・・3.9g
食物繊維・・7.3g
ビタミン
β-カロテン・・11000μg
ビタミンB1・・0.13 mg
ビタミンB2・・0.34 mg
ナイアシン・・1.0 mg
ビタミンB6・・0.19 mg
ビタミンC・・26mg
ビタミンE・・3.9mg
ビタミンK・・690 µg
ミネラル
カルシウム・・230mg
カリウム・・500mg
マグネシウム・・70mg
鉄分・・1.7mg
亜鉛・・1.3mg
含まれる栄養素は文部科学省の「食品成分データベース」

シソの効能
シソは、昔、若者が蟹を食べて食中毒になり死にかけた時に、シソの薬草を煎じて飲ませたところ、回復したとか、蟹を食べて食中毒になり死にかけた子どもに、紫のシソの葉を食べさせたところ回復したため、この草を紫の蘇る草ということで「紫蘇(シソ)」と呼ぶようになったと伝えられています。
薬草なのです。
シソの抗菌作用
シソの爽やかな香り成分は、ペリルアルデヒドやリモネン、ピネンなどです。
中でもその成分の半分以上を占めるペリルアルデヒドはシソアルデヒドとも呼ばれ、ポリフェノールで強い抗菌作用・防腐効果があります。
昔から、刺身のつまや料理のあしらい、薬味に使われるのはこの抗菌作用があるためです。
シソの食欲を促し、消化を促進する効果
このペリルアルデヒドは、抗菌作用により食中毒を予防するほか、胃の消化酵素の分泌を促し、これにより食欲を増進させて胃の調子を整える作用もあります。
天ぷらの中にほぼ、必ず大葉が入っているのも、食欲低下を防ぐためなんです。
シソの老化予防、生活習慣病予防やがん抑制
青ジソにはβ-カロチンが豊富に含まれています。
その量は野菜の中でもトップクラスで、含有量はシソの葉100gあたり11,000μg。
にんじん(9100μg)とほぼ同程度で、かぼちゃのなんと10倍以上もあります。
このβ-カロテンには抗酸化作用が期待できます。
抗酸化をすることで、老化予防(エイジングケア)、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防効果が期待できるのです。
がんの予防にも効果があるといわれています。
また、シソには若返りビタミンと呼ばれているビタミンEも含まれており、β-カロテンとダブルの効果で抗酸化が期待できます。
シソにはビタミンCも豊富で、ビタミンCにもがん予防作用があります。
赤シソの色素成分アントシアニンにも、シソニンが含まれ、強い抗酸化作用により、細胞の酸化を防ぎ、がん予防や老化防止効果と関連があることが期待されています。
シソの抵抗力・免疫力を高める効果
βカロチンは体内でビタミンAに変わり、
皮膚や粘膜を保護し、抵抗力を高める働きがあります。
これによりウィルスの進入を防いで風邪などの予防等につながります。
免疫力が高まると言えるでしょう。
ビタミンAは、それに加えて、目の健康を保つ効能もあるため、
眼精疲労はもちろん、夜盲症などの改善にも効果が期待できます。
シソのアレルギー抑制
シソには異常に働いていた体の免疫を正常にもどす働きがあることが最近の研究によりわかってきています。
つまり、アレルギー抑制効果が期待できるということです。
これは、シソには、体内でEPAに変化するα-リノレン酸が含まれています。
EPAには免疫を正常にするはたらきがあり、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状を緩和してくれる効果があります。
また、シソの種子に含まれるポリフェノールの一種であるルテオリンやロスマリン酸にも、アレルギー症状を軽減する作用が期待できます。
シソの解毒効果
細胞内液の浸透圧を維持する働きのあるカリウムは、
体内のナトリウムを排出しやすくするため、利尿・発汗を促します。
体の過剰な水分や塩分を体の外に出す作用があるのです。
更に、水分や塩分を体の外に出す際に、腎臓に溜まりやすい老廃物も一緒に排泄を促す働きもあるといわれています。
解毒(デトックス)作用も期待できます。
過剰な水分はむくみの原因ですので、むくみ改善の効果が期待できます。
また、ナトリウムの排出を促して血圧の上昇を抑える働きもあり、
高血圧症状の予防や、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。
ルテオリンには、肝臓の解毒機能の強化も期待されています。
シソの貧血予防
シソは鉄分が多く、また鉄分の吸収を助けるビタミンCも多く含むことから、貧血にも効果的です。
シソのリラックス効果やストレス軽減効果
シソの香り成分であるペリルアルデヒドには神経をしずめ、リラックスできる効果も期待できます。
特に赤シソを水に溶かした「しそジュース」にはリラックス効果が期待でき、眠れない時などに飲むと心が静まり眠りにつくことができます。
また、シソに含まれるカルシウムも精神安定に効果があります。
シソを摂ることで、香り成分のペリルアルデヒドとカルシウムのダブルの効果で神経のイライラがおさえられ、リラックスできます。
何かと多いストレスの軽減に役立ちますね。
漢方には、シソを使ったものが数多くあります
漢方では、シソを使ったものがたくさんあります。
葉を蘇葉(そよう)、種子を蘇子(そし)といって、
利尿、発汗、去痰、鎮咳などの薬として広く用いられています。
シソのおすすめの食べ方
青ジソは、特有のさわやかな香りを活かすために、生で食べられることが多いですね。
青ジソやその実は刺身のつまとして添えたり、冷奴などの料理の香味付け、魚のくさみ消しなどに使われていますね。
シソを細かくきざんで、きゅうりやキャベツの浅漬けにまぜたり、
あるいはチーズやかまぼこを巻いて、お酒のおつまみにしても良いでしょう。
香り成分のぺリルアルデヒドは、細かく切るほど風味が引き出されます。
穂ジソや花ジソなどは、刺身や天ぷらのつけ合わせに適しています。
実は薬味として、独特の風味をだします。
また、シソを油と調理することで多く含まれているβ-カロテンの吸収が高まります。
焼き物や揚げ物など油を使った料理とも相性が良いですね。
シソの葉の綺麗な緑色を活かすために、片面だけに衣を絡め、天ぷらにするもおすすめです。
赤ジソは、ほとんどが、赤い色を出すために梅干しを漬けるのに使われます。
この赤ジソで、さわやかな風味とりんご酢の酸味をきかして赤ジソジュースにしてもいいと思います。
ほんとに綺麗な赤色のジュースは、さっぱりしていて、すっきりとしたおいしさです。
夏のかき氷のシロップにするのもおすすめです。
シソの葉を陰干しにしたものを砕いて粉末にし、料理の薬味として使用すれば、健胃効果を期待できます。
また、料理ではないのですが、お腹をこわしたときにしそ茶を飲むと、下痢や腹痛が改善されます。
陰干ししたシソの葉を細かくしてきざんで熱湯を注ぎ、お茶のようにして飲みます。
腹痛には、しその葉をきざんだものと梅干しの肉を熱湯に溶いて飲んでも効果的です。

シソの保存方法
濡らした新聞紙やキッチンペーパーにくるんで冷蔵庫で保存すれば、新鮮さを保つことができます。
乾燥させないようにすれば、1〜2週間保存しておくことができるようです。
冷凍もできます。
冷凍する際は、さっと水洗いしペーパータオルなどで水気を切り、シソの葉同士がくっつかないように冷凍用密閉袋などに入れて保存します。
1ヶ月くらいは大丈夫です。
しその摂取目安と食べ方のコツ
しそは栄養たっぷりとはいえ、「1日にどのくらい食べたら効果があるの?」って気になりますよね。
実は、1日2〜5枚程度でもじゅうぶんに栄養効果が期待できると言われています。なぜなら、しそは少量でもβカロテンやビタミンKが高濃度で含まれているため、毎日コツコツ摂ることで体にしっかり届くんです。
食べ方のコツはこれ!
- サラダや冷奴にちぎってトッピング
- 納豆や卵かけご飯に混ぜる
- 揚げ物の下に敷くのではなく、一緒に食べる!(ここ大事)
- 天ぷらやしそ巻きで加熱してもOK
ポイントは、毎日の食事に“ちょい足し”感覚で取り入れること。薬味だけじゃもったいない!と本気で思えるほど、しそは使い道いろいろなんです。
加熱と生、栄養素に差はある?
「生で食べるのが一番?」と聞かれると…それは半分正解です。
βカロテンやビタミンCなど、熱に弱い栄養素は加熱することで一部減ってしまいます。でも、しその場合は葉が薄いので、軽く火を通す程度なら栄養の損失はそこまで大きくありません。
たとえばしそ巻きやしそ入り餃子、しその天ぷらなど、ほんの数十秒の加熱なら、風味も栄養も残りやすいんです。
むしろ、生よりも「たっぷり使える」「子どもでも食べやすい」といったメリットがあるので、**加熱して食べるのもアリ!**という柔軟なスタンスで大丈夫。
食べ方を工夫すれば、飽きずに続けられるのもしそのいいところですよ。
妊娠中・子どもにもしそはOK?
はい、しそは妊娠中の方や子どもにも安心して食べられる野菜です!
特に妊娠中は、免疫力や鉄分のサポートが必要な時期。しそに含まれる鉄分・カルシウム・βカロテンは、妊婦さんの栄養補給にぴったりです。
ただし注意点もあります。香り成分であるペリルアルデヒドは刺激が強いため、大量に食べるとお腹が緩くなることも。なので、1日に5枚前後を目安にして、さまざまな野菜とバランスよく食べるようにしましょう。
また、子どもにも取り入れやすくするには、細かく刻んで混ぜる・加熱して苦みを和らげるのがコツ。しそ入りチャーハンやスープにすれば、栄養も香りもまろやかに楽しめますよ。
しそを手軽に取り入れるレシピアイデア
しそってどうしても「薬味止まり」になりがちですが、実は料理の主役にもなれる万能食材なんです。
手軽で美味しいしそレシピ3選
しそチーズ巻き
ささみや豚肉にチーズとしそを巻いて焼くだけ。香りとコクでごはんが進む!
しそとツナの和風パスタ
しそ・ツナ・しょうゆ・オリーブオイルのシンプル和風パスタ。レモンを絞っても美味!
しそ味噌ごはん
刻んだしそと味噌を混ぜてごはんにのせるだけ。おにぎりの具にもぴったり。
どれも簡単なのに、しその風味と栄養がギュッと詰まった一品です。
これなら毎日続けられそうですよね♪
手軽で美味しいしそレシピ3選
しそチーズ巻き
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しそ・ツナ・しょうゆ・オリーブオイルのシンプル和風パスタ。レモンを絞っても美味!
しそ味噌ごはん
刻んだしそと味噌を混ぜてごはんにのせるだけ。おにぎりの具にもぴったり。
どれも簡単なのに、しその風味と栄養がギュッと詰まった一品です。
これなら毎日続けられそうですよね♪
まとめ
シソは、抗菌防腐効果を狙った刺身のつまや薬味、そして梅干しの着色と私たちの身の回りによく登場する食材ですが、実は栄養価の高い、すぐれた緑黄色野菜です。
もっと、普段の食生活に上手くシソを取り入れることで健康増進効果も期待できるので、単に薬味としてだけでなく、是非色々な料理に使って積極的に食べる事をお勧めします。
最後までご覧いただきありがとうございます。